◇完結後◇空と海が交わる、貴方と私の愛が重なる
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あの日の海であったすべては、夢だったんじゃないかと思うことがあった。
それくらいに、私にとってはおとぎ話のようなものだったからー。
たぶん、一番分かりやすい言葉に変えるのであれば、あれは私にとっての”運命の出逢い”だったのだ。
でも、それはほんのワンシーンしかなくて、彼はもう一度だけ私にキスをすると、足早に帰ってしまった。
何かとても大切な仕事を抜けて、海に来ていただけだったようだった。
『一週間後のこの時間、またここに来る。
そこで、俺はなまえにプロポーズをする。
返事がイエスなら、来てくれ。』
ー俺は、会いに来てくれるまでずっと待ってるから。
あまりに唐突過ぎる次に会う約束の後、彼はそう続けて、ひどく名残惜しそうに私の頬を撫でた。
去り行く彼の背中を眺めながら、私は心臓の音を自分の耳で聴いていた。
どうやって家に帰ったのかも覚えていないくらいに、ふわりふわりと心が舞い踊っていて、ひどく恥ずかしくて、照れ臭くて、食事も喉を通らなかったくらい胸がいっぱいだった。
それからの1週間は、私が今まで生きて来た人生よりもずっと長く感じて、幸せな夢と悪夢を行ったり来たりしていた。
あれが本当にただの夢だったらどうしようー、そんな不安が消えなかった。
だから、今日の日も、朝からずっと不安で、緊張していて、でも、とても楽しみでー。
1週間ぶりの海だった。
赤くなった空が青い海を赤く染めて、白い砂は薄いピンク色になっている。
私の知っているいつもの景色の中に、生まれてからずっとずっと待ち焦がれていたあの人の姿を見つけた。
地平線を眺めながら立つ横顔があまりにも綺麗で、儚くて、私はまだそれが現実の姿なのか自信がない。
一歩、一歩、まるでヴァージンロードでも歩くみたいに、彼に歩み寄る。
私の姿を視界の端に映したのか、彼が私を見た。
その途端にとてもホッとしたように息を吐いたその様子が教えてくれる。
彼は夢じゃない。
1度しか逢ったことがないはずの彼が、私は遠い昔から、誰よりも何よりも愛おしい。
「ごめんなさい、待ちましたか?」
申し訳なく言う私に、リヴァイさんは息を吐くように首を横に振った。
「ずっと、出逢える日を待ってたんだ。
それに比べれば、ここでなまえを待つ時間なんて、あっという間だ。」
優しい声色で言うリヴァイさんのその言葉は、私の胸に沁みいるように入り込んだ。
そう、ずっと待っていた。
生まれてからずっと、彼だけをー。
「長い間、待たせて悪かった。」
私たちはつい1週間前に会ったばかりだし、今日待っていたのはリヴァイさんの方だ。
誰かが聞いたら、おかしな台詞なのかもしれない。
でも、彼はとても真剣に言ったし、私は胸が詰まって苦しくて必死に首を横に振った。
「ずっとなまえを探してた。会いたかった…。
これから先もずっと、お前の命と未来が欲しい。誰よりも幸せにすると誓う。
だからどうか、俺と結婚してくれ。」
とても情熱的なプロポーズをしてくれたリヴァイさんが、リングケースを差し出す。
開いたその中には、小さなダイヤの輝く綺麗な指輪があった。
あぁ、遠い昔に、私はこの光景を見たことがある気がする。
それはいつだったのだろう。また夢で見たのだろうかー。
私はあのときのように、返事の言葉を言いたいのに、感動で喉が詰まってうまく声が出なくてー。
涙が零れた瞬間に、リヴァイさんに抱きしめられた。
「返事はイエスってことでいいよな。」
リヴァイさんが自信満々な声で言うのは、私が会いに来たことがそもそものプロポーズの答えだったからだろうか。
それとも、遠い昔からずっと、私達は結ばれる運命だったからー。
必死に頷く私をリヴァイさんは強く強く抱きしめた。
この腕の中に、私は漸く帰ってこられたー。
そう感じたのは、決して間違いではないと思うのだ。
愛が赤く染まって、頬はピンク色で、空と海と砂浜と私達が交わるとき、私達の人生がもう一度、重なった。
それくらいに、私にとってはおとぎ話のようなものだったからー。
たぶん、一番分かりやすい言葉に変えるのであれば、あれは私にとっての”運命の出逢い”だったのだ。
でも、それはほんのワンシーンしかなくて、彼はもう一度だけ私にキスをすると、足早に帰ってしまった。
何かとても大切な仕事を抜けて、海に来ていただけだったようだった。
『一週間後のこの時間、またここに来る。
そこで、俺はなまえにプロポーズをする。
返事がイエスなら、来てくれ。』
ー俺は、会いに来てくれるまでずっと待ってるから。
あまりに唐突過ぎる次に会う約束の後、彼はそう続けて、ひどく名残惜しそうに私の頬を撫でた。
去り行く彼の背中を眺めながら、私は心臓の音を自分の耳で聴いていた。
どうやって家に帰ったのかも覚えていないくらいに、ふわりふわりと心が舞い踊っていて、ひどく恥ずかしくて、照れ臭くて、食事も喉を通らなかったくらい胸がいっぱいだった。
それからの1週間は、私が今まで生きて来た人生よりもずっと長く感じて、幸せな夢と悪夢を行ったり来たりしていた。
あれが本当にただの夢だったらどうしようー、そんな不安が消えなかった。
だから、今日の日も、朝からずっと不安で、緊張していて、でも、とても楽しみでー。
1週間ぶりの海だった。
赤くなった空が青い海を赤く染めて、白い砂は薄いピンク色になっている。
私の知っているいつもの景色の中に、生まれてからずっとずっと待ち焦がれていたあの人の姿を見つけた。
地平線を眺めながら立つ横顔があまりにも綺麗で、儚くて、私はまだそれが現実の姿なのか自信がない。
一歩、一歩、まるでヴァージンロードでも歩くみたいに、彼に歩み寄る。
私の姿を視界の端に映したのか、彼が私を見た。
その途端にとてもホッとしたように息を吐いたその様子が教えてくれる。
彼は夢じゃない。
1度しか逢ったことがないはずの彼が、私は遠い昔から、誰よりも何よりも愛おしい。
「ごめんなさい、待ちましたか?」
申し訳なく言う私に、リヴァイさんは息を吐くように首を横に振った。
「ずっと、出逢える日を待ってたんだ。
それに比べれば、ここでなまえを待つ時間なんて、あっという間だ。」
優しい声色で言うリヴァイさんのその言葉は、私の胸に沁みいるように入り込んだ。
そう、ずっと待っていた。
生まれてからずっと、彼だけをー。
「長い間、待たせて悪かった。」
私たちはつい1週間前に会ったばかりだし、今日待っていたのはリヴァイさんの方だ。
誰かが聞いたら、おかしな台詞なのかもしれない。
でも、彼はとても真剣に言ったし、私は胸が詰まって苦しくて必死に首を横に振った。
「ずっとなまえを探してた。会いたかった…。
これから先もずっと、お前の命と未来が欲しい。誰よりも幸せにすると誓う。
だからどうか、俺と結婚してくれ。」
とても情熱的なプロポーズをしてくれたリヴァイさんが、リングケースを差し出す。
開いたその中には、小さなダイヤの輝く綺麗な指輪があった。
あぁ、遠い昔に、私はこの光景を見たことがある気がする。
それはいつだったのだろう。また夢で見たのだろうかー。
私はあのときのように、返事の言葉を言いたいのに、感動で喉が詰まってうまく声が出なくてー。
涙が零れた瞬間に、リヴァイさんに抱きしめられた。
「返事はイエスってことでいいよな。」
リヴァイさんが自信満々な声で言うのは、私が会いに来たことがそもそものプロポーズの答えだったからだろうか。
それとも、遠い昔からずっと、私達は結ばれる運命だったからー。
必死に頷く私をリヴァイさんは強く強く抱きしめた。
この腕の中に、私は漸く帰ってこられたー。
そう感じたのは、決して間違いではないと思うのだ。
愛が赤く染まって、頬はピンク色で、空と海と砂浜と私達が交わるとき、私達の人生がもう一度、重なった。