◇第二十一話◇触れられない星
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新兵勧誘式の翌日から、ハンジさんの分隊の数名は旧調査兵団本部を訪れていた。
巨人化出来るエレン・イェーガーの実験のためだ。実験の準備や諸々としたことは、ハンジ分隊の調査兵数名が行うことになる。
旧調査兵団本部は壁や川からも離れた辺鄙なところにあったが、古城を改装しているだけあって趣があって、私はとても素敵だと思った。
オルオは、調査兵団にとっては無用の長物だと言っていたけれど。兵長の真似をして―。
でも、私が遥々やってきたのは実験のためではない。
リヴァイ兵長の特別訓練を受けるようにハンジさんに突然言われたのは昨日の夜。
朝には、ハンジさんの分隊の人達と一緒に古城を目指して馬を走らせていた。
でも、なぜか、ハンジさんを含め、分隊のみんなと一緒に旧調査兵団本部の大掃除をやらされたのが、今日のお昼。
気づけば、とっくに夕飯の時間になっていて、疲れ切った仲間との食事を終えたのが今から1時間ほど前のこと―。
「ほんの数日会ってないだけで、なまえに友達が出来てるから驚いたよ。」
ペトラは嬉しそうに、私と一緒にいる女兵士達を見る。
少し前のハンジさんの分隊での壁外任務で私が助けることになった彼女達だ。重傷を負った彼女だけは、兵舎でお留守番中だけれど、彼女とも仲良くさせてもらっている。
「ねぇ、ひろーいシャワールームがあるんだって。
後で一緒に行こうよっ。」
ワクワクした様子で声をかけてきたのは、新しく調査兵団に入団したルルだ。
新兵勧誘式で入団を決めた訓練兵ではなく、駐屯兵として数年仕えていたのだが、数日前に入団してきた。
所属は私と同じハンジさんの分隊で、班は異なるが同じ歳ということもあり、すぐに仲良くなった。
人懐っこい性格で、調査兵団のみんなともすぐに打ち解けていた。
ルルが少し前の壁外任務で助けることになった彼女達と一緒になって、他の兵士達との懸け橋になってくれたおかげで、調査兵団での私の立ち位置も少しずつ心地よいものになってきている。
彼女については、どこかで会ったことがある気がするのだけれど、思い出せない。
「さすがお城なだけあるね!」
「行こう、行こう!」
お城のシャワールームはどんな風になっているのだろう、なんて女同士の楽しい掛け合い。
こんなのいつ振りだろう。
ここにヒルラがいたら、お気に入りの石鹸を持ってきたとしてやったり顔をしているのだろう。
「こんなこともあるかと思って、私、お気に入りの石鹸持ってきたんだよねぇ。」
してやったり顔のルルを見て、驚いた顔をするペトラ達と一緒に、私も驚いた。
まるで、ヒルラが喋ったような気がして―。
「どうかした?」
「え?ううん、なんでもないの。ただ、楽しいなぁと思っただけよ。」
「だね、私も久しぶりにすごく楽しい。」
嬉しそうなペトラ達と一緒に過ごしたその後の数時間は、私にとって今度こそ失いたくない幸せだった。
だって、兵士である彼女達と過ごすことで、私は、久しぶりに兵士であることを忘れることが出来たからー。
巨人化出来るエレン・イェーガーの実験のためだ。実験の準備や諸々としたことは、ハンジ分隊の調査兵数名が行うことになる。
旧調査兵団本部は壁や川からも離れた辺鄙なところにあったが、古城を改装しているだけあって趣があって、私はとても素敵だと思った。
オルオは、調査兵団にとっては無用の長物だと言っていたけれど。兵長の真似をして―。
でも、私が遥々やってきたのは実験のためではない。
リヴァイ兵長の特別訓練を受けるようにハンジさんに突然言われたのは昨日の夜。
朝には、ハンジさんの分隊の人達と一緒に古城を目指して馬を走らせていた。
でも、なぜか、ハンジさんを含め、分隊のみんなと一緒に旧調査兵団本部の大掃除をやらされたのが、今日のお昼。
気づけば、とっくに夕飯の時間になっていて、疲れ切った仲間との食事を終えたのが今から1時間ほど前のこと―。
「ほんの数日会ってないだけで、なまえに友達が出来てるから驚いたよ。」
ペトラは嬉しそうに、私と一緒にいる女兵士達を見る。
少し前のハンジさんの分隊での壁外任務で私が助けることになった彼女達だ。重傷を負った彼女だけは、兵舎でお留守番中だけれど、彼女とも仲良くさせてもらっている。
「ねぇ、ひろーいシャワールームがあるんだって。
後で一緒に行こうよっ。」
ワクワクした様子で声をかけてきたのは、新しく調査兵団に入団したルルだ。
新兵勧誘式で入団を決めた訓練兵ではなく、駐屯兵として数年仕えていたのだが、数日前に入団してきた。
所属は私と同じハンジさんの分隊で、班は異なるが同じ歳ということもあり、すぐに仲良くなった。
人懐っこい性格で、調査兵団のみんなともすぐに打ち解けていた。
ルルが少し前の壁外任務で助けることになった彼女達と一緒になって、他の兵士達との懸け橋になってくれたおかげで、調査兵団での私の立ち位置も少しずつ心地よいものになってきている。
彼女については、どこかで会ったことがある気がするのだけれど、思い出せない。
「さすがお城なだけあるね!」
「行こう、行こう!」
お城のシャワールームはどんな風になっているのだろう、なんて女同士の楽しい掛け合い。
こんなのいつ振りだろう。
ここにヒルラがいたら、お気に入りの石鹸を持ってきたとしてやったり顔をしているのだろう。
「こんなこともあるかと思って、私、お気に入りの石鹸持ってきたんだよねぇ。」
してやったり顔のルルを見て、驚いた顔をするペトラ達と一緒に、私も驚いた。
まるで、ヒルラが喋ったような気がして―。
「どうかした?」
「え?ううん、なんでもないの。ただ、楽しいなぁと思っただけよ。」
「だね、私も久しぶりにすごく楽しい。」
嬉しそうなペトラ達と一緒に過ごしたその後の数時間は、私にとって今度こそ失いたくない幸せだった。
だって、兵士である彼女達と過ごすことで、私は、久しぶりに兵士であることを忘れることが出来たからー。