◇46話◇彼女はもう彼女じゃない
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リヴァイが目を覚まして1週間が過ぎた。
死ぬほどのダメージを負った身体はまだ自由には動かせないようだけれど、医師が驚くほどのスピードで回復しているということだった。
エルヴィンの執務室にやって来ていたハンジは、調査報告を伝える前に、リヴァイの身体の回復についての報告を行う。
人類最強の兵士である彼には、回復すればすぐにまた新しい任務が入ることになるだろう。
そのためにも、団長であるエルヴィンは、彼の回復がいつ頃になるか把握しておく必要がある。
「分かった。それで、調査報告はどうなった。」
「アニ・レオンハートは、いつまでも堅い石の中でお喋りをする気はなさそうだね。
エレン達に誘き出してもらって地下に幽閉したライナーとベルトルトだけど
彼らも知らぬ存ぜぬでまだ何とも…。一応、兵舎の地下でケイジ達に見張らせてる。」
ハンジは、ため息を吐きながら頭をボリボリと掻く。
ライナーとベルトルトは、鎧の巨人と超大型巨人だと思っている。
恐らく、エルヴィンもそう考えているから、彼らの拘束をとこうとしないのだろう。
早く、何か情報を引き出したい。
せっかく、リヴァイが大怪我を負ってまで、女型の巨人の中にいた人間を引きずり出してくれたのにー。
それを全く生かせていない自分にイラついていた。
だって、その大怪我がきっかけで、彼女は自分の人生を捨てたのだ。彼女は自分そのものを捨て、殺し、なまえになることに徹しているというのにー。
傷だらけの彼らが、少しでも生きやすい世界が来るように、出来ることなら何だってしてやりたいのにー。
『ふざけないでよ!リヴァイが大怪我してるのに、何が成功なの!?
目的がなんだか、それがどんなにすごいことなのか知らないけど、
少なくとも私にとっては!!成功なんかじゃない!!こんなの…!!成功なんかじゃ…!!』
あの日のなまえの怒りは、この世界の成り立ちや調査兵団の存在意義を知らないからこそ出てきた素直なものだった。
だからこそ、ハンジの胸に今もズシリと重たくのしかかっている。
あの後、なまえはエルヴィンに謝っていたけれど、あの気持ちは嘘ではないはずだ。
でも、調査兵団が多額の資金援助を受けて決行した壁外調査は、リヴァイの命を賭けた戦いによって、成功をおさめた。
想定していた通りとはいかなかったし、調査兵達には多大な犠牲者が出た。
それでも、壁の外から人類を滅ぼそうとしている人間を引きずり出し、捕らえることが出来たのだから、成功という言葉でまとめることになるのだ。
だからこそ、調査兵団は存続することが出来たし、エレンは正式に調査兵になることが出来た。
「なまえはどうしてる?」
「甲斐甲斐しくリヴァイの看病をしてるよ。」
「そうか。それならよかった。」
エルヴィンはそう言うと、手元の書類に目線を落とした。
どれくらい、よかったと思っているのだろう。
団長であるエルヴィンは、恋人の死でリヴァイが潰れてしまうことを誰よりも恐れていた。
でもあの日、必死に延命しようとしていた医療兵の手を止めたのはエルヴィンだった。
まるで、もう解放してやれー、と言っているみたいだった。
それでも、リヴァイが息を吹き返したとき、ひどくホッとした表情になったのも見ている。
「リヴァイにも今日の報告をしたいし、今から様子を見てくるよ。」
「あぁ、よろしく頼むよ。」
ハンジは、軽くお辞儀をしてから執務室を出た。
死ぬほどのダメージを負った身体はまだ自由には動かせないようだけれど、医師が驚くほどのスピードで回復しているということだった。
エルヴィンの執務室にやって来ていたハンジは、調査報告を伝える前に、リヴァイの身体の回復についての報告を行う。
人類最強の兵士である彼には、回復すればすぐにまた新しい任務が入ることになるだろう。
そのためにも、団長であるエルヴィンは、彼の回復がいつ頃になるか把握しておく必要がある。
「分かった。それで、調査報告はどうなった。」
「アニ・レオンハートは、いつまでも堅い石の中でお喋りをする気はなさそうだね。
エレン達に誘き出してもらって地下に幽閉したライナーとベルトルトだけど
彼らも知らぬ存ぜぬでまだ何とも…。一応、兵舎の地下でケイジ達に見張らせてる。」
ハンジは、ため息を吐きながら頭をボリボリと掻く。
ライナーとベルトルトは、鎧の巨人と超大型巨人だと思っている。
恐らく、エルヴィンもそう考えているから、彼らの拘束をとこうとしないのだろう。
早く、何か情報を引き出したい。
せっかく、リヴァイが大怪我を負ってまで、女型の巨人の中にいた人間を引きずり出してくれたのにー。
それを全く生かせていない自分にイラついていた。
だって、その大怪我がきっかけで、彼女は自分の人生を捨てたのだ。彼女は自分そのものを捨て、殺し、なまえになることに徹しているというのにー。
傷だらけの彼らが、少しでも生きやすい世界が来るように、出来ることなら何だってしてやりたいのにー。
『ふざけないでよ!リヴァイが大怪我してるのに、何が成功なの!?
目的がなんだか、それがどんなにすごいことなのか知らないけど、
少なくとも私にとっては!!成功なんかじゃない!!こんなの…!!成功なんかじゃ…!!』
あの日のなまえの怒りは、この世界の成り立ちや調査兵団の存在意義を知らないからこそ出てきた素直なものだった。
だからこそ、ハンジの胸に今もズシリと重たくのしかかっている。
あの後、なまえはエルヴィンに謝っていたけれど、あの気持ちは嘘ではないはずだ。
でも、調査兵団が多額の資金援助を受けて決行した壁外調査は、リヴァイの命を賭けた戦いによって、成功をおさめた。
想定していた通りとはいかなかったし、調査兵達には多大な犠牲者が出た。
それでも、壁の外から人類を滅ぼそうとしている人間を引きずり出し、捕らえることが出来たのだから、成功という言葉でまとめることになるのだ。
だからこそ、調査兵団は存続することが出来たし、エレンは正式に調査兵になることが出来た。
「なまえはどうしてる?」
「甲斐甲斐しくリヴァイの看病をしてるよ。」
「そうか。それならよかった。」
エルヴィンはそう言うと、手元の書類に目線を落とした。
どれくらい、よかったと思っているのだろう。
団長であるエルヴィンは、恋人の死でリヴァイが潰れてしまうことを誰よりも恐れていた。
でもあの日、必死に延命しようとしていた医療兵の手を止めたのはエルヴィンだった。
まるで、もう解放してやれー、と言っているみたいだった。
それでも、リヴァイが息を吹き返したとき、ひどくホッとした表情になったのも見ている。
「リヴァイにも今日の報告をしたいし、今から様子を見てくるよ。」
「あぁ、よろしく頼むよ。」
ハンジは、軽くお辞儀をしてから執務室を出た。