◇52ページ◇大晦日
Name change
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12月31日、年越しそばも食べ終わった俺と名前は、炬燵に入って並んで座り、年末の音楽番組を見ていた。
カウントダウンのイベントが近くでやっているから、行きたいんじゃないかと思って誘ってはみたけれど、2人でゆっくりする方がいいと嬉しい返事を貰った。
俺も本当は、人混みはあまり得意じゃない。
ファーランやハンジ達は楽しいイベントが好きでよく誘ってくるが、どうテンションを上げればいいのか分からなくて、いつも困るのだ。
今年は誘いすらされなかったのは、俺が乗り気じゃないのを知っているのと、名前もいるからと気を遣ったのだろう。
「今年も終わっちゃうんですね。」
紅茶を飲みながらポツリと呟いて、名前が俺の肩に頭を乗せた。
テレビの向こうでは、ギラギラの衣装を身に纏ったアーティスト達がカウントダウンの準備を始めていて、名前が漂わせている寂しさを引き立たせた。
「良い年だったか?」
名前の肩を抱き寄せて、顔を覗き込んだ。
目が合って少し驚いた名前だったが、すぐに柔らかく微笑んだ。
「はい、後半の幸せは私の人生で一番でした。」
「ならよかった。」
クシャリと髪を撫でた後、キスをすれば名前は瞳を閉じて受け入れる。
結婚話の破棄をお願いしに実家に戻った名前は、今回はその日のうちに帰ってきた。
父親と母親はすんなりと受け入れてくれたらしく、両親から向こうの家に婚約予定の破棄を申し入れてくれることになったと聞いている。
あまりにあっけなくて、拍子抜けしてしまった。
婚約話を持ち出した相手の男側がどう反応するか分からないから、まだ安心はできないのだろうが、とりあえず、結婚する気がないことは伝えることは出来た。
名前が相手の男と会う必要もないようで、それも俺にとっては嬉しいことのひとつだった。
「リヴァイさん、一緒にカウントダウンしましょう。」
名前が俺の指に自分の指を絡めながら、楽しそうに言った。
テレビの向こうでは、カウントダウンまでのカウントダウンなんてものが始まっていた。
「あぁ、そうだな。一緒にしよう。」
「0になった瞬間にチューですよ。」
「ベタだな。」
思わず苦笑すると、名前が口を尖らせた。
「あ、やったことがあるんですね。
元カノだっているし分かるけど、そういうのを匂わせるのはルール違はー。」
悪いが、都合の悪いことは聞かない主義だ。
だから、文句が続きそうだった名前の唇を自分の唇で塞がせてもらった。
怒っていたはずの名前は素直にキスを受け入れるから、いつの間にかカーペットの上に押し倒していた。
正直に言えば、ベタなカウントダウンをしたことがあるような気もするし、話に聞いたことがあるだけな気もする。
でも、俺にとってはそんなことどうでもいいことだった。
ただ、名前と唇を重ねる口実があって、甘い吐息を独り占め出来たのなら、幸せだった。
ただ、こうして一緒にいられるだけでよかった。
いつの間にかカウントダウンが始まっていたらしく、俺に唇を塞がれたまま胸の頂を弄ばれる名前の可愛らしい声と重なって聞こえていた。
5,4,3,2,1-。
『ハッピーニューイヤー!!』
テレビの向こうでは、有名なアーティスト達が楽しそうな歓声を上げていた。
でも、俺に聞こえていたのは、名前が唇の隙間から漏らす可愛らしい吐息と声だけだ。
そろそろ苦しそうになってきて唇を離した頃には、セーターのワンピースは胸の上までたくし上げられて、ズリ下ろされたブラジャーからは柔らかい胸が露になっていた。
それから、細い腰と、今日も俺に解かれるためだけにある紐で結んでいる下着、すべてがとても綺麗だった。
そんな淫らな格好で、名前が俺を涙目で見上げるから、すごくゾクゾクさせられた。
「…カウントダウン、出来なかった。」
「こんな年越しは初めてだ。他の女とはしてねぇのがよかったんだろう?」
「…ズルい、いつもリヴァイさんはズルー。」
「お前には敵わねぇよ。」
強引に唇を塞ぐ直前、俺の言葉を聞いた名前が少しだけ眉を顰めたのが見えた。
あれはきっと、不意に漏れた本音だったのだと思う。
名前はズルい。こんなに好きにさせておいて、いつか自分は消えても仕方がないと、きっとそう思っていたのだろうから、ズルい。
大事なことは、何も話してくれないのだって、ズルい。
ズルいのだ。いつの間にか、俺の方が名前を好きになっている気がする。
だから、ズルい。
俺は、この手を放す気なんて、サラサラないのにー。
364日不幸だって、たった1日、君が俺のために笑ってくれたら
それは最高の1年だったって、俺は呼んでしまうと思うんだ
日記さん、今日で今年が終わるわ。
絶望するくらいにツラいことがあった1年だった。
でも、未来に希望を持ってしまうくらいの幸せを知った1年でもあったの。
だから、良い年だった?って聞かれたら、私は自信を持って答えるわ。
えぇ、もちろん!
ってね。
カウントダウンのイベントが近くでやっているから、行きたいんじゃないかと思って誘ってはみたけれど、2人でゆっくりする方がいいと嬉しい返事を貰った。
俺も本当は、人混みはあまり得意じゃない。
ファーランやハンジ達は楽しいイベントが好きでよく誘ってくるが、どうテンションを上げればいいのか分からなくて、いつも困るのだ。
今年は誘いすらされなかったのは、俺が乗り気じゃないのを知っているのと、名前もいるからと気を遣ったのだろう。
「今年も終わっちゃうんですね。」
紅茶を飲みながらポツリと呟いて、名前が俺の肩に頭を乗せた。
テレビの向こうでは、ギラギラの衣装を身に纏ったアーティスト達がカウントダウンの準備を始めていて、名前が漂わせている寂しさを引き立たせた。
「良い年だったか?」
名前の肩を抱き寄せて、顔を覗き込んだ。
目が合って少し驚いた名前だったが、すぐに柔らかく微笑んだ。
「はい、後半の幸せは私の人生で一番でした。」
「ならよかった。」
クシャリと髪を撫でた後、キスをすれば名前は瞳を閉じて受け入れる。
結婚話の破棄をお願いしに実家に戻った名前は、今回はその日のうちに帰ってきた。
父親と母親はすんなりと受け入れてくれたらしく、両親から向こうの家に婚約予定の破棄を申し入れてくれることになったと聞いている。
あまりにあっけなくて、拍子抜けしてしまった。
婚約話を持ち出した相手の男側がどう反応するか分からないから、まだ安心はできないのだろうが、とりあえず、結婚する気がないことは伝えることは出来た。
名前が相手の男と会う必要もないようで、それも俺にとっては嬉しいことのひとつだった。
「リヴァイさん、一緒にカウントダウンしましょう。」
名前が俺の指に自分の指を絡めながら、楽しそうに言った。
テレビの向こうでは、カウントダウンまでのカウントダウンなんてものが始まっていた。
「あぁ、そうだな。一緒にしよう。」
「0になった瞬間にチューですよ。」
「ベタだな。」
思わず苦笑すると、名前が口を尖らせた。
「あ、やったことがあるんですね。
元カノだっているし分かるけど、そういうのを匂わせるのはルール違はー。」
悪いが、都合の悪いことは聞かない主義だ。
だから、文句が続きそうだった名前の唇を自分の唇で塞がせてもらった。
怒っていたはずの名前は素直にキスを受け入れるから、いつの間にかカーペットの上に押し倒していた。
正直に言えば、ベタなカウントダウンをしたことがあるような気もするし、話に聞いたことがあるだけな気もする。
でも、俺にとってはそんなことどうでもいいことだった。
ただ、名前と唇を重ねる口実があって、甘い吐息を独り占め出来たのなら、幸せだった。
ただ、こうして一緒にいられるだけでよかった。
いつの間にかカウントダウンが始まっていたらしく、俺に唇を塞がれたまま胸の頂を弄ばれる名前の可愛らしい声と重なって聞こえていた。
5,4,3,2,1-。
『ハッピーニューイヤー!!』
テレビの向こうでは、有名なアーティスト達が楽しそうな歓声を上げていた。
でも、俺に聞こえていたのは、名前が唇の隙間から漏らす可愛らしい吐息と声だけだ。
そろそろ苦しそうになってきて唇を離した頃には、セーターのワンピースは胸の上までたくし上げられて、ズリ下ろされたブラジャーからは柔らかい胸が露になっていた。
それから、細い腰と、今日も俺に解かれるためだけにある紐で結んでいる下着、すべてがとても綺麗だった。
そんな淫らな格好で、名前が俺を涙目で見上げるから、すごくゾクゾクさせられた。
「…カウントダウン、出来なかった。」
「こんな年越しは初めてだ。他の女とはしてねぇのがよかったんだろう?」
「…ズルい、いつもリヴァイさんはズルー。」
「お前には敵わねぇよ。」
強引に唇を塞ぐ直前、俺の言葉を聞いた名前が少しだけ眉を顰めたのが見えた。
あれはきっと、不意に漏れた本音だったのだと思う。
名前はズルい。こんなに好きにさせておいて、いつか自分は消えても仕方がないと、きっとそう思っていたのだろうから、ズルい。
大事なことは、何も話してくれないのだって、ズルい。
ズルいのだ。いつの間にか、俺の方が名前を好きになっている気がする。
だから、ズルい。
俺は、この手を放す気なんて、サラサラないのにー。
364日不幸だって、たった1日、君が俺のために笑ってくれたら
それは最高の1年だったって、俺は呼んでしまうと思うんだ
日記さん、今日で今年が終わるわ。
絶望するくらいにツラいことがあった1年だった。
でも、未来に希望を持ってしまうくらいの幸せを知った1年でもあったの。
だから、良い年だった?って聞かれたら、私は自信を持って答えるわ。
えぇ、もちろん!
ってね。