相変わらずな君と僕
Name change
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煩わしいアラームの音が鳴り響く広いベッドの上を、俺の手は音の出所を探して這いまわっていた。
冷たいシーツを右往左往した後にやっと見つけたスマホを握りしめてから、漸く押し上げた瞼は、カーテンから差し込む太陽の光が眩しくてすぐにまた閉じてしまいそになる。
なんとかしかめっ面でスマホのアラームを止めた。
起きなければー。
そう思うのに、身体が重たくて上手く動かない。
ほんの少しの暇も作らないようにと詰め込みまくった仕事のせいで、疲れが溜まっているのは分かっている。
でも、俺は怖いのだ。
時間なんてものが出来てしまったら、身体を休ませる前に俺は、心にぽっかりと空いた穴を思い知らされるだけだと知っているからー。
のっそりと身体を起こせば、ベッドのヘッドボードの上で黒と白の猫のぬいぐるみが今朝も仲良く並んでいた。
「おはよう。」
優しく言って、白猫の頭にそっと手を乗せて撫でる。
でも、ぬいぐるみから返事が返ってくることはない。
『んー…。まだ、もうちょっと…。』
今朝も、寝ぼけた掠れた声で言って寝返りを打つ名前の華奢な背中を思い出して、どうしようもなく会いたくなる。
いつから、俺は名前の背中すら見なくなったのだろう。背中合わせに眠っていれば、気持ちを鳴らす愛おしい鼓動すら聞こえないと分かっていながら、見ようとすらしなかった。
今なら分かる。簡単だったはずだ。
おはよう、と言うだけでよかったのだから。
今したようにそっと髪を撫でてやれば、朝が苦手な名前は眠たそうにしながらも甘えるように抱き着いて起きてくれてたじゃないか。
でも、今さらそんなことを思っても遅いのだ。
どんなに優しい笑みを向けたって、優しく撫でてやったって、ぬいぐるみから返事が返ってこないように、名前が振り向くことはもう二度とない。
だって、俺達はもう、赤の他人よりもずっと遠い関係になってしまったのだからー。
冷たいシーツを右往左往した後にやっと見つけたスマホを握りしめてから、漸く押し上げた瞼は、カーテンから差し込む太陽の光が眩しくてすぐにまた閉じてしまいそになる。
なんとかしかめっ面でスマホのアラームを止めた。
起きなければー。
そう思うのに、身体が重たくて上手く動かない。
ほんの少しの暇も作らないようにと詰め込みまくった仕事のせいで、疲れが溜まっているのは分かっている。
でも、俺は怖いのだ。
時間なんてものが出来てしまったら、身体を休ませる前に俺は、心にぽっかりと空いた穴を思い知らされるだけだと知っているからー。
のっそりと身体を起こせば、ベッドのヘッドボードの上で黒と白の猫のぬいぐるみが今朝も仲良く並んでいた。
「おはよう。」
優しく言って、白猫の頭にそっと手を乗せて撫でる。
でも、ぬいぐるみから返事が返ってくることはない。
『んー…。まだ、もうちょっと…。』
今朝も、寝ぼけた掠れた声で言って寝返りを打つ名前の華奢な背中を思い出して、どうしようもなく会いたくなる。
いつから、俺は名前の背中すら見なくなったのだろう。背中合わせに眠っていれば、気持ちを鳴らす愛おしい鼓動すら聞こえないと分かっていながら、見ようとすらしなかった。
今なら分かる。簡単だったはずだ。
おはよう、と言うだけでよかったのだから。
今したようにそっと髪を撫でてやれば、朝が苦手な名前は眠たそうにしながらも甘えるように抱き着いて起きてくれてたじゃないか。
でも、今さらそんなことを思っても遅いのだ。
どんなに優しい笑みを向けたって、優しく撫でてやったって、ぬいぐるみから返事が返ってこないように、名前が振り向くことはもう二度とない。
だって、俺達はもう、赤の他人よりもずっと遠い関係になってしまったのだからー。
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