◇最終回◇貴方と私の最終回~おやすみのキス~
Name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
庭に出ると、外はもう真っ暗になっていた。
ハンジが作ったという時空間移動装置は、物置の中にあった。
ピンク色の扉は、某アニメのタヌキ型のロボットがよく使っている道具にとても似ていた。
ユーモアと阿保さに溢れたハンジらしいデザインだと思って、少しだけ笑った。
今日、1日は、本当に夢のようだった。
もう永遠に会えないと思っていた人に会えたのだ。
あのドラマの最終回のように、私はやっと、永遠の別れを受け入れられる。
生きるべき世界で生きていける。
リヴァイが、ピンク色の扉を開く。
久しぶりに見た調査兵団の兵団服姿のリヴァイの向こうに、私の知る物置の中ではない景色が続いていた。
あぁ、本当にー。
リヴァイが振り返る。
「なまえと出逢えてよかった。今日は1日、一緒に過ごしてくれてありがとうな。」
「私も、リヴァイと出逢えてよかったよ。今日は凄く幸せな1日だった。
本当に、ありがとう。」
「ならよかった。」
リヴァイは、とても柔らかく微笑んだ。
まるで、本当にこれでよかったと思っているみたいだ。
私達の最終回は、これが一番だってー。
あぁ、本当は、私はー。
「さよなら。」
笑ってお別れしようー。
リヴァイとの最後の約束だから、私は精一杯微笑んだ。
少しだけ、リヴァイが悲しそうな瞳になったのは、私の笑顔が下手くそだったからかもしれない。
でも、だからって、リヴァイが何か言うこともないし、私を抱きしめてくれることもない。
リヴァイが、私に背を向けたー。
これで、私達は今度こそ本当に、違う世界の住人になる。
永遠に会うことはないー。
一歩、リヴァイの足が向こうの世界へ踏み出す。
そのとき、突然に、まるで走馬灯のように、リヴァイに出逢った日から割れた鏡を前に泣いた日までの記憶が蘇った。
心から人を愛することを教えてくれたのが、リヴァイだった。
すべてを捨てても構わないと思うくらい、愛していた。
どんなに胸を引き裂かれそうな痛みに襲われたって、リヴァイがそばにいるのならそれでもいいー、何度も思った。
あぁ、愛してた。
私はー。
「いかないで…。」
背中を向けたリヴァイの兵団ジャケットの裾を弱々しく握りしめて、私は震える声で縋った。
もう一歩、二度と会えない世界へ帰ろうとしていたリヴァイが足を止めた。
でも、振り返ってはくれない。
あぁ、分かっている。
分かっているのだ。
今日が私達の最終回。もう終わり。
この恋は、終わりにしないといけない。
自分で言ったんじゃないか。
違う世界に生きているのだから、仕方がないー。
ちゃんと笑って、見送りたかったー。
でも、頬を伝った涙が、私の足元に落ちて涙の染みを作っていくー。
愛する人と永遠の別れをしなければならないのに、笑うなんて私は出来ない。
涙が、止まらないー。
「幸せになった私を見せられたら、ちゃんと笑って見送ろうと思ってたの…。
でも、無理だよ…。今も、愛してるの…。ずっと、忘れられな・・・っー。」
一瞬だけ、振り返ったリヴァイの泣きそうな顔が見えた。
その瞬間には、痛いくらいの腕の中に抱きすくめられていた。
「俺が…、どんな思いで、別れを告げたかも知らねぇで…っ。
どうしてお前はいつも…っ、俺を煽りやがる…!」
「リヴァイ…っ、会いたかったの…っ。ずっと…っ。」
「クソが…っ。」
リヴァイが力の限りに私を抱きしめる。
腕の強さも、安心感も、もう忘れかけていた、思い出すことも出来なくなっていたのに、リヴァイの腕の中にいると、懐かしさが溢れる。
あぁ、そうだ。温かくて、愛に溢れた、懐かしい腕だ。
私がずっと恋焦がれて、求め続けていたー。
やっと、私は帰ってこられたー。
「愛してる…っ。」
声が、心が、重なる。
私達は、生きる世界は違ったかもしれない。
でも、共に未来を生きていくのに必要なのは、愛しているという気持ちだけで充分でしょう?
だからもうー。
「もう、私を離さないで…っ。」
「あぁ、離さない…!もう二度と…!」
ピンク色のおかしな扉のあっちとこっち、私達はその狭間で、いつまでも抱き合い続けていた。
ハンジが作ったという時空間移動装置は、物置の中にあった。
ピンク色の扉は、某アニメのタヌキ型のロボットがよく使っている道具にとても似ていた。
ユーモアと阿保さに溢れたハンジらしいデザインだと思って、少しだけ笑った。
今日、1日は、本当に夢のようだった。
もう永遠に会えないと思っていた人に会えたのだ。
あのドラマの最終回のように、私はやっと、永遠の別れを受け入れられる。
生きるべき世界で生きていける。
リヴァイが、ピンク色の扉を開く。
久しぶりに見た調査兵団の兵団服姿のリヴァイの向こうに、私の知る物置の中ではない景色が続いていた。
あぁ、本当にー。
リヴァイが振り返る。
「なまえと出逢えてよかった。今日は1日、一緒に過ごしてくれてありがとうな。」
「私も、リヴァイと出逢えてよかったよ。今日は凄く幸せな1日だった。
本当に、ありがとう。」
「ならよかった。」
リヴァイは、とても柔らかく微笑んだ。
まるで、本当にこれでよかったと思っているみたいだ。
私達の最終回は、これが一番だってー。
あぁ、本当は、私はー。
「さよなら。」
笑ってお別れしようー。
リヴァイとの最後の約束だから、私は精一杯微笑んだ。
少しだけ、リヴァイが悲しそうな瞳になったのは、私の笑顔が下手くそだったからかもしれない。
でも、だからって、リヴァイが何か言うこともないし、私を抱きしめてくれることもない。
リヴァイが、私に背を向けたー。
これで、私達は今度こそ本当に、違う世界の住人になる。
永遠に会うことはないー。
一歩、リヴァイの足が向こうの世界へ踏み出す。
そのとき、突然に、まるで走馬灯のように、リヴァイに出逢った日から割れた鏡を前に泣いた日までの記憶が蘇った。
心から人を愛することを教えてくれたのが、リヴァイだった。
すべてを捨てても構わないと思うくらい、愛していた。
どんなに胸を引き裂かれそうな痛みに襲われたって、リヴァイがそばにいるのならそれでもいいー、何度も思った。
あぁ、愛してた。
私はー。
「いかないで…。」
背中を向けたリヴァイの兵団ジャケットの裾を弱々しく握りしめて、私は震える声で縋った。
もう一歩、二度と会えない世界へ帰ろうとしていたリヴァイが足を止めた。
でも、振り返ってはくれない。
あぁ、分かっている。
分かっているのだ。
今日が私達の最終回。もう終わり。
この恋は、終わりにしないといけない。
自分で言ったんじゃないか。
違う世界に生きているのだから、仕方がないー。
ちゃんと笑って、見送りたかったー。
でも、頬を伝った涙が、私の足元に落ちて涙の染みを作っていくー。
愛する人と永遠の別れをしなければならないのに、笑うなんて私は出来ない。
涙が、止まらないー。
「幸せになった私を見せられたら、ちゃんと笑って見送ろうと思ってたの…。
でも、無理だよ…。今も、愛してるの…。ずっと、忘れられな・・・っー。」
一瞬だけ、振り返ったリヴァイの泣きそうな顔が見えた。
その瞬間には、痛いくらいの腕の中に抱きすくめられていた。
「俺が…、どんな思いで、別れを告げたかも知らねぇで…っ。
どうしてお前はいつも…っ、俺を煽りやがる…!」
「リヴァイ…っ、会いたかったの…っ。ずっと…っ。」
「クソが…っ。」
リヴァイが力の限りに私を抱きしめる。
腕の強さも、安心感も、もう忘れかけていた、思い出すことも出来なくなっていたのに、リヴァイの腕の中にいると、懐かしさが溢れる。
あぁ、そうだ。温かくて、愛に溢れた、懐かしい腕だ。
私がずっと恋焦がれて、求め続けていたー。
やっと、私は帰ってこられたー。
「愛してる…っ。」
声が、心が、重なる。
私達は、生きる世界は違ったかもしれない。
でも、共に未来を生きていくのに必要なのは、愛しているという気持ちだけで充分でしょう?
だからもうー。
「もう、私を離さないで…っ。」
「あぁ、離さない…!もう二度と…!」
ピンク色のおかしな扉のあっちとこっち、私達はその狭間で、いつまでも抱き合い続けていた。