◇3ページ◇追い出せなかった
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その日は、パソコンを前にデスクに座っても、いつものように手は動かず、家の様子が気になって仕方がなかった。
それでもなんとか今日のノルマを達成して、壁掛けの時計を確認する。
時間は定時を少し過ぎた頃、予定通りに仕事を終えることが出来た。
「20回目。」
パソコンの電源を切ろうとしていたら、隣から友人の声がした。
顔を上げて見れば、黄ばんで皴だらけになった白衣を羽織ったハンジが、ビーカーと試験管を両手に持って俺を見下ろしていた。
研究員ばかりのフロアには、俺も含めてほとんどが白衣を着ている。
でも、ハンジほど白衣の汚い研究員はいない。
こんな不潔なやつが、俺の職場であるこの研究所の社長だなんて、自分の人生を呪いそうだ。
訝しげな顔をする俺に、ハンジがもう一度、さっきと同じことを言う。
「20回目だった。」
「だから何がだよ。そして、臭ぇ。何日、風呂に入ってねぇんだ。」
「2週間。」
「カビ生えてんだろ、お前…!寄るなよ!絶対に俺に寄るな…!!」
急いでパソコンの電源を切った俺は、椅子を蹴るように立ち上がるとハンジから距離を開けた。
もう本当に最悪だ。
本当に臭い。
部下のモブリット達がマスクをしていたのはそのためか。
今日は、家の様子が気になって匂いに鈍感になっていたのかもしれない。
気づいてしまったら、強烈な臭いで頭が痛くなってきた。
「俺は帰るからな。今日は定時で帰ると朝からお前に言っておいたはずだ。」
「あぁ、それは別に構わないよ。
リヴァイはいつもしっかりと必要以上の仕事量をこなしてくれるからね。」
「じゃあ、何だってんだよ。2週間も風呂に入ってねぇ身体で寄るんじゃねぇ。」
「そう、そこなんだよ。君は今朝も私のところに来たのに、臭いに気づきもしないで上の空。
そもそも定時で帰りたいなんて言われたのは、3年振りだ。
時計ばかり気にして、ため息もさっきで20回目。もしかしてリヴァイー。」
「違ぇよ。」
ハンジの懸念に気づいて、俺は不機嫌に否定した。
ありえない妄想だ。
数秒の睨み合いの後、ハンジは首をすぼめた。
「そう、ならいいけど。でも、何かはあったんだよね。」
「問題ねぇ。今日で解決する。…必ず!」
俺は自分自身に強くそう宣言して、研究所を出たのだ。
それでもなんとか今日のノルマを達成して、壁掛けの時計を確認する。
時間は定時を少し過ぎた頃、予定通りに仕事を終えることが出来た。
「20回目。」
パソコンの電源を切ろうとしていたら、隣から友人の声がした。
顔を上げて見れば、黄ばんで皴だらけになった白衣を羽織ったハンジが、ビーカーと試験管を両手に持って俺を見下ろしていた。
研究員ばかりのフロアには、俺も含めてほとんどが白衣を着ている。
でも、ハンジほど白衣の汚い研究員はいない。
こんな不潔なやつが、俺の職場であるこの研究所の社長だなんて、自分の人生を呪いそうだ。
訝しげな顔をする俺に、ハンジがもう一度、さっきと同じことを言う。
「20回目だった。」
「だから何がだよ。そして、臭ぇ。何日、風呂に入ってねぇんだ。」
「2週間。」
「カビ生えてんだろ、お前…!寄るなよ!絶対に俺に寄るな…!!」
急いでパソコンの電源を切った俺は、椅子を蹴るように立ち上がるとハンジから距離を開けた。
もう本当に最悪だ。
本当に臭い。
部下のモブリット達がマスクをしていたのはそのためか。
今日は、家の様子が気になって匂いに鈍感になっていたのかもしれない。
気づいてしまったら、強烈な臭いで頭が痛くなってきた。
「俺は帰るからな。今日は定時で帰ると朝からお前に言っておいたはずだ。」
「あぁ、それは別に構わないよ。
リヴァイはいつもしっかりと必要以上の仕事量をこなしてくれるからね。」
「じゃあ、何だってんだよ。2週間も風呂に入ってねぇ身体で寄るんじゃねぇ。」
「そう、そこなんだよ。君は今朝も私のところに来たのに、臭いに気づきもしないで上の空。
そもそも定時で帰りたいなんて言われたのは、3年振りだ。
時計ばかり気にして、ため息もさっきで20回目。もしかしてリヴァイー。」
「違ぇよ。」
ハンジの懸念に気づいて、俺は不機嫌に否定した。
ありえない妄想だ。
数秒の睨み合いの後、ハンジは首をすぼめた。
「そう、ならいいけど。でも、何かはあったんだよね。」
「問題ねぇ。今日で解決する。…必ず!」
俺は自分自身に強くそう宣言して、研究所を出たのだ。