◇78話◇向こうの世界の彼
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光に背を向けている私は大丈夫だったけれど、まともに光線を受けたリヴァイとハンジは、顔を腕で覆っていて動けないようだった。
眩しい光が出ているうちに、自分で逃げなくちゃー。
そう思っているのに、恐怖で腰が抜けていて動けない。
「そっちの世界のリヴァイ!!そこにいるんだろ!!
なまえをその髭面から助けてくれ!!」
眩しい光が部屋を包む中、ハンジが自分の腕で目を覆ったままの格好で叫んだ。
でも、鏡の向こうからは反応はない。
向こうの世界と繋がりはしたけれど、そこにリヴァイはいないということかもしれない。
それに、どっちにしろ、向こうの世界のリヴァイそこにいたとしても、いきなりこんな意味の分からない現象が起きて、鏡の向こうから声がしても、すぐに動けるわけがないのだ。
結局、光が放たれていたのはほんの数秒だけで、すぐにさっきまでの部屋の様子に戻ってしまった。
違うのは、鏡が映しているのが、この部屋の様子なのではなくて、白と黒を基調としたシックな部屋だということだ。
そこには、ベッドの縁に寄り掛かった格好でこちらを向いて目を見開いているリヴァイがいた。
煙草を吸っていたところだったらしく、片手に煙草を持ったまま呆然としている。
「は…?俺…?」
呆然としたまま、向こうのリヴァイが声を漏らした。
何が起こったのか分からない銀縁眼鏡の男は、パニックな様子で鏡とリヴァイを交互に見ている。
でも、男の手は、私の頭に銃口を向けることを忘れてはいなかった。
結局、私達は動けないままでー。
「リヴァイ!!早く!!なまえを助けろって!!」
「は?ハンジか?…なまえって、リコの…。」
ハンジの声は、向こうの世界のリヴァイにも聞こえているようだった。
煙草を片手に呟くように言いながら、リヴァイの視線が私に向いた。
きっと、彼はこの状況を把握していないだろう。
でも、チッと私の知っているリヴァイと同じ舌打ちをした彼は、立ち上がると勢いよく鏡の中へと飛び込んだ。
それからすぐに、知らないリヴァイの身体が、鏡から飛び出してきた。
「は?何、これ?手品?」
「知るかよ。俺が聞きてぇんだよ、クソが。
-おい、立てるか。」
向こうの世界のリヴァイは、パニックになっている銀縁眼鏡の男を軽くあしらって、私の手を掴んだ。
でも、強引に私を立たせようとした彼の頭に、銀縁眼鏡の男が銃口を向ける。
「ちょっと、ていうかだいぶ意味は分かんねぇけど、
ソイツは俺の大事な人質なんだ。返してくれないかい。」
彼は私を立たせようとした格好のまま動きを止めた。
そして、銃口を向ける銀縁眼鏡の男と私を何度か交互に見た後、私の手を離した。
見捨てられたー。
そう思ったけれど、違った。
「おい、今来たばっかりの俺に銃を向けるんじゃねぇ―よ。
ビックリしちまったじゃねーか。」
彼はそれほど驚いていないような調子で言いながら、片手に持っていた煙草を銀縁眼鏡の男の眉間に押しつけた。
「ギャーーーーッ!熱いっ!!熱い、熱いいぃ!!!」
「あぁ、悪いな。ビックリして手が滑っちまった。」
「滑ってないよね!?わざとしたよね!?」
「さぁ、どうだったかな。忘れちまった。」
彼は適当に答えながら、銃を持つ男の手首を捻り上げた。
銃が床に落ち、痛そうな悲鳴を上げて銀縁眼鏡の男は膝をつく。
今だー。
そう思ったのは、私だけじゃなかった。
「リヴァイ…っ。」
私が名前呼ぶのと、リヴァイが地面を蹴るのはほとんど同時だった。
男の手首を捻り上げている同じ名前の彼も振り向いたのが視線の端に見えたけれど、私はリヴァイに手を伸ばす。
「なまえ!」
すぐに抱きすくめられて、背中に両手をまわして縋りついた。
怖かった。よかった。
怖かったー。
「リヴァ、イ…っ。」
安心する腕に包まれると、緊張感が一気に消えていく。
そうすると、もう二度とこの腕の中には戻れないかもしれなかったのだと改めて実感して、恐怖に襲われた。
身体が震えて、私を抱きしめるリヴァイの腕の力が強くなる。
「いやぁ~、さすがリヴァイだねぇ。助かったよ!!」
ハンジは、ハッハッハ!と笑って安心したように歩み寄って来ると、銀縁眼鏡の男を拘束している彼の肩を叩いた。
「…おい、なまえ、これは…どういう状況だ?」
痛みに顔を歪める銀縁眼鏡の男を床に伏せ、彼が訝し気に眉を顰める。
いきなりこんな状況に巻き込んでしまったのだから、説明をした方がいいのだろうけれど、そんな時間も余裕もない。
それに、リヴァイは彼から私を隠すように腕の中に閉じ込めてしまった。
眩しい光が出ているうちに、自分で逃げなくちゃー。
そう思っているのに、恐怖で腰が抜けていて動けない。
「そっちの世界のリヴァイ!!そこにいるんだろ!!
なまえをその髭面から助けてくれ!!」
眩しい光が部屋を包む中、ハンジが自分の腕で目を覆ったままの格好で叫んだ。
でも、鏡の向こうからは反応はない。
向こうの世界と繋がりはしたけれど、そこにリヴァイはいないということかもしれない。
それに、どっちにしろ、向こうの世界のリヴァイそこにいたとしても、いきなりこんな意味の分からない現象が起きて、鏡の向こうから声がしても、すぐに動けるわけがないのだ。
結局、光が放たれていたのはほんの数秒だけで、すぐにさっきまでの部屋の様子に戻ってしまった。
違うのは、鏡が映しているのが、この部屋の様子なのではなくて、白と黒を基調としたシックな部屋だということだ。
そこには、ベッドの縁に寄り掛かった格好でこちらを向いて目を見開いているリヴァイがいた。
煙草を吸っていたところだったらしく、片手に煙草を持ったまま呆然としている。
「は…?俺…?」
呆然としたまま、向こうのリヴァイが声を漏らした。
何が起こったのか分からない銀縁眼鏡の男は、パニックな様子で鏡とリヴァイを交互に見ている。
でも、男の手は、私の頭に銃口を向けることを忘れてはいなかった。
結局、私達は動けないままでー。
「リヴァイ!!早く!!なまえを助けろって!!」
「は?ハンジか?…なまえって、リコの…。」
ハンジの声は、向こうの世界のリヴァイにも聞こえているようだった。
煙草を片手に呟くように言いながら、リヴァイの視線が私に向いた。
きっと、彼はこの状況を把握していないだろう。
でも、チッと私の知っているリヴァイと同じ舌打ちをした彼は、立ち上がると勢いよく鏡の中へと飛び込んだ。
それからすぐに、知らないリヴァイの身体が、鏡から飛び出してきた。
「は?何、これ?手品?」
「知るかよ。俺が聞きてぇんだよ、クソが。
-おい、立てるか。」
向こうの世界のリヴァイは、パニックになっている銀縁眼鏡の男を軽くあしらって、私の手を掴んだ。
でも、強引に私を立たせようとした彼の頭に、銀縁眼鏡の男が銃口を向ける。
「ちょっと、ていうかだいぶ意味は分かんねぇけど、
ソイツは俺の大事な人質なんだ。返してくれないかい。」
彼は私を立たせようとした格好のまま動きを止めた。
そして、銃口を向ける銀縁眼鏡の男と私を何度か交互に見た後、私の手を離した。
見捨てられたー。
そう思ったけれど、違った。
「おい、今来たばっかりの俺に銃を向けるんじゃねぇ―よ。
ビックリしちまったじゃねーか。」
彼はそれほど驚いていないような調子で言いながら、片手に持っていた煙草を銀縁眼鏡の男の眉間に押しつけた。
「ギャーーーーッ!熱いっ!!熱い、熱いいぃ!!!」
「あぁ、悪いな。ビックリして手が滑っちまった。」
「滑ってないよね!?わざとしたよね!?」
「さぁ、どうだったかな。忘れちまった。」
彼は適当に答えながら、銃を持つ男の手首を捻り上げた。
銃が床に落ち、痛そうな悲鳴を上げて銀縁眼鏡の男は膝をつく。
今だー。
そう思ったのは、私だけじゃなかった。
「リヴァイ…っ。」
私が名前呼ぶのと、リヴァイが地面を蹴るのはほとんど同時だった。
男の手首を捻り上げている同じ名前の彼も振り向いたのが視線の端に見えたけれど、私はリヴァイに手を伸ばす。
「なまえ!」
すぐに抱きすくめられて、背中に両手をまわして縋りついた。
怖かった。よかった。
怖かったー。
「リヴァ、イ…っ。」
安心する腕に包まれると、緊張感が一気に消えていく。
そうすると、もう二度とこの腕の中には戻れないかもしれなかったのだと改めて実感して、恐怖に襲われた。
身体が震えて、私を抱きしめるリヴァイの腕の力が強くなる。
「いやぁ~、さすがリヴァイだねぇ。助かったよ!!」
ハンジは、ハッハッハ!と笑って安心したように歩み寄って来ると、銀縁眼鏡の男を拘束している彼の肩を叩いた。
「…おい、なまえ、これは…どういう状況だ?」
痛みに顔を歪める銀縁眼鏡の男を床に伏せ、彼が訝し気に眉を顰める。
いきなりこんな状況に巻き込んでしまったのだから、説明をした方がいいのだろうけれど、そんな時間も余裕もない。
それに、リヴァイは彼から私を隠すように腕の中に閉じ込めてしまった。