◇第七十六話◇因縁のドレス
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トボトボー。
私の歩く姿を音にするなら、それが一番しっくりくると思う。
廊下を行きかう顔見知りの兵士達は、忙しそうだったり、楽しそうだったり、それぞれが目的をもって歩いている。
爆弾騒ぎは、あれからも続いていて、昨夜もトロスト区の廃墟で爆発があったとミケ分隊長から聞いた。
今のところ負傷者は出ていないらしいけれど、これからもそうだとは限らない。
憲兵団から急いで犯人を捕まえるようにとせっつかれている調査兵団は、爆弾騒ぎの担当人数を増やして朝から夜まで対応しているが、目撃者すら見つけられていないらしい。
そんな危険な任務に、ジャンは相変わらず参加して、ここ数日ずっと授業に参加していない。
「はぁ…。」
何度目かのため息を吐いた私は、午後の座学の授業を終えて、明日の授業の準備をするために図書室へ向かっていた。
意味もなくゆっくりと精鋭兵のフロアを歩きながら、何がしたいのだろうと自問自答を繰り返す。
でも、そんなの愚問で、たぶん、私はリヴァイ兵長の顔が見たいのだ。
私がもう二度と話しかけないでなんて言ったから、あれから本当に顔を見ていない。
リヴァイ兵長も、ホッとしたのだろうかー。
それでも、私は会いたくて、ジーニーに会いに来たリヴァイ兵長でもいいから会いたくてー。
たぶん、リヴァイ兵長の顔を見たら、またあの怒りが湧くのだとも思う。
会いたくないと思うのだと知っている。
そして、リヴァイ兵長に背を向けた途端に、私はきっとまた会いたくなるのだろう。
そんな矛盾に苦しむ数日が、私の歩く姿をトボトボにしていた。
「あー、いたいた。なまえっ、またドレス着てくれる?」
ハンジさんとナナバさんがやって来て、あの日のデジャブかと思った。
私の歩く姿を音にするなら、それが一番しっくりくると思う。
廊下を行きかう顔見知りの兵士達は、忙しそうだったり、楽しそうだったり、それぞれが目的をもって歩いている。
爆弾騒ぎは、あれからも続いていて、昨夜もトロスト区の廃墟で爆発があったとミケ分隊長から聞いた。
今のところ負傷者は出ていないらしいけれど、これからもそうだとは限らない。
憲兵団から急いで犯人を捕まえるようにとせっつかれている調査兵団は、爆弾騒ぎの担当人数を増やして朝から夜まで対応しているが、目撃者すら見つけられていないらしい。
そんな危険な任務に、ジャンは相変わらず参加して、ここ数日ずっと授業に参加していない。
「はぁ…。」
何度目かのため息を吐いた私は、午後の座学の授業を終えて、明日の授業の準備をするために図書室へ向かっていた。
意味もなくゆっくりと精鋭兵のフロアを歩きながら、何がしたいのだろうと自問自答を繰り返す。
でも、そんなの愚問で、たぶん、私はリヴァイ兵長の顔が見たいのだ。
私がもう二度と話しかけないでなんて言ったから、あれから本当に顔を見ていない。
リヴァイ兵長も、ホッとしたのだろうかー。
それでも、私は会いたくて、ジーニーに会いに来たリヴァイ兵長でもいいから会いたくてー。
たぶん、リヴァイ兵長の顔を見たら、またあの怒りが湧くのだとも思う。
会いたくないと思うのだと知っている。
そして、リヴァイ兵長に背を向けた途端に、私はきっとまた会いたくなるのだろう。
そんな矛盾に苦しむ数日が、私の歩く姿をトボトボにしていた。
「あー、いたいた。なまえっ、またドレス着てくれる?」
ハンジさんとナナバさんがやって来て、あの日のデジャブかと思った。