◇59ページ◇消えた
Name change
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ツー、ツー、と冷たい音を続けているスマホを片手に、俺は寝室の扉に背中を預けて座り込んだ。
リビングにキッチン、ダイニング、風呂場もトイレも、名前の姿を必死に探した。
スマホの中にも探した。
でも、自宅からは、名前が存在していた痕跡すら見つけることが出来なかった。
食器棚の中からは、ハート柄のお揃いのティーカップさえも消えてなくなっていた。
スマホからは、名前の名前が履歴ごとすべて消えていた。
一緒に撮った写真もごっそり、俺のスマホからなくなっていたのだ。
本当に、まるで、名前という女はこの家に初めからいなかったみたいに、何もかもが1人で生活していた日々に戻っていたのだ。
『名前って誰だ?新しい女が出来たのか?』
ふざけたことを言うファーランと話が噛み合わず、凄く嫌な予感がしてハンジにも電話をかけた。
思った通り、ファーランと同じように、名前なんて女は知らないと繰り返すばかりだった。
それでも信じたくなくて、手当たり次第に名前と会わせたことのあるやつに電話をかけた。
それも、返ってくる答えは同じだった。
ぼんやりと眺める寝室の風景には、名前との想い出が溢れていた。
初めて身体を重ねた日のこと、それに、おはようのキスとおやすみのキス。
なんでもない日常の幸せが、そこには確かにあったはずだった。
それなのに、名前という存在そのものが、俺以外のすべてから消えてしまったのだ。
『最後に、私から魔法を…っ、かけます、ね…っ。みんな、忘れて、くれるから…っ。』
スマホ越しに名前が言った言葉が頭から離れない。
もしかして、名前は本当に魔法が使えたんだろうか。
わけのわからない状況で、俺は馬鹿みたいに大真面目にそんなことを考えていた。
魔法が解けてしまいそうになった名前は、魔法を使って、ありとあらゆるものから自分というものを消したということか。
だって、そうでも考えないとこの状況は理解出来なかったのだ。
それならどうして、俺だけは名前を忘れられない。忘れられそうにないのか。
君は最後にみんなに魔法をかけるのに精一杯で
俺にかかった魔法を解くことを忘れていたんだね
それとも、わざとそのままにした?だから俺は今も君を愛してるの?
リビングにキッチン、ダイニング、風呂場もトイレも、名前の姿を必死に探した。
スマホの中にも探した。
でも、自宅からは、名前が存在していた痕跡すら見つけることが出来なかった。
食器棚の中からは、ハート柄のお揃いのティーカップさえも消えてなくなっていた。
スマホからは、名前の名前が履歴ごとすべて消えていた。
一緒に撮った写真もごっそり、俺のスマホからなくなっていたのだ。
本当に、まるで、名前という女はこの家に初めからいなかったみたいに、何もかもが1人で生活していた日々に戻っていたのだ。
『名前って誰だ?新しい女が出来たのか?』
ふざけたことを言うファーランと話が噛み合わず、凄く嫌な予感がしてハンジにも電話をかけた。
思った通り、ファーランと同じように、名前なんて女は知らないと繰り返すばかりだった。
それでも信じたくなくて、手当たり次第に名前と会わせたことのあるやつに電話をかけた。
それも、返ってくる答えは同じだった。
ぼんやりと眺める寝室の風景には、名前との想い出が溢れていた。
初めて身体を重ねた日のこと、それに、おはようのキスとおやすみのキス。
なんでもない日常の幸せが、そこには確かにあったはずだった。
それなのに、名前という存在そのものが、俺以外のすべてから消えてしまったのだ。
『最後に、私から魔法を…っ、かけます、ね…っ。みんな、忘れて、くれるから…っ。』
スマホ越しに名前が言った言葉が頭から離れない。
もしかして、名前は本当に魔法が使えたんだろうか。
わけのわからない状況で、俺は馬鹿みたいに大真面目にそんなことを考えていた。
魔法が解けてしまいそうになった名前は、魔法を使って、ありとあらゆるものから自分というものを消したということか。
だって、そうでも考えないとこの状況は理解出来なかったのだ。
それならどうして、俺だけは名前を忘れられない。忘れられそうにないのか。
君は最後にみんなに魔法をかけるのに精一杯で
俺にかかった魔法を解くことを忘れていたんだね
それとも、わざとそのままにした?だから俺は今も君を愛してるの?