◇28話◇分厚い雲が本音を隠す、嫌いだよ
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数日前、夜、眠れていないことが唐突にバレた。昼に寝てるからいいと言えば、それから毎日、お昼になると寝室を覗きに来るようになってしまった。
リヴァイの匂いのするベッドで、私は昼も浅くしか眠れなくなった。
朝から降り続いた雨は、夜空に分厚い雲を張った。
おかげで、今夜は月も星も隠れてしまって、寝室は真っ暗闇だ。
でも、暗闇に慣れてしまった目は、リヴァイの寝顔をしっかりと映す。
規則的な寝息も、私を抱きしめる強い腕の感触も、私はハッキリと感じている。
心の、変化もー。
(綺麗な寝顔ー…。)
長い睫毛、真っすぐ通った鼻筋、しっかり閉じた唇は薄い。
よく見たら、私の好みの顔だと思う。
でも、性格を含めると、タイプじゃない。
好きになんか、なるはずないのにー。
なまえがリヴァイを愛した理由が、最近少しだけ、分かる気がしている。
それはただただ、なまえがどんな風にリヴァイに愛されたのかを、私が身をもって知ることが出来ているからだ。
身体を気遣う心配そうな瞳も声も、大切に抱きしめる腕も温もりもー。
昼寝の後、目を覚ました恋人に「よく眠れたか。」と優しく頭を撫でてくれた手もー。
愛おしそうに見つめるあの瞳もー。
すべてが、なまえのためのものだからー。
ここにいるのは、私なのにー。
今、必死に心を擦り減らして、リヴァイのために笑っているのは私なのにー。
心配かけたくなくて、眠れてないことを黙っていたのだって、私だー。
そっと、リヴァイの頬に触れてみた。
眠りを妨げられたと感じたのか、リヴァイの眉間に僅かに皴が寄る。
でもまたすぐに、また綺麗な寝顔に戻る。
どんな夢を見ているのだろう。
ほんの少し、好きでもない女が頬に触れただけで眉間に皴を寄せてしまうくらい、大切な夢でも見ているのかもしれない。
そこでは、なまえが生きていて、リヴァイは心から笑っているのだろう。
幸せそうにしているのだろう。
そんな世界が、戻ってくればいいのにー。
そしたら私は、心置きなく、元の世界に帰れるのにー。
「嫌いだよ…ー。」
呟くように言って、リヴァイの唇に自分の唇を重ねてみた。
ほんの一瞬、触れるか触れないかのキスー。
だから、いいでしょう。
なまえとの幸せな夢の時間は、邪魔しなかったでしょう。
むしろ、なまえとキスをしたみたいで、嬉しかったでしょう。
あぁ、本当に。
私はこの男が嫌いだ。大嫌い、だー。
今夜も、私は眠れない。
リヴァイの腕の中で、ひたすら朝を待つ。
暗い夜を独りきりで過ごして、ただひたすら、朝が訪れるのを待つのだー。
リヴァイの匂いのするベッドで、私は昼も浅くしか眠れなくなった。
朝から降り続いた雨は、夜空に分厚い雲を張った。
おかげで、今夜は月も星も隠れてしまって、寝室は真っ暗闇だ。
でも、暗闇に慣れてしまった目は、リヴァイの寝顔をしっかりと映す。
規則的な寝息も、私を抱きしめる強い腕の感触も、私はハッキリと感じている。
心の、変化もー。
(綺麗な寝顔ー…。)
長い睫毛、真っすぐ通った鼻筋、しっかり閉じた唇は薄い。
よく見たら、私の好みの顔だと思う。
でも、性格を含めると、タイプじゃない。
好きになんか、なるはずないのにー。
なまえがリヴァイを愛した理由が、最近少しだけ、分かる気がしている。
それはただただ、なまえがどんな風にリヴァイに愛されたのかを、私が身をもって知ることが出来ているからだ。
身体を気遣う心配そうな瞳も声も、大切に抱きしめる腕も温もりもー。
昼寝の後、目を覚ました恋人に「よく眠れたか。」と優しく頭を撫でてくれた手もー。
愛おしそうに見つめるあの瞳もー。
すべてが、なまえのためのものだからー。
ここにいるのは、私なのにー。
今、必死に心を擦り減らして、リヴァイのために笑っているのは私なのにー。
心配かけたくなくて、眠れてないことを黙っていたのだって、私だー。
そっと、リヴァイの頬に触れてみた。
眠りを妨げられたと感じたのか、リヴァイの眉間に僅かに皴が寄る。
でもまたすぐに、また綺麗な寝顔に戻る。
どんな夢を見ているのだろう。
ほんの少し、好きでもない女が頬に触れただけで眉間に皴を寄せてしまうくらい、大切な夢でも見ているのかもしれない。
そこでは、なまえが生きていて、リヴァイは心から笑っているのだろう。
幸せそうにしているのだろう。
そんな世界が、戻ってくればいいのにー。
そしたら私は、心置きなく、元の世界に帰れるのにー。
「嫌いだよ…ー。」
呟くように言って、リヴァイの唇に自分の唇を重ねてみた。
ほんの一瞬、触れるか触れないかのキスー。
だから、いいでしょう。
なまえとの幸せな夢の時間は、邪魔しなかったでしょう。
むしろ、なまえとキスをしたみたいで、嬉しかったでしょう。
あぁ、本当に。
私はこの男が嫌いだ。大嫌い、だー。
今夜も、私は眠れない。
リヴァイの腕の中で、ひたすら朝を待つ。
暗い夜を独りきりで過ごして、ただひたすら、朝が訪れるのを待つのだー。