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これがきっと最後だと本気で信じたあの恋が終わったのは、つい最近のことのように思っていた。
気持ちを言葉にするのが苦手な上、忙しくて会う時間すら作ってやれなかった。
不安にさせているのは分かっていても、それをどう解消してやればいいのかは知らないまま。
無邪気な笑顔が可愛らしかったなまえが、次第に笑顔を失っていく姿を見ているのは辛かった。
このままでは本当に彼女はあの綺麗な笑顔を忘れてしまうと思って、俺から別れを告げた。
もしかしたら、引き留めてくれると願っていたのかもしれないと、今なら思う。
でも、なまえはただ静かに頷いて、俺は漸く終わりにできるとホッとした。
あぁ、そうだ。どこにだってよくあるような恋が終わっただけのことだ。
なまえの住むウォール・ローゼの街への出張を言い渡されたのは数日前。
もしかしたら、会えるかもしれないと期待していた。
また会えたら、俺はどうするつもりだったのだろう。
ただ、俺は、別れたのはつい最近のことのような気がしていた。
仕事終わり、少し飲んでいこうというエルヴィンとハンジの誘いに珍しく乗ったのも、あの頃は絶対に教えなかった2人でよく行ったバーに彼らを連れて行ったのも、俺だけがあの頃のままだったせいだ。
「君を他の男にとられるのは御免だからね。」
「心配しなくて大丈夫よ。私はずっとリアムが好きだもの。」
「ならよかった。」
バーにかかる音楽が、俺となまえの想い出の曲に変わる。
なまえは俺なんかよりも素敵な恋人の素敵な恋人になっていた。
俺が座るつもりだったはずの一番奥の席で、優しそうな男はなまえの視線を独り占めしていた。
そうか、俺は他の男になまえをとられてしまったのか。
別れればそうなると気づきもしなかった俺とは違って、あの男は今のなまえを大切にしているようだった。
エルヴィンが選んだ席が、なまえのテーブルとは離れていたせいで、今の俺となまえにはそれ以上に遠い距離が出来ているのだと思い知るには充分だった。
「-でさぁ、ミケがまた新兵の匂い嗅いで怖がらせててさ。」
実りのないハンジの話を聞き流しながら、あの頃もよくそうしていたように飲み慣れた酒を口に運ぶ。
でも、なぜだろう。すごく味気なくて、水を飲んでるみたいだ。
それなのに、酒がすぐに身体にまわってしまったようで、見なければいいのに、俺はずっとなまえの背中を眺めていた。
あの頃の俺がよくそうしていたように、今はあの男がなまえの為に酒を頼む。
あの頃の俺がよくそうしていたように、今はあの男がなまえを笑わせる。
あの頃の俺がよくそうしていたように、今はあの男がなまえの頬を撫でる。
あぁ、でもー。
ソイツは、なまえのことを不安にさせるのだろうか。あの頃の俺がよくそうしていたようにー。
ソイツは、なまえを泣かせたりするのだろうか。あの頃の俺がよくそうしていたようにー。
ソイツは、都合の悪い話を聞きたくなくて、言葉を遮るみたいに乱暴になまえにキスをしたりするのだろうか。あの頃の俺がよくそうしていたようにー。
ソイツは、会いたくて会いたくてたまらなかった気持ちをどう伝えればいいか分からずに、ただがむしゃらに抱いたりするのだろうか。あの頃の俺がよくそうしていたようにー。
ソイツはー。
ソイツはー、なまえのことを心から深く愛しているのだろうか。俺みたいにー。
「そろそろ出ようか。立てるかい?」
俺とは違って優しい声色の男は、酒がまわってよろけるなまえの腰を抱いて支える。
あの頃は俺に寄り掛かっていたはずのなまえは、今は違う男の腕に手を添えて立っていた。
あぁ、そうか。
なまえの中では、別れてからもうしばらく経っているんだろう。
簡単に心変わりをするような女じゃないからきっと、とても長い時間が経ったのだ。
でも、俺は、別れたのはつい最近のことだと思っていたんだ。
だってー。
今でも相も変わらず、まだ君を愛してるから
新しい恋人に抱かれた君が、思い出の場所から出て行く。
追いかけたら、何か変われるのだろうか。
振り向いた君の別れの言葉で、この恋は今度こそ、終わってしまうのだろうか。
それなら、いっそこのままー。
気持ちを言葉にするのが苦手な上、忙しくて会う時間すら作ってやれなかった。
不安にさせているのは分かっていても、それをどう解消してやればいいのかは知らないまま。
無邪気な笑顔が可愛らしかったなまえが、次第に笑顔を失っていく姿を見ているのは辛かった。
このままでは本当に彼女はあの綺麗な笑顔を忘れてしまうと思って、俺から別れを告げた。
もしかしたら、引き留めてくれると願っていたのかもしれないと、今なら思う。
でも、なまえはただ静かに頷いて、俺は漸く終わりにできるとホッとした。
あぁ、そうだ。どこにだってよくあるような恋が終わっただけのことだ。
なまえの住むウォール・ローゼの街への出張を言い渡されたのは数日前。
もしかしたら、会えるかもしれないと期待していた。
また会えたら、俺はどうするつもりだったのだろう。
ただ、俺は、別れたのはつい最近のことのような気がしていた。
仕事終わり、少し飲んでいこうというエルヴィンとハンジの誘いに珍しく乗ったのも、あの頃は絶対に教えなかった2人でよく行ったバーに彼らを連れて行ったのも、俺だけがあの頃のままだったせいだ。
「君を他の男にとられるのは御免だからね。」
「心配しなくて大丈夫よ。私はずっとリアムが好きだもの。」
「ならよかった。」
バーにかかる音楽が、俺となまえの想い出の曲に変わる。
なまえは俺なんかよりも素敵な恋人の素敵な恋人になっていた。
俺が座るつもりだったはずの一番奥の席で、優しそうな男はなまえの視線を独り占めしていた。
そうか、俺は他の男になまえをとられてしまったのか。
別れればそうなると気づきもしなかった俺とは違って、あの男は今のなまえを大切にしているようだった。
エルヴィンが選んだ席が、なまえのテーブルとは離れていたせいで、今の俺となまえにはそれ以上に遠い距離が出来ているのだと思い知るには充分だった。
「-でさぁ、ミケがまた新兵の匂い嗅いで怖がらせててさ。」
実りのないハンジの話を聞き流しながら、あの頃もよくそうしていたように飲み慣れた酒を口に運ぶ。
でも、なぜだろう。すごく味気なくて、水を飲んでるみたいだ。
それなのに、酒がすぐに身体にまわってしまったようで、見なければいいのに、俺はずっとなまえの背中を眺めていた。
あの頃の俺がよくそうしていたように、今はあの男がなまえの為に酒を頼む。
あの頃の俺がよくそうしていたように、今はあの男がなまえを笑わせる。
あの頃の俺がよくそうしていたように、今はあの男がなまえの頬を撫でる。
あぁ、でもー。
ソイツは、なまえのことを不安にさせるのだろうか。あの頃の俺がよくそうしていたようにー。
ソイツは、なまえを泣かせたりするのだろうか。あの頃の俺がよくそうしていたようにー。
ソイツは、都合の悪い話を聞きたくなくて、言葉を遮るみたいに乱暴になまえにキスをしたりするのだろうか。あの頃の俺がよくそうしていたようにー。
ソイツは、会いたくて会いたくてたまらなかった気持ちをどう伝えればいいか分からずに、ただがむしゃらに抱いたりするのだろうか。あの頃の俺がよくそうしていたようにー。
ソイツはー。
ソイツはー、なまえのことを心から深く愛しているのだろうか。俺みたいにー。
「そろそろ出ようか。立てるかい?」
俺とは違って優しい声色の男は、酒がまわってよろけるなまえの腰を抱いて支える。
あの頃は俺に寄り掛かっていたはずのなまえは、今は違う男の腕に手を添えて立っていた。
あぁ、そうか。
なまえの中では、別れてからもうしばらく経っているんだろう。
簡単に心変わりをするような女じゃないからきっと、とても長い時間が経ったのだ。
でも、俺は、別れたのはつい最近のことだと思っていたんだ。
だってー。
今でも相も変わらず、まだ君を愛してるから
新しい恋人に抱かれた君が、思い出の場所から出て行く。
追いかけたら、何か変われるのだろうか。
振り向いた君の別れの言葉で、この恋は今度こそ、終わってしまうのだろうか。
それなら、いっそこのままー。
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