◇53ページ◇初日の出
Name change
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新年を迎えて早々、夜も明けきらない頃に、俺と名前は車に乗り込んだ。
肌を刺すような寒さに、体は一瞬で凍えていた。
「うー…、寒い~…。眠い~…。
リヴァイさんが寝かせてくれなかったから、1時間しか眠れてないぃ…。」
「もっとって言われた気がするんだけどな。」
「言ってません!」
顔を真っ赤にして俺を見た名前は、やっと目が覚めたようだった。
「なら、心の声かもしれねぇな。顔が言ってた。」
意地悪く喉を鳴らせば、名前が違うだとか言いながらブツブツと口を尖らせる。
その姿が可笑しくて、新年から可愛くて、俺はご機嫌でアクセルを踏み込んだ。
「凄い叩き起こされたぁ…。」
「それは悪かったな。」
「ふわぁ~…。眠い~。
誰ですか、初日の出見に行こうって言いだしたやつぅ~…。」
「確か、そこで凍えてるやつだったはずだ。」
「なんてこった。」
コートの袖を伸ばして、胸の前でクロスさせた手で両腕を擦って暖を取りながら、名前が適当なことを言う。
見慣れた通りは、いつものこの時間よりも車が多いようだった。
みんなそれぞれに、楽しく新しい年を迎えているようだ。
俺もー。
隣をチラリと見ると、寒い寒いと言いながら、Bluetoothで自分のスマホを車に繋いだ名前が、お気に入りの曲を選んでいた。
「歌を歌って身体を温めましょう。」
「あ~、だから曲探してんのか。」
「あと、リヴァイさんの歌声を聞きたい下心が9割くらいあります。」
「ほとんど下心しかねぇじゃねぇか。」
苦笑する俺に、名前はエヘヘと楽しそうに笑う。
いつの間にか、初詣や初日の出を見に行く車で渋滞気味で進みが遅くなってきた暗い道だって、名前が隣にいると楽しい時間だった。
「リヴァイさんって、どんな歌が好きですか?」
「さぁ、そんなに聴かねぇな。」
「私、No Nameが好きなんです。」
「あー、あの包帯で顔を隠してるやつか。」
「リヴァイさんに似てますよね。だから好きです。
似てるって言われません?」
「…いや、初めて言われたな。
あれ、顔がほとんど隠れてるだろ。」
「それでも、私には分かるんです。絶対にあの人、リヴァイさんにそっくりですよ。
リヴァイさんの方がカッコいいけど。」
名前はそう言うと、運転中の俺の頬に触れるだけのキスをした。
そして、驚いた俺が、危ないからやめろと叱るのを、また楽しそうに笑った。
すっかり車の中は暖かくなっていたけれど、ほとんど下心で出来ていた名前の提案は消えることはなかった。
「リヴァイさん、No Nameの歌、知ってますか?」
「有名なのを知ってるくらいだな。」
「じゃあ、一番有名なの流しますね。一緒に歌いましょ~。」
名前が楽しそうに曲を流し始めた。
人前で歌を歌うのは得意ではないし、好んでしたいとも思わない。
でも、夜も明けていない真冬に渋滞に巻き込まれた車の中で、うろ覚えの歌を名前と一緒に適当に歌うのはすごく楽しかった。
人生で一番楽しいドライブだった。
肌を刺すような寒さに、体は一瞬で凍えていた。
「うー…、寒い~…。眠い~…。
リヴァイさんが寝かせてくれなかったから、1時間しか眠れてないぃ…。」
「もっとって言われた気がするんだけどな。」
「言ってません!」
顔を真っ赤にして俺を見た名前は、やっと目が覚めたようだった。
「なら、心の声かもしれねぇな。顔が言ってた。」
意地悪く喉を鳴らせば、名前が違うだとか言いながらブツブツと口を尖らせる。
その姿が可笑しくて、新年から可愛くて、俺はご機嫌でアクセルを踏み込んだ。
「凄い叩き起こされたぁ…。」
「それは悪かったな。」
「ふわぁ~…。眠い~。
誰ですか、初日の出見に行こうって言いだしたやつぅ~…。」
「確か、そこで凍えてるやつだったはずだ。」
「なんてこった。」
コートの袖を伸ばして、胸の前でクロスさせた手で両腕を擦って暖を取りながら、名前が適当なことを言う。
見慣れた通りは、いつものこの時間よりも車が多いようだった。
みんなそれぞれに、楽しく新しい年を迎えているようだ。
俺もー。
隣をチラリと見ると、寒い寒いと言いながら、Bluetoothで自分のスマホを車に繋いだ名前が、お気に入りの曲を選んでいた。
「歌を歌って身体を温めましょう。」
「あ~、だから曲探してんのか。」
「あと、リヴァイさんの歌声を聞きたい下心が9割くらいあります。」
「ほとんど下心しかねぇじゃねぇか。」
苦笑する俺に、名前はエヘヘと楽しそうに笑う。
いつの間にか、初詣や初日の出を見に行く車で渋滞気味で進みが遅くなってきた暗い道だって、名前が隣にいると楽しい時間だった。
「リヴァイさんって、どんな歌が好きですか?」
「さぁ、そんなに聴かねぇな。」
「私、No Nameが好きなんです。」
「あー、あの包帯で顔を隠してるやつか。」
「リヴァイさんに似てますよね。だから好きです。
似てるって言われません?」
「…いや、初めて言われたな。
あれ、顔がほとんど隠れてるだろ。」
「それでも、私には分かるんです。絶対にあの人、リヴァイさんにそっくりですよ。
リヴァイさんの方がカッコいいけど。」
名前はそう言うと、運転中の俺の頬に触れるだけのキスをした。
そして、驚いた俺が、危ないからやめろと叱るのを、また楽しそうに笑った。
すっかり車の中は暖かくなっていたけれど、ほとんど下心で出来ていた名前の提案は消えることはなかった。
「リヴァイさん、No Nameの歌、知ってますか?」
「有名なのを知ってるくらいだな。」
「じゃあ、一番有名なの流しますね。一緒に歌いましょ~。」
名前が楽しそうに曲を流し始めた。
人前で歌を歌うのは得意ではないし、好んでしたいとも思わない。
でも、夜も明けていない真冬に渋滞に巻き込まれた車の中で、うろ覚えの歌を名前と一緒に適当に歌うのはすごく楽しかった。
人生で一番楽しいドライブだった。