◇69話◇デート~洋服編~
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1日の予定が大きく変わって、私がリヴァイに連れられて運行便の馬車に乗ってやってきたのは、ウォール・ローゼの街だった。
自分の服は1着しかないので、なまえやペトラの服を着ていた私に、リヴァイが新しく服を買ってくれるらしい。
確かに、この世界で職のない私は一文無しだし、買ってもらわないと何も手に入れることは出来ない。
でも、ペトラのお古は貰ったもので、特に困ってもいないから、わざわざお金を使わせるのは気が引けるー。
でもー。
『だぁーいじょうぶっ!リヴァイは、調査兵にしては結構お給料貰ってるし
掃除道具にしか金かけないから、貯まりに貯まってんだ!!』
兵舎を出るとき、ハンジはそう言ってハッハッと笑っていた。
掃除道具にしかー、というくだりは私の心によく分からない虚しさが漂ったが、リヴァイならありえそうだとも思った。
(…値札の見方がよく分かんない。)
目に入った洋服店に入った私は、綺麗に並べられたシャツの中から、適当に手に取ってとても困っていた。
この世界の文字ならもう読める。
でも、元の世界の値札とは書き方が違っている上に、数字が幾つも並んでいて、どれがサイズでどれが値段なのかが分からない。
そもそも、私はどのサイズの服を買えばいいのかも知らないー。
チラリとリヴァイのいる方を見れば、心底つまらなそうに店内を歩き回っている。
非番の今日、彼が着ているのは黒のジャケットにラフな白シャツに黒のパンツだ。
とてもシンプルなそれがお洒落に見えるのは、小柄な割に顔も小さくて脚も長いリヴァイのスタイルの良さのなせる技だ。
たぶんだけれど、彼はファッションに興味がないのだと思う。
あと、金は出すが一緒に選ぶ気はないー、という男だ、きっと。
「はぁ…。」
小さくため息を零して、シャツを棚に戻す。
リヴァイがお金を貯め込んでいるのだとしても、あまり高い洋服を買ってもらうわけにもいかない。
たぶん、彼は、私がこの世界で生活していく上で必要なものをすべて買い揃えるつもりなのだと思う。
ここに来るまでの馬車の中で、あれもこれも必要だとかブツブツ言っていたしー。
だから、洋服もたくさん買い込む気だ。
それなら、1着1着は出来るだけ安く抑えたいー。
そもそもこの店、高級な雰囲気が漂っている気がするのは私だけだろうか。
さっきから、すれ違う女性達が揃いも揃ってお金持ちな雰囲気を漂わせた貴族のマダム達ばかりなのだけれどー。
それに、シャツも置いてはいるけれど、ハンガーにかかっているのは貴族の女性が好んで着ているようなドレスばかりだ。
「いらっしゃいませ。気になるドレスはございましたでしょうか?」
綺麗に並べられたドレスを前に、悩む私を見かねたのか店員が声をかけて来た。
パンツスーツのいかにも出来そうな雰囲気の美人だが、接客業のプロなだけあって、親しみやすい優しい笑みだった。
「いえ…、どれも素敵で…。」
一番安いのはどれですかー、とも言えず、私は誤魔化すような笑みで返す。
すると、美人な店員は、一緒に考えて欲しいと思っていると変換したらしく、幾つかのドレスを見繕いだした。
「お客様は、色白で細いですので、こういう色や形のドレスがお似合いになると思いますよ。」
「はぁ…、ありがとう、ございます…。」
ふわりと微笑まれて、思わず、店員の持ってきた明るいパステルカラーのドレスを受け取ってしまう。
でも、私が探しに来たのは普段着であって、ドレスではない。
私は貴族の娘でもないので、申し訳ないがドレスは求めていないのだけれどー。
ドレスを持ったまま、つまらなそうに歩き回るリヴァイの方を向いて、目で助けを求めた。
すぐにその視線に気づいてくれて、彼がやって来る。
「欲しいのはあったか?」
「…ドレスは素敵だとは思うんだけど、普段着では着ないかな。」
「だろうな。」
リヴァイが意地悪く言って口元を歪める。
分かっていて、放置していたらしい。
本当に性格が悪いー!
自分の服は1着しかないので、なまえやペトラの服を着ていた私に、リヴァイが新しく服を買ってくれるらしい。
確かに、この世界で職のない私は一文無しだし、買ってもらわないと何も手に入れることは出来ない。
でも、ペトラのお古は貰ったもので、特に困ってもいないから、わざわざお金を使わせるのは気が引けるー。
でもー。
『だぁーいじょうぶっ!リヴァイは、調査兵にしては結構お給料貰ってるし
掃除道具にしか金かけないから、貯まりに貯まってんだ!!』
兵舎を出るとき、ハンジはそう言ってハッハッと笑っていた。
掃除道具にしかー、というくだりは私の心によく分からない虚しさが漂ったが、リヴァイならありえそうだとも思った。
(…値札の見方がよく分かんない。)
目に入った洋服店に入った私は、綺麗に並べられたシャツの中から、適当に手に取ってとても困っていた。
この世界の文字ならもう読める。
でも、元の世界の値札とは書き方が違っている上に、数字が幾つも並んでいて、どれがサイズでどれが値段なのかが分からない。
そもそも、私はどのサイズの服を買えばいいのかも知らないー。
チラリとリヴァイのいる方を見れば、心底つまらなそうに店内を歩き回っている。
非番の今日、彼が着ているのは黒のジャケットにラフな白シャツに黒のパンツだ。
とてもシンプルなそれがお洒落に見えるのは、小柄な割に顔も小さくて脚も長いリヴァイのスタイルの良さのなせる技だ。
たぶんだけれど、彼はファッションに興味がないのだと思う。
あと、金は出すが一緒に選ぶ気はないー、という男だ、きっと。
「はぁ…。」
小さくため息を零して、シャツを棚に戻す。
リヴァイがお金を貯め込んでいるのだとしても、あまり高い洋服を買ってもらうわけにもいかない。
たぶん、彼は、私がこの世界で生活していく上で必要なものをすべて買い揃えるつもりなのだと思う。
ここに来るまでの馬車の中で、あれもこれも必要だとかブツブツ言っていたしー。
だから、洋服もたくさん買い込む気だ。
それなら、1着1着は出来るだけ安く抑えたいー。
そもそもこの店、高級な雰囲気が漂っている気がするのは私だけだろうか。
さっきから、すれ違う女性達が揃いも揃ってお金持ちな雰囲気を漂わせた貴族のマダム達ばかりなのだけれどー。
それに、シャツも置いてはいるけれど、ハンガーにかかっているのは貴族の女性が好んで着ているようなドレスばかりだ。
「いらっしゃいませ。気になるドレスはございましたでしょうか?」
綺麗に並べられたドレスを前に、悩む私を見かねたのか店員が声をかけて来た。
パンツスーツのいかにも出来そうな雰囲気の美人だが、接客業のプロなだけあって、親しみやすい優しい笑みだった。
「いえ…、どれも素敵で…。」
一番安いのはどれですかー、とも言えず、私は誤魔化すような笑みで返す。
すると、美人な店員は、一緒に考えて欲しいと思っていると変換したらしく、幾つかのドレスを見繕いだした。
「お客様は、色白で細いですので、こういう色や形のドレスがお似合いになると思いますよ。」
「はぁ…、ありがとう、ございます…。」
ふわりと微笑まれて、思わず、店員の持ってきた明るいパステルカラーのドレスを受け取ってしまう。
でも、私が探しに来たのは普段着であって、ドレスではない。
私は貴族の娘でもないので、申し訳ないがドレスは求めていないのだけれどー。
ドレスを持ったまま、つまらなそうに歩き回るリヴァイの方を向いて、目で助けを求めた。
すぐにその視線に気づいてくれて、彼がやって来る。
「欲しいのはあったか?」
「…ドレスは素敵だとは思うんだけど、普段着では着ないかな。」
「だろうな。」
リヴァイが意地悪く言って口元を歪める。
分かっていて、放置していたらしい。
本当に性格が悪いー!