◇第六十六話◇ただの上司と部下
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「よし。」
鏡に映る自分を確認して、気合を入れる。
大丈夫、ルルが教えてくれた涙で腫れた目の対処法をして昨日の夜は寝たから、泣き疲れて寝たことに誰も気づかないはずだ。
こんなときも、私を助けてくれるルルに心から感謝だ。
最後にもう一度、大きく深呼吸をして、私は部屋を出た。
朝の眩しい光が、今日はもう昨日とは違う一日だと教えてくれるようだった。
私が食事室に入る頃には、もうほとんどの調査兵達が席について食事を始めていた。
一際騒がしいテーブルでは、またサシャがコニーのパンを奪ったようだった。
クスリと笑って、私も配膳台から自分の分のトレイを頂戴する。
「コニー、私のパンをあげるよ。」
コニーの隣に腰をおろした私は、自分のパンをコニーの空になった皿に乗せた。
サシャの口の中で咀嚼されていくパンに絶望していたコニーの悲愴な顔がこちらを向くから、思わず吹き出してしまう。
「いいのかっ!!」
「いいのかって言って、もう食ってんじゃねーかよ。」
テーブルを挟んだ席にいるジャンが呆れたように言うが、コニーはパンを頬張ったまま何かを訴える。
食べながらだからよくわからないけれど、おそらく、早くパンを食べないとまたサシャにとられるとかなんとか言ったのだと思う。
「なまえさんは食べなくていいんですか?」
「あんまりお腹すいてないの。
それに、今日は訓練じゃないから、身体も使わないしね。」
心配してくれたクリスタにそう言って、スープに手を伸ばした私の頭に何かが乗る。
視線だけを上にあげて見ると、トレイの底が見えた。
そして、そのさらに上の方には私を睨みつける切れ長の瞳ー。
「バカか。兵士は身体が資本だ。無理してもしっかり食え。」
「…おはようございます。」
「聞いてんのか。」
「もう、コニーの口の中だから無理だなぁと思いながら聞いてました。」
「クソが。」
視線を上にあげたまま、リヴァイ兵長のお叱りを受ける。
久しぶりで緊張したけれど、私はうまくやれたようだ。
リヴァイ兵長と一緒に来ていたらしいリヴァイ班の面々が、驚いた顔で私とリヴァイ兵長のやり取りを見ていたし、ペトラはニヤニヤしてるし、なぜかオルオにはよくやったっとばかりに親指を立てられた。
昼食はしっかりとるようにと厳しくも優しい上官の言葉をくれたリヴァイ兵長が去って行ってすぐ、ペトラが私の耳元に口を近づけた。
「うまくいってるみたいでよかった。
今度、時間があるときに話を聞かせてね。」
そう言って身体を離したペトラが、私に可愛らしいウィンクを飛ばした。
鏡に映る自分を確認して、気合を入れる。
大丈夫、ルルが教えてくれた涙で腫れた目の対処法をして昨日の夜は寝たから、泣き疲れて寝たことに誰も気づかないはずだ。
こんなときも、私を助けてくれるルルに心から感謝だ。
最後にもう一度、大きく深呼吸をして、私は部屋を出た。
朝の眩しい光が、今日はもう昨日とは違う一日だと教えてくれるようだった。
私が食事室に入る頃には、もうほとんどの調査兵達が席について食事を始めていた。
一際騒がしいテーブルでは、またサシャがコニーのパンを奪ったようだった。
クスリと笑って、私も配膳台から自分の分のトレイを頂戴する。
「コニー、私のパンをあげるよ。」
コニーの隣に腰をおろした私は、自分のパンをコニーの空になった皿に乗せた。
サシャの口の中で咀嚼されていくパンに絶望していたコニーの悲愴な顔がこちらを向くから、思わず吹き出してしまう。
「いいのかっ!!」
「いいのかって言って、もう食ってんじゃねーかよ。」
テーブルを挟んだ席にいるジャンが呆れたように言うが、コニーはパンを頬張ったまま何かを訴える。
食べながらだからよくわからないけれど、おそらく、早くパンを食べないとまたサシャにとられるとかなんとか言ったのだと思う。
「なまえさんは食べなくていいんですか?」
「あんまりお腹すいてないの。
それに、今日は訓練じゃないから、身体も使わないしね。」
心配してくれたクリスタにそう言って、スープに手を伸ばした私の頭に何かが乗る。
視線だけを上にあげて見ると、トレイの底が見えた。
そして、そのさらに上の方には私を睨みつける切れ長の瞳ー。
「バカか。兵士は身体が資本だ。無理してもしっかり食え。」
「…おはようございます。」
「聞いてんのか。」
「もう、コニーの口の中だから無理だなぁと思いながら聞いてました。」
「クソが。」
視線を上にあげたまま、リヴァイ兵長のお叱りを受ける。
久しぶりで緊張したけれど、私はうまくやれたようだ。
リヴァイ兵長と一緒に来ていたらしいリヴァイ班の面々が、驚いた顔で私とリヴァイ兵長のやり取りを見ていたし、ペトラはニヤニヤしてるし、なぜかオルオにはよくやったっとばかりに親指を立てられた。
昼食はしっかりとるようにと厳しくも優しい上官の言葉をくれたリヴァイ兵長が去って行ってすぐ、ペトラが私の耳元に口を近づけた。
「うまくいってるみたいでよかった。
今度、時間があるときに話を聞かせてね。」
そう言って身体を離したペトラが、私に可愛らしいウィンクを飛ばした。