◇76話◇彼女を守れ
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リヴァイ班とハンジ率いる第四分隊の調査兵達は、また旧調査兵団本部の古城へやって来ていた。
怖がるからと、リヴァイ達はあまり私に巨人の話はしない。
今回も詳しい説明もないまま、しばらくは旧調査兵団本部で過ごすことになったとだけ聞いている。
ということはきっと、巨人絡みなのだろう。
「憲兵もいるんだね。」
馬から降りて古城にやって来た調査兵団一行を出迎えるように、入口には大勢の憲兵が並んでいた。
それを見て、リヴァイはあからさまに嫌そうな顔をしたし、ハンジはため息を吐いた。
歓迎しているわけではないようだ。
「ライナー達を自分達が引き取りたくてやってきたんすよ。」
「へぇ。」
オルオが耳打ちして教えてくれた。
ライナーとベルトルトの話なら、なまえのフリをしているときになんとなく説明を聞いたことがある。
人類の味方の巨人になれるエレンとは違って、人類の敵の巨人になる人間なのだとかー。
エレンとは訓練兵の同期で友人だと聞いている。
「なまえは、エレン達と一緒に待ってろ。新しい俺の班の奴らだ。
俺とハンジは、そこで憲兵と話がある。」
リヴァイが一緒にいるようにと言ったのは、エレンを含めた若い新兵達だった。
王政に関わるとても重要な任務が出来たらしく、ペトラ達は、その別件で動くため、一旦、リヴァイ班から離れるのだそうだ。
リヴァイとハンジは、他の調査兵達にも、ソニーとビーンの見張りや訓練等の任務を指示して、憲兵の元へ向かった。
「なまえさん!こっちです!!」
エレンに手招きされて、私は新リヴァイ班の元へ走って向かった。
私も含めた新リヴァイ班が待機を命じられているのは、古城の最上階の部屋だった。
万が一何かあったときに一番安全な場所だからなのだそうだ。
簡単な自己紹介をしてもらってから、古城の中へ入る。
エレンとジャンを先頭にして、私を左右前後に挟むようにミカサ達が並んだ。
まるで、最初からそうすると決めていたみたいにー。
「もしかして、リヴァイにこうやって歩けって言われたの?」
「はい、凄く愛されてるんですね。
かすり傷ひとつでもつけやがったら、うなじを削いだ後に八つ裂きにして焼き殺して、
骨のカスも残らねぇようにしてやると言われてます。」
「そ…、そっか…。怪我しないように、細心の注意を払うね。」
「はい、宜しくお願いしますね。」
金髪の美少年、アルミンがニコリと微笑んだ。
可愛らしい顔から、リヴァイの言いそうな口の悪い言葉がスラスラ出てくる恐怖に震えた。
澄ました笑顔を見せているけれど、今のはたぶん、私に対する注意喚起だ。
俺達を殺すんじゃねぇぞーという脅したー。
「エレンは地下に行かなくていいのかよ?」
「ライナーとベルトルトと同じ場所にいるべきじゃねぇって
ハンジさんの判断だよ。」
「へぇ、よかったな。湿気くせぇところに行かなくてよくてよ。」
「そうでもねぇよ。寝ぼけて巨人化しちまわねぇように、
寝る前に、リヴァイ兵長に両手両足、手錠で拘束されるんだ。」
先頭を歩く2人の話を聞きながら、階段を上がり続ける。
エレベーターなんてものはもちろんないから、最上階までずっと階段だ。
足が痺れておかしくなりそうだ。
「クソチビにいつか報いを。クソチビにいつか報いを。クソチビに―。」
私の右隣を歩いているミカサが、さっきからずっと怖い顔でブツブツ言っている。
もしかして、その『クソチビ』というのは、リヴァイのことだろうか。
まさか、調査兵団のナンバー2で人類最強の兵士であるリヴァイのことを新兵がそんな風に言うわけがない。
でもさっき、殺気を帯びた恐ろしい目が、ハンジと話しているリヴァイに向いているのを見てしまった気がするのだ。
気のせいなら、いいのだけれどー。
和気藹々としていたペトラ達と違って、アルミンとミカサの黒い部分が気になって、私は緊張しながら最上階を目指した。
怖がるからと、リヴァイ達はあまり私に巨人の話はしない。
今回も詳しい説明もないまま、しばらくは旧調査兵団本部で過ごすことになったとだけ聞いている。
ということはきっと、巨人絡みなのだろう。
「憲兵もいるんだね。」
馬から降りて古城にやって来た調査兵団一行を出迎えるように、入口には大勢の憲兵が並んでいた。
それを見て、リヴァイはあからさまに嫌そうな顔をしたし、ハンジはため息を吐いた。
歓迎しているわけではないようだ。
「ライナー達を自分達が引き取りたくてやってきたんすよ。」
「へぇ。」
オルオが耳打ちして教えてくれた。
ライナーとベルトルトの話なら、なまえのフリをしているときになんとなく説明を聞いたことがある。
人類の味方の巨人になれるエレンとは違って、人類の敵の巨人になる人間なのだとかー。
エレンとは訓練兵の同期で友人だと聞いている。
「なまえは、エレン達と一緒に待ってろ。新しい俺の班の奴らだ。
俺とハンジは、そこで憲兵と話がある。」
リヴァイが一緒にいるようにと言ったのは、エレンを含めた若い新兵達だった。
王政に関わるとても重要な任務が出来たらしく、ペトラ達は、その別件で動くため、一旦、リヴァイ班から離れるのだそうだ。
リヴァイとハンジは、他の調査兵達にも、ソニーとビーンの見張りや訓練等の任務を指示して、憲兵の元へ向かった。
「なまえさん!こっちです!!」
エレンに手招きされて、私は新リヴァイ班の元へ走って向かった。
私も含めた新リヴァイ班が待機を命じられているのは、古城の最上階の部屋だった。
万が一何かあったときに一番安全な場所だからなのだそうだ。
簡単な自己紹介をしてもらってから、古城の中へ入る。
エレンとジャンを先頭にして、私を左右前後に挟むようにミカサ達が並んだ。
まるで、最初からそうすると決めていたみたいにー。
「もしかして、リヴァイにこうやって歩けって言われたの?」
「はい、凄く愛されてるんですね。
かすり傷ひとつでもつけやがったら、うなじを削いだ後に八つ裂きにして焼き殺して、
骨のカスも残らねぇようにしてやると言われてます。」
「そ…、そっか…。怪我しないように、細心の注意を払うね。」
「はい、宜しくお願いしますね。」
金髪の美少年、アルミンがニコリと微笑んだ。
可愛らしい顔から、リヴァイの言いそうな口の悪い言葉がスラスラ出てくる恐怖に震えた。
澄ました笑顔を見せているけれど、今のはたぶん、私に対する注意喚起だ。
俺達を殺すんじゃねぇぞーという脅したー。
「エレンは地下に行かなくていいのかよ?」
「ライナーとベルトルトと同じ場所にいるべきじゃねぇって
ハンジさんの判断だよ。」
「へぇ、よかったな。湿気くせぇところに行かなくてよくてよ。」
「そうでもねぇよ。寝ぼけて巨人化しちまわねぇように、
寝る前に、リヴァイ兵長に両手両足、手錠で拘束されるんだ。」
先頭を歩く2人の話を聞きながら、階段を上がり続ける。
エレベーターなんてものはもちろんないから、最上階までずっと階段だ。
足が痺れておかしくなりそうだ。
「クソチビにいつか報いを。クソチビにいつか報いを。クソチビに―。」
私の右隣を歩いているミカサが、さっきからずっと怖い顔でブツブツ言っている。
もしかして、その『クソチビ』というのは、リヴァイのことだろうか。
まさか、調査兵団のナンバー2で人類最強の兵士であるリヴァイのことを新兵がそんな風に言うわけがない。
でもさっき、殺気を帯びた恐ろしい目が、ハンジと話しているリヴァイに向いているのを見てしまった気がするのだ。
気のせいなら、いいのだけれどー。
和気藹々としていたペトラ達と違って、アルミンとミカサの黒い部分が気になって、私は緊張しながら最上階を目指した。