◇26ページ◇飲み会
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「かんぱーーいっ!」
幹事のモブリットの挨拶が終わり、俺達はグラスを掲げた。
今夜は、ハンジの研究所のメンバーと研究施設のペトラ達も集まって、馴染みの居酒屋を貸し切っての俺の送別と歓迎会だった。
出戻りなこともあって、照れ臭さと申し訳なさから、必要ないとは言ったのだが、せっかくの酒を呑む機会だからとハンジに強引に押し切られてしまった。
ハンジに誘われたらしく、エルヴィンもいて少し驚いた。
「本当に名前ちゃん、来ないんですね。」
ペトラが残念そうに言った。
今朝まで名前も来ると思っていたらしい。
会って、研究の手伝いをしてくれたことと、倒れるまで頼ってしまったことの礼と謝罪をしたかったのだそうだ。
モブリットからも名前を誘っても構わないと言われていたのだが、俺が誘っても、自分は部外者だから邪魔しては悪いと頑なに首を縦に振らなかったのだ。
「私も会いたかったのにな~。」
ニファも名前が来ると期待していたらしく、残念そうに言いながらグラスを口に運んだ。
俺の送別会と歓迎のはずなのだが、会いたかったのは名前とはどういうことか。
思うこともあったが、敢えて口にはしなかった。
「ずっと友達から飲みに誘われてたらしい。
俺が飲み会に行くなら、ちょうどいいと
今日はアイツも友達と飲みに出てる。」
「あ~、そういうことですか。
それなら、俺達みたいな渋い大人ばかりの場より、
友達同士で騒いだ方が楽しいっすよね、ガキは。」
オルオはフッと鼻で笑うと、焼酎を口に運んだ。
そして、咽た。
どうしていつもオルオは酒が強いわけではないのに、度数の強い酒を呑もうとするのか。
隣でペトラが呆れてため息を吐く。
いつもの光景が懐かしかった。
「先日はうちの学生達が研修に行ったんだろう?
楽しく過ごせたかな。」
それぞれ酒がまわり始めた頃、エルヴィンが、俺の隣にやって来て腰を降ろした。
エルヴィンは、帝都大学の医学部で教授をしている。
ミカサとアルミンは医学部だと言っていたし、そのあたりから話が届いたのだろう。
「変な奴らばかりだった。」
「ハハ、なかなか楽しかったようだな。」
エルヴィンが可笑しそうに喉を鳴らした。
そして、つまみに手を伸ばしながら、続けた。
「ハンジから聞いたぞ。君の家に可愛らしい仔犬がいるらしいな。」
「勝手に懐かれただけだ。」
「へぇ。それにしてはとても可愛がっているみたいじゃないか。」
エルヴィンが楽しそうに片方だけ口角を上げた。
余計なことを話したらしいハンジを見てみると、モブリットと酒の飲み比べをして馬鹿笑いしている。
チッと舌打ちをすると、エルヴィンにクスリと笑われた。
「リヴァイが研究施設に戻ったのもその娘の仕業なんだろう?」
「ザックレーから聞いたのか。」
「まぁ、そんなところだ。」
エルヴィンはそう言うと、ビールの入ったジョッキを豪快に口に運んだ。
「それで、リヴァイはその娘のことをどう思ってるんだ?」
「…いい女だと思う。」
荒れた生活を送っていた高校生の俺を見つけて、道を示してくれたのがエルヴィンだった。
エルヴィンとの出逢いが、ハンジ達と繋がって、今になっている。
だから、俺は嘘は吐けなかったのだと思う。
珍しく素直な俺の言葉に驚いたようで、エルヴィンは僅かに目を見開いた後、「へぇ。」とどこか嬉しそうに頬を緩めた。
「客観的に、だ。個人的にじゃねぇ。」
「なんだ、そういうことか。」
「同世代の男も放っておかねぇはずだ。飲みの誘いも多いみてぇだし、
今日もソイツ等と飲みに出てる。俺なんかよりお似合いの若い男と
うまくいけばいい、と思うくらいには可愛がってやってるよ。」
そう言ってつまみに手を伸ばした俺に納得したように、エルヴィンが頷いた。
「なら、今夜、飲みに出てる可愛い仔犬が家に帰らなかったら
若い男とうまくいったんだと喜んでやるってことか。」
「あぁ、そうだな。それもいいな。子守りからやっと解放される。」
俺は、つまみを口に放り投げると、グラスに残った酒を一気に飲み干した。
幹事のモブリットの挨拶が終わり、俺達はグラスを掲げた。
今夜は、ハンジの研究所のメンバーと研究施設のペトラ達も集まって、馴染みの居酒屋を貸し切っての俺の送別と歓迎会だった。
出戻りなこともあって、照れ臭さと申し訳なさから、必要ないとは言ったのだが、せっかくの酒を呑む機会だからとハンジに強引に押し切られてしまった。
ハンジに誘われたらしく、エルヴィンもいて少し驚いた。
「本当に名前ちゃん、来ないんですね。」
ペトラが残念そうに言った。
今朝まで名前も来ると思っていたらしい。
会って、研究の手伝いをしてくれたことと、倒れるまで頼ってしまったことの礼と謝罪をしたかったのだそうだ。
モブリットからも名前を誘っても構わないと言われていたのだが、俺が誘っても、自分は部外者だから邪魔しては悪いと頑なに首を縦に振らなかったのだ。
「私も会いたかったのにな~。」
ニファも名前が来ると期待していたらしく、残念そうに言いながらグラスを口に運んだ。
俺の送別会と歓迎のはずなのだが、会いたかったのは名前とはどういうことか。
思うこともあったが、敢えて口にはしなかった。
「ずっと友達から飲みに誘われてたらしい。
俺が飲み会に行くなら、ちょうどいいと
今日はアイツも友達と飲みに出てる。」
「あ~、そういうことですか。
それなら、俺達みたいな渋い大人ばかりの場より、
友達同士で騒いだ方が楽しいっすよね、ガキは。」
オルオはフッと鼻で笑うと、焼酎を口に運んだ。
そして、咽た。
どうしていつもオルオは酒が強いわけではないのに、度数の強い酒を呑もうとするのか。
隣でペトラが呆れてため息を吐く。
いつもの光景が懐かしかった。
「先日はうちの学生達が研修に行ったんだろう?
楽しく過ごせたかな。」
それぞれ酒がまわり始めた頃、エルヴィンが、俺の隣にやって来て腰を降ろした。
エルヴィンは、帝都大学の医学部で教授をしている。
ミカサとアルミンは医学部だと言っていたし、そのあたりから話が届いたのだろう。
「変な奴らばかりだった。」
「ハハ、なかなか楽しかったようだな。」
エルヴィンが可笑しそうに喉を鳴らした。
そして、つまみに手を伸ばしながら、続けた。
「ハンジから聞いたぞ。君の家に可愛らしい仔犬がいるらしいな。」
「勝手に懐かれただけだ。」
「へぇ。それにしてはとても可愛がっているみたいじゃないか。」
エルヴィンが楽しそうに片方だけ口角を上げた。
余計なことを話したらしいハンジを見てみると、モブリットと酒の飲み比べをして馬鹿笑いしている。
チッと舌打ちをすると、エルヴィンにクスリと笑われた。
「リヴァイが研究施設に戻ったのもその娘の仕業なんだろう?」
「ザックレーから聞いたのか。」
「まぁ、そんなところだ。」
エルヴィンはそう言うと、ビールの入ったジョッキを豪快に口に運んだ。
「それで、リヴァイはその娘のことをどう思ってるんだ?」
「…いい女だと思う。」
荒れた生活を送っていた高校生の俺を見つけて、道を示してくれたのがエルヴィンだった。
エルヴィンとの出逢いが、ハンジ達と繋がって、今になっている。
だから、俺は嘘は吐けなかったのだと思う。
珍しく素直な俺の言葉に驚いたようで、エルヴィンは僅かに目を見開いた後、「へぇ。」とどこか嬉しそうに頬を緩めた。
「客観的に、だ。個人的にじゃねぇ。」
「なんだ、そういうことか。」
「同世代の男も放っておかねぇはずだ。飲みの誘いも多いみてぇだし、
今日もソイツ等と飲みに出てる。俺なんかよりお似合いの若い男と
うまくいけばいい、と思うくらいには可愛がってやってるよ。」
そう言ってつまみに手を伸ばした俺に納得したように、エルヴィンが頷いた。
「なら、今夜、飲みに出てる可愛い仔犬が家に帰らなかったら
若い男とうまくいったんだと喜んでやるってことか。」
「あぁ、そうだな。それもいいな。子守りからやっと解放される。」
俺は、つまみを口に放り投げると、グラスに残った酒を一気に飲み干した。