◇第二十話◇誤解を解く
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調査兵団は主に壁外が仕事場となる。
大々的な壁外調査以外にも、拠点の設置等の短時間の壁外任務も担っていて、それなりに忙しい。
だが、毎日のように壁外に出ているわけでもないので、壁内にいるときは訓練に励むか書類業務をしていることが多い。
他兵団の雑務を押し付けられることもよくある。
今日のハンジは、よくある雑務に忙しくしていた。
第57回壁外調査の班決めをしたいのだが―。
早く終わらせたい一心でペンを走らせていると、扉をノックされた。
ハンジの部屋に来る人物なんて限られている。
エルヴィンならば呼び出しがかかるから、モブリットか、リヴァイか。壁外任務を終わらせたミケかもしれない。
中に入るように促すと、扉を開けたのは意外な人物だった。
「どうしたんだい。明日からのお泊りの準備で忙しいんじゃないかい?」
緊張気味に部屋に入ってきたのはペトラだった。
兵法会議でエレン・イェーガーの管理が調査兵団に決まってから、諸々の準備等もようやくひと段落ついた。
エレン・イェーガーを新たなメンバーに迎えたリヴァイ班は、明日から旧調査兵団本部に向かうことになっている。
巨人化出来るエレンを安全に管理するためには、内門の中も含め、住人がまだ多数いるトロスト区の兵舎に部屋を用意してやるわけにはいかなかったのだ。
「今、エルド達がエレン・イェーガーに説明をしてくれています。」
「そう。それで、君は私に何か用かな?」
「あの…、なまえのことなのですが…。」
「なまえかい?」
歯切れ悪く出てきた異例の新兵の名前に、ハンジは首を傾げる。
なまえは、所属するハンジの分隊以外に、リヴァイ班との関わりもある。むしろ、今は訓練や壁外演習はリヴァイ班と行っているから、彼らとの付き合いの方が深いくらいだ。
だが、だからといって、自分達が留守にする間よろしく、なんて言いに来るとも思えない。
「午前中、一緒にいらっしゃいましたよね?」
「え?あ~、いたよ。お使いを頼んでいてね。
なまえを使いに出すと、店主が機嫌が良くなるんだ。
値引きやオマケをしてくれるから助かるんだよね~。」
ハンジは、午前中の光景を思い浮かべた。
リヴァイ班は旧調査兵団本部への移動の準備で忙しく、ナナバとゲルガーは壁外任務の予定があった。
だから、なまえにはお使いを頼んだのだ。
ハンジが頼むお使いにはいろんなものがあるが、今日は兵舎へ客人を招いた時に出す茶菓子を兵団御用達の店でいくつか見繕ってくるようにお願いした。
そして、なまえはハンジの期待通りに、渡した金額よりもだいぶ多めの茶菓子、さらに紅茶まで手に入れて帰ってきた。
ニヤニヤが止まらずにいるハンジに、ペトラは小さくため息を吐いた。
「ん?どうかした?」
「そのあと、壁外任務に出る前のミケさん達と一緒にお話しされてましたよね。」
「あー、そうだったかな。」
やけに今日の自分の行動について確認をされるな、と思いながらもハンジは答えた。
あれはちょうどなまえが兵舎に戻ってきたときだった。
壁外任務の準備を終えて出かけようとしていたミケとナナバ、ゲルガーが声をかけてきたのだ。
お使いに行くとき、なまえには私服で行くようにお願いしている。
どうしても制服で店に行くと構えられてしまう。兵士というのは敬遠されがちなのだ。
ミケとナナバ、ゲルガーはなまえの私服姿を見るのが初めてで、任務前だというのに思わず声をかけてしまったようだった。
「ゲルガーはまだしも、ミケが女性に綺麗だとか言ってるのは面白…
意外だったなぁ。
まぁ、私から見てもなまえの白いワンピース姿は可愛いからね。」
だからなまえをお使いにやるのだ。
あのときナナバが言ったように、白いワンピース姿のなまえは天使のようで、調査兵と知っている自分達が見ても兵士だとは思えない。
店主が鼻の下を伸ばしてオマケをつけまくるのも仕方がない。
「それなんです。」
「それ?」
困った顔をするペトラは、自分達がなまえと離れた後に起こった出来事について教えてくれたー。
大々的な壁外調査以外にも、拠点の設置等の短時間の壁外任務も担っていて、それなりに忙しい。
だが、毎日のように壁外に出ているわけでもないので、壁内にいるときは訓練に励むか書類業務をしていることが多い。
他兵団の雑務を押し付けられることもよくある。
今日のハンジは、よくある雑務に忙しくしていた。
第57回壁外調査の班決めをしたいのだが―。
早く終わらせたい一心でペンを走らせていると、扉をノックされた。
ハンジの部屋に来る人物なんて限られている。
エルヴィンならば呼び出しがかかるから、モブリットか、リヴァイか。壁外任務を終わらせたミケかもしれない。
中に入るように促すと、扉を開けたのは意外な人物だった。
「どうしたんだい。明日からのお泊りの準備で忙しいんじゃないかい?」
緊張気味に部屋に入ってきたのはペトラだった。
兵法会議でエレン・イェーガーの管理が調査兵団に決まってから、諸々の準備等もようやくひと段落ついた。
エレン・イェーガーを新たなメンバーに迎えたリヴァイ班は、明日から旧調査兵団本部に向かうことになっている。
巨人化出来るエレンを安全に管理するためには、内門の中も含め、住人がまだ多数いるトロスト区の兵舎に部屋を用意してやるわけにはいかなかったのだ。
「今、エルド達がエレン・イェーガーに説明をしてくれています。」
「そう。それで、君は私に何か用かな?」
「あの…、なまえのことなのですが…。」
「なまえかい?」
歯切れ悪く出てきた異例の新兵の名前に、ハンジは首を傾げる。
なまえは、所属するハンジの分隊以外に、リヴァイ班との関わりもある。むしろ、今は訓練や壁外演習はリヴァイ班と行っているから、彼らとの付き合いの方が深いくらいだ。
だが、だからといって、自分達が留守にする間よろしく、なんて言いに来るとも思えない。
「午前中、一緒にいらっしゃいましたよね?」
「え?あ~、いたよ。お使いを頼んでいてね。
なまえを使いに出すと、店主が機嫌が良くなるんだ。
値引きやオマケをしてくれるから助かるんだよね~。」
ハンジは、午前中の光景を思い浮かべた。
リヴァイ班は旧調査兵団本部への移動の準備で忙しく、ナナバとゲルガーは壁外任務の予定があった。
だから、なまえにはお使いを頼んだのだ。
ハンジが頼むお使いにはいろんなものがあるが、今日は兵舎へ客人を招いた時に出す茶菓子を兵団御用達の店でいくつか見繕ってくるようにお願いした。
そして、なまえはハンジの期待通りに、渡した金額よりもだいぶ多めの茶菓子、さらに紅茶まで手に入れて帰ってきた。
ニヤニヤが止まらずにいるハンジに、ペトラは小さくため息を吐いた。
「ん?どうかした?」
「そのあと、壁外任務に出る前のミケさん達と一緒にお話しされてましたよね。」
「あー、そうだったかな。」
やけに今日の自分の行動について確認をされるな、と思いながらもハンジは答えた。
あれはちょうどなまえが兵舎に戻ってきたときだった。
壁外任務の準備を終えて出かけようとしていたミケとナナバ、ゲルガーが声をかけてきたのだ。
お使いに行くとき、なまえには私服で行くようにお願いしている。
どうしても制服で店に行くと構えられてしまう。兵士というのは敬遠されがちなのだ。
ミケとナナバ、ゲルガーはなまえの私服姿を見るのが初めてで、任務前だというのに思わず声をかけてしまったようだった。
「ゲルガーはまだしも、ミケが女性に綺麗だとか言ってるのは面白…
意外だったなぁ。
まぁ、私から見てもなまえの白いワンピース姿は可愛いからね。」
だからなまえをお使いにやるのだ。
あのときナナバが言ったように、白いワンピース姿のなまえは天使のようで、調査兵と知っている自分達が見ても兵士だとは思えない。
店主が鼻の下を伸ばしてオマケをつけまくるのも仕方がない。
「それなんです。」
「それ?」
困った顔をするペトラは、自分達がなまえと離れた後に起こった出来事について教えてくれたー。