「愛してる」~それは、俺のお気に入りの〝嘘〟だ~
Name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
君を初めて実家に連れて行ったのは、調査兵団に入団して最初の夏季休暇だった。
緊張を隠してカッコつける俺の隣で、緊張を隠しきれずにカチカチに固まる君が、声を震わせながら俺の母親に頭を下げていたのをよく覚えてる。
『は、はははは、はじめまして…っ。
わた、私…っ、ジャ…ジャンと…っ、じゃなくてっ。
キル、キルキル…キルシュテ、キルシュタ…っ、キル・・・・・ジャンさんと!』
『言えねぇのか、忘れちまったのか。どっちにしろ、諦めんなよ。』
『だ、だってっ!緊張しちゃって…っ。
あ、あの…っ、ジャンさんとおつ…、おつおつおつつつつつ…っ、』
『もういい。俺の彼女、みょうじ・なまえ。
調査兵団に入ってから知り合ったんだ。』
『その通りでございます!!』
俺と君のやりとりを前にして、最初は呆気に取られてた母親も、思いっきり吹き出して、楽しそうに笑ってたな。
たぶん、母親も父親も、息子が初めて恋人を連れてくるなんて手紙を寄こしたから、緊張して待っていたんだと思う。
その証拠に、どこかの人類最強の兵士が掃除したみたいに家中がピカピカに磨かれて、テーブルの上には普段は見たことのないような豪華な料理が並んでいたし、父親は逆さまで新聞を読んでた。
でも、君の無邪気な笑顔と明るく人懐っこい性格は、両親の緊張と心をあっという間に解かしていた。
『可愛いお嫁さんが来てくれることが分かって、すごく嬉しいわ。』
嬉しそうに微笑む母親の隣で、父親までまんざらでもない顔をしていた。
君は困ったように謙遜していたし、俺だってそんなのまだ早いし、まだ若い俺達がこれからどうなるかなんて誰にも分からないと両親を叱った。
でも、あの時、誰よりもそんな未来を夢に見ていたのは、俺なんだ。
キザでベタかもしれないけど、いつかバラの花束なんて用意してカッコつけた俺が、小洒落たレストランに君を連れ出して、誠心誠意込めたプロポーズをするんだろう、と思ってた。
そして、君は必ず『イエス』と答えるんだ。
だって、いつだって君は、俺の望む言葉をくれたから。
『ジャンは、カッコいいね。』
『ジャンは、冷たいんじゃないよ。
周りをちゃんとしっかりと見てるから、これから先のことがわかっちゃうんだよ。
だから、私達を叱ってくれるジャンは、本当の優しさを知ってる人だと思う。』
『ジャンと、ずっと一緒にいたいな。』
『ねぇ、ジャン、私ね、あなたのことを———。』
あぁ、どうしてこんなときに、君からもらった沢山の言葉を思い出してしまうんだろう。
緊張を隠してカッコつける俺の隣で、緊張を隠しきれずにカチカチに固まる君が、声を震わせながら俺の母親に頭を下げていたのをよく覚えてる。
『は、はははは、はじめまして…っ。
わた、私…っ、ジャ…ジャンと…っ、じゃなくてっ。
キル、キルキル…キルシュテ、キルシュタ…っ、キル・・・・・ジャンさんと!』
『言えねぇのか、忘れちまったのか。どっちにしろ、諦めんなよ。』
『だ、だってっ!緊張しちゃって…っ。
あ、あの…っ、ジャンさんとおつ…、おつおつおつつつつつ…っ、』
『もういい。俺の彼女、みょうじ・なまえ。
調査兵団に入ってから知り合ったんだ。』
『その通りでございます!!』
俺と君のやりとりを前にして、最初は呆気に取られてた母親も、思いっきり吹き出して、楽しそうに笑ってたな。
たぶん、母親も父親も、息子が初めて恋人を連れてくるなんて手紙を寄こしたから、緊張して待っていたんだと思う。
その証拠に、どこかの人類最強の兵士が掃除したみたいに家中がピカピカに磨かれて、テーブルの上には普段は見たことのないような豪華な料理が並んでいたし、父親は逆さまで新聞を読んでた。
でも、君の無邪気な笑顔と明るく人懐っこい性格は、両親の緊張と心をあっという間に解かしていた。
『可愛いお嫁さんが来てくれることが分かって、すごく嬉しいわ。』
嬉しそうに微笑む母親の隣で、父親までまんざらでもない顔をしていた。
君は困ったように謙遜していたし、俺だってそんなのまだ早いし、まだ若い俺達がこれからどうなるかなんて誰にも分からないと両親を叱った。
でも、あの時、誰よりもそんな未来を夢に見ていたのは、俺なんだ。
キザでベタかもしれないけど、いつかバラの花束なんて用意してカッコつけた俺が、小洒落たレストランに君を連れ出して、誠心誠意込めたプロポーズをするんだろう、と思ってた。
そして、君は必ず『イエス』と答えるんだ。
だって、いつだって君は、俺の望む言葉をくれたから。
『ジャンは、カッコいいね。』
『ジャンは、冷たいんじゃないよ。
周りをちゃんとしっかりと見てるから、これから先のことがわかっちゃうんだよ。
だから、私達を叱ってくれるジャンは、本当の優しさを知ってる人だと思う。』
『ジャンと、ずっと一緒にいたいな。』
『ねぇ、ジャン、私ね、あなたのことを———。』
あぁ、どうしてこんなときに、君からもらった沢山の言葉を思い出してしまうんだろう。
1/2ページ