◇54ページ◇神様
Name change
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初日の出を見た帰り、そのまま初詣に向かった車は当然のように渋滞にはまった。
やっと辿り着いた神社も人の多さに心が折れそうだった。
それでも、嬉しそうに頬を緩める名前が隣にいる俺はご機嫌だったと思う。
長い行列を見つけて最後尾に並んだ頃には、身体はもう氷になったように冷えていた。
「さみぃ…。」
文句を呟くように言って、名前を後ろから抱きしめた。
細い肩に顎を乗せて、重さがかからないように寄り掛かれば、柔らかい身体が、俺の心まで暖めてくれた。
「リヴァイさん、あったかい。」
嬉しそうに微笑んだ名前の頬は、少しだけ赤く染まっていた。
冷たい風の仕業か、俺の仕業か。
出来れば、後者であればいいと思いながら、俺の頬はもうすっかり緩んでいたと思う。
人前でイチャつくカップルを、恥ずかしい奴らだと見下して、馬鹿にしていた俺はもういなかった。
今日、一年で一番人の多いこの日の神社で、俺が一番阿保面をした彼氏だった自信だってある。
おみくじを引こうだとか、正月休みはどんな風に過ごそうかと話していれば、あっという間に拝殿の前にやって来ていた。
用意いておいた賽銭を入れ、2人で一緒に鈴を鳴らした。
そして、礼をしてから、手を合わせて目を閉じた。
神様なんて、信じたことはない俺は、まずは、名前に出逢わせてくれた感謝を伝えていた。
それから、今年も、来年も、再来年も、名前と共になんてことない日々を過ごしていけるように願った。
合わせていた手を離して目を開けると、隣に立つ名前はまだ目を閉じていた。
とても真剣な表情で、合わせた手の向こうに願いをかけているようだった。
少し待っていれば、名前も目を開けて、俺達は手を繋いで参拝のための列から抜け出した。
漸く人の少ない場所にやって来てから、名前に訊ねた。
「長かったな。何を願ってたんだ?」
「これからもずーっとリヴァイさんと一緒にいられるように見守ってくださいって
お願いしましたっ。」
名前が嬉しそうに教えてくれた。
同じことを神様に伝えていたようで、嬉しかった。
だって、俺達の想いが同じことを知った神様ってやつは、きっと守ってやろうと思うに決まってるからだ。
「リヴァイさんは、神様に何を伝えたんですか?」
「名前がもっとエロくなりますように。」
「な…っ、そんな恥ずかしいこと神様にお願いしないでくださいよっ。」
俺の嘘を鵜呑みにした名前は、顔を真っ赤にした。
すぐに冗談だと教えてやろうとしたのだが、名前は顔を赤くしたままで続けた。
「私に言ってくれれば、ちゃんとするのに!
どんな風にすればいいんですか?もっと際どい下着ですか?」
真剣に訊ねてくる名前に、俺は呆気にとられた。
恥ずかしそうに染まる頬と、真剣な目は、言葉よりも分かりやすく笑えるくらいの真っすぐな愛を伝えてくれていた。
「お前は本当に俺が好きだな。」
馬鹿だなー。
そう続けて喉を鳴らしながら、俺は名前の頭をクシャリと撫でた。
俺の願いならなんだって叶えたいだとか、真剣なのに馬鹿とはヒドイだとか、口を尖らせる名前は愛おしいばかりで、俺はやっぱりククッと喉が鳴る。
やっぱりその日、ニュースに取り上げられるくらいに人の多かった神社で、一番阿保面で、一番幸せだった彼氏は俺だったと思う。
だって、名前という世界一素敵な女性に、誰よりも想われていたのだから。
やっと辿り着いた神社も人の多さに心が折れそうだった。
それでも、嬉しそうに頬を緩める名前が隣にいる俺はご機嫌だったと思う。
長い行列を見つけて最後尾に並んだ頃には、身体はもう氷になったように冷えていた。
「さみぃ…。」
文句を呟くように言って、名前を後ろから抱きしめた。
細い肩に顎を乗せて、重さがかからないように寄り掛かれば、柔らかい身体が、俺の心まで暖めてくれた。
「リヴァイさん、あったかい。」
嬉しそうに微笑んだ名前の頬は、少しだけ赤く染まっていた。
冷たい風の仕業か、俺の仕業か。
出来れば、後者であればいいと思いながら、俺の頬はもうすっかり緩んでいたと思う。
人前でイチャつくカップルを、恥ずかしい奴らだと見下して、馬鹿にしていた俺はもういなかった。
今日、一年で一番人の多いこの日の神社で、俺が一番阿保面をした彼氏だった自信だってある。
おみくじを引こうだとか、正月休みはどんな風に過ごそうかと話していれば、あっという間に拝殿の前にやって来ていた。
用意いておいた賽銭を入れ、2人で一緒に鈴を鳴らした。
そして、礼をしてから、手を合わせて目を閉じた。
神様なんて、信じたことはない俺は、まずは、名前に出逢わせてくれた感謝を伝えていた。
それから、今年も、来年も、再来年も、名前と共になんてことない日々を過ごしていけるように願った。
合わせていた手を離して目を開けると、隣に立つ名前はまだ目を閉じていた。
とても真剣な表情で、合わせた手の向こうに願いをかけているようだった。
少し待っていれば、名前も目を開けて、俺達は手を繋いで参拝のための列から抜け出した。
漸く人の少ない場所にやって来てから、名前に訊ねた。
「長かったな。何を願ってたんだ?」
「これからもずーっとリヴァイさんと一緒にいられるように見守ってくださいって
お願いしましたっ。」
名前が嬉しそうに教えてくれた。
同じことを神様に伝えていたようで、嬉しかった。
だって、俺達の想いが同じことを知った神様ってやつは、きっと守ってやろうと思うに決まってるからだ。
「リヴァイさんは、神様に何を伝えたんですか?」
「名前がもっとエロくなりますように。」
「な…っ、そんな恥ずかしいこと神様にお願いしないでくださいよっ。」
俺の嘘を鵜呑みにした名前は、顔を真っ赤にした。
すぐに冗談だと教えてやろうとしたのだが、名前は顔を赤くしたままで続けた。
「私に言ってくれれば、ちゃんとするのに!
どんな風にすればいいんですか?もっと際どい下着ですか?」
真剣に訊ねてくる名前に、俺は呆気にとられた。
恥ずかしそうに染まる頬と、真剣な目は、言葉よりも分かりやすく笑えるくらいの真っすぐな愛を伝えてくれていた。
「お前は本当に俺が好きだな。」
馬鹿だなー。
そう続けて喉を鳴らしながら、俺は名前の頭をクシャリと撫でた。
俺の願いならなんだって叶えたいだとか、真剣なのに馬鹿とはヒドイだとか、口を尖らせる名前は愛おしいばかりで、俺はやっぱりククッと喉が鳴る。
やっぱりその日、ニュースに取り上げられるくらいに人の多かった神社で、一番阿保面で、一番幸せだった彼氏は俺だったと思う。
だって、名前という世界一素敵な女性に、誰よりも想われていたのだから。