◇第三十八話◇仇
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団長の執務室を出たハンジは、深く息を吐いて肩を落とした。
エルヴィンの判断はいつも正しい。
今回も間違っていない。
そんなことくらい、長年調査兵団で心臓を捧げてきたハンジも理解していた。
そう、頭では確かに理解しているのだ。
でもー。
なまえの退団届を受け取ったエルヴィンの姿が脳裏に蘇る。
彼は、なまえを引き留めるつもりなんて欠片もない。
いや、むしろー。
『心の折れた兵士はもう二度と巨人に立ち向かえない。
そんな兵士は調査兵団には必要ないことくらい、ハンジ、君も分かっているだろう。』
『確かに、そうかもしれない。でも、エルヴィンだってあのとき見ただろ!?
なまえはリヴァイの技術を完全にコピーしてる!見て、身体で覚えたんだ!
そんなこと誰にもできない!!これからの訓練と経験次第では、いつか彼女は必ず私達の救いになる!!』
『では聞くが、ハンジ。
そのいつかは、いつ来ると思っている?』
『それは…、なまえがルルのことを乗り越えて、そして…。そして…。』
『もう二度と来ないと、君も思っているんだろう?』
『…っ。』
『ルル・クレーデルが戦死した日、なまえ・みょうじという兵士も死んだ。
死んだ兵士はもう戦えない。』
何もかもが、エルヴィンの言う通りで、何の反論の言葉も浮かばなかった。
悔しいー。
ハンジは、両の拳を痛いくらいに握りしめ、唇を噛む。
ルルという勇敢で優しい兵士を守ることが出来なかっただけに飽き足らず、彼女が残したなまえという希望すらも死なせてしまった。
悔しい、悔しい、悔しいー。
いつだって、仲間が死にゆく姿をただ見るだけしか出来ない無力な自分が、悔しい。
エルヴィンの判断はいつも正しい。
今回も間違っていない。
そんなことくらい、長年調査兵団で心臓を捧げてきたハンジも理解していた。
そう、頭では確かに理解しているのだ。
でもー。
なまえの退団届を受け取ったエルヴィンの姿が脳裏に蘇る。
彼は、なまえを引き留めるつもりなんて欠片もない。
いや、むしろー。
『心の折れた兵士はもう二度と巨人に立ち向かえない。
そんな兵士は調査兵団には必要ないことくらい、ハンジ、君も分かっているだろう。』
『確かに、そうかもしれない。でも、エルヴィンだってあのとき見ただろ!?
なまえはリヴァイの技術を完全にコピーしてる!見て、身体で覚えたんだ!
そんなこと誰にもできない!!これからの訓練と経験次第では、いつか彼女は必ず私達の救いになる!!』
『では聞くが、ハンジ。
そのいつかは、いつ来ると思っている?』
『それは…、なまえがルルのことを乗り越えて、そして…。そして…。』
『もう二度と来ないと、君も思っているんだろう?』
『…っ。』
『ルル・クレーデルが戦死した日、なまえ・みょうじという兵士も死んだ。
死んだ兵士はもう戦えない。』
何もかもが、エルヴィンの言う通りで、何の反論の言葉も浮かばなかった。
悔しいー。
ハンジは、両の拳を痛いくらいに握りしめ、唇を噛む。
ルルという勇敢で優しい兵士を守ることが出来なかっただけに飽き足らず、彼女が残したなまえという希望すらも死なせてしまった。
悔しい、悔しい、悔しいー。
いつだって、仲間が死にゆく姿をただ見るだけしか出来ない無力な自分が、悔しい。