◇41ページ◇ケーキの味
Name change
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本格的に冬が訪れて、街もクリスマスカラーにすっかり着替えを済ませていた。
賑やかなイルミネーションが点灯する街路樹はまるで、夜空の下で光りの道のように輝いていた。
恋人達が腕を組んで幸せそうに歩くそこを、俺は全速力で走っていた。
まるで誰かの涙のような小雨が降ってきて、クリスマスの定番ソングが、ひとりきりのクリスマス・イヴを歌っている。
でも、俺は、今夜は絶対にー。
(名前…っ。)
楽しそうな笑顔の中に名前の姿を必死に探した。
まさか本当にこれで終わりにするつもりか。別れる気なのか。
本気で、俺の幸せが他の女と一緒にいることだと信じているのか。
俺達はもう、あのパーティーの日とは違うのだ。
今度こそ、恋人だと呼び合う仲になった。
嬉しそうに笑って、無理をして、他の女と一緒にいる俺の幸せを願ってなんかいたら許さない。
許さないー。
「名前!!」
遠くに、見覚えのある後ろ姿を見つけた。
駅前に置かれた巨大なクリスマスツリーを見上げている華奢な背中は、名前だった。
振り返った名前の顔を見て、ホッとした。
肩を掴んで強く抱き寄せれば、涙で濡れた名前の頬が、俺の頬まで濡らした。
「リヴァイさん…っ。」
名前が俺の背中に手をまわし、ギュッとしがみついた。
震える凍えた身体を、俺は力いっぱいに強く強く抱きしめた。
「悪かったっ。」
不安にさせた。嫌な思いをさせた。傷つけたー。
謝る俺に、名前は腕の中で何度も首を横に振った。
そして、強く強くしがみつきながら、震える声で縋るように言った。
「後悔、してました…っ。誰にも、リヴァイさんを渡したくない…っ。
だって、私の方がずっと、ずっと、リヴァイさんが好きなのに…っ。
ずっと、私のことだけ好きでいてくれなきゃ、やだ…っ。」
好きだ好きだと言いながら、絶対に愛を押しつけようとはしなかった名前が、初めて俺に心の奥底を見せてくれた気がした。
それが愛おしくて、守ってやりたくなって、堪らなかった。
「愛してる。名前だけを愛してる。
後にも先にも、生涯愛するのは名前だけだ。」
小さく肩を揺らした名前は、俺の腕の中でまるで子供のように泣きじゃくった。
賑やかなイルミネーションが点灯する街路樹はまるで、夜空の下で光りの道のように輝いていた。
恋人達が腕を組んで幸せそうに歩くそこを、俺は全速力で走っていた。
まるで誰かの涙のような小雨が降ってきて、クリスマスの定番ソングが、ひとりきりのクリスマス・イヴを歌っている。
でも、俺は、今夜は絶対にー。
(名前…っ。)
楽しそうな笑顔の中に名前の姿を必死に探した。
まさか本当にこれで終わりにするつもりか。別れる気なのか。
本気で、俺の幸せが他の女と一緒にいることだと信じているのか。
俺達はもう、あのパーティーの日とは違うのだ。
今度こそ、恋人だと呼び合う仲になった。
嬉しそうに笑って、無理をして、他の女と一緒にいる俺の幸せを願ってなんかいたら許さない。
許さないー。
「名前!!」
遠くに、見覚えのある後ろ姿を見つけた。
駅前に置かれた巨大なクリスマスツリーを見上げている華奢な背中は、名前だった。
振り返った名前の顔を見て、ホッとした。
肩を掴んで強く抱き寄せれば、涙で濡れた名前の頬が、俺の頬まで濡らした。
「リヴァイさん…っ。」
名前が俺の背中に手をまわし、ギュッとしがみついた。
震える凍えた身体を、俺は力いっぱいに強く強く抱きしめた。
「悪かったっ。」
不安にさせた。嫌な思いをさせた。傷つけたー。
謝る俺に、名前は腕の中で何度も首を横に振った。
そして、強く強くしがみつきながら、震える声で縋るように言った。
「後悔、してました…っ。誰にも、リヴァイさんを渡したくない…っ。
だって、私の方がずっと、ずっと、リヴァイさんが好きなのに…っ。
ずっと、私のことだけ好きでいてくれなきゃ、やだ…っ。」
好きだ好きだと言いながら、絶対に愛を押しつけようとはしなかった名前が、初めて俺に心の奥底を見せてくれた気がした。
それが愛おしくて、守ってやりたくなって、堪らなかった。
「愛してる。名前だけを愛してる。
後にも先にも、生涯愛するのは名前だけだ。」
小さく肩を揺らした名前は、俺の腕の中でまるで子供のように泣きじゃくった。