◇28ページ◇親友
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その日は、母の検査結果が出る日だった。
治療薬の効果についての確認なので、出来れば同席して欲しいとナイルから頼まれていた俺は、午前休をとってエルディア病院に来ていた。
元々の母の症状が、難病と呼ばれていた病の中でも特殊だったことも幸いして、結果は、ほぼ完治とみて問題ないということだった。
今後は、定期的に検査をして再発していないかを確認するだけで良くなった。
そのまま母はケニーの運転する車で帰ったが、製薬会社と提携しているエルディア病院の治験の様子を見てくるように頼まれていた俺は、院内に残っていた。
「よう、製薬会社に戻ったってのは本当だったんだな。」
「ファーラン。」
仕事を終えたところで声をかけてきた医師は、子供の頃から腐れ縁のファーランだった。
俺と一緒に警察沙汰ばかり起こしていた彼も、エルヴィンに出逢って人生が変わった。
共に帝都大学の医学部を卒業して、ファーランはエルディア大学の医師になり、俺は製薬会社に就職した。
社会人になって初めて道が別れたが、その後も俺達はたまに呑みに行ってはお互いの近況を報告し合ったりしていた。
最後に会ったのは、名前が家にやって来る少し前だったはずだ。
俺が製薬会社を辞めてしまったことを誰よりも心配して、責任も感じていた様子のファーランには、復職したことはLINEで報告していた。
「治験のチェックか?」
「あぁ、終わったところだ。今から戻ー。」
「なら、ちょうどよかった。お前に会わせたい娘がいてさ。」
「は?」
「こっちこっち!」
ファーランは俺の腕を強引に掴んで、引っ張って歩き出した。
久しぶりに会った親友は、とても楽しそうだった。
腕時計を見てみると、昼休憩までまだ時間があった。
急いで戻らなくても、午後までには時間がありそうだ。
少しくらいは付き合ってやるかー。
すっかり白衣の馴染んだ背中を見て、俺は少しだけ頬を緩めた。
治療薬の効果についての確認なので、出来れば同席して欲しいとナイルから頼まれていた俺は、午前休をとってエルディア病院に来ていた。
元々の母の症状が、難病と呼ばれていた病の中でも特殊だったことも幸いして、結果は、ほぼ完治とみて問題ないということだった。
今後は、定期的に検査をして再発していないかを確認するだけで良くなった。
そのまま母はケニーの運転する車で帰ったが、製薬会社と提携しているエルディア病院の治験の様子を見てくるように頼まれていた俺は、院内に残っていた。
「よう、製薬会社に戻ったってのは本当だったんだな。」
「ファーラン。」
仕事を終えたところで声をかけてきた医師は、子供の頃から腐れ縁のファーランだった。
俺と一緒に警察沙汰ばかり起こしていた彼も、エルヴィンに出逢って人生が変わった。
共に帝都大学の医学部を卒業して、ファーランはエルディア大学の医師になり、俺は製薬会社に就職した。
社会人になって初めて道が別れたが、その後も俺達はたまに呑みに行ってはお互いの近況を報告し合ったりしていた。
最後に会ったのは、名前が家にやって来る少し前だったはずだ。
俺が製薬会社を辞めてしまったことを誰よりも心配して、責任も感じていた様子のファーランには、復職したことはLINEで報告していた。
「治験のチェックか?」
「あぁ、終わったところだ。今から戻ー。」
「なら、ちょうどよかった。お前に会わせたい娘がいてさ。」
「は?」
「こっちこっち!」
ファーランは俺の腕を強引に掴んで、引っ張って歩き出した。
久しぶりに会った親友は、とても楽しそうだった。
腕時計を見てみると、昼休憩までまだ時間があった。
急いで戻らなくても、午後までには時間がありそうだ。
少しくらいは付き合ってやるかー。
すっかり白衣の馴染んだ背中を見て、俺は少しだけ頬を緩めた。