◇第十八話◇2人の見た夢
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宴もたけなわー。
いい感じを遠に通り過ぎてしまった酔っ払い兵士達は、酔い潰れてテーブルに突っ伏しているか、悪酔いして騒いでいるかが大半を占めていた。
「巨人を…!巨人を私に…!!実験がしたぁぁぁぁぁああいっ!!」
さっきからずっと耳元で奇行種が叫んでいて、鼓膜が破れそうだ。
モブリットさんらハンジ班の面々が、奇行種こと自らの上官であるハンジ分隊長を必死に落ち着かせようとしている。
だが、奇行種あるあるの予想外の動きによって、今まさに顔面パンチを食らったモブリットさんが涙目になっている。
「というわけで、私は長距離索敵の陣形の弱点をー。」
斜め前からは聞いてるだけで眠たくなるような戦術論が延々と繰り返されている。
私に話しているわけではないのだけれど、次第に大きくなっていった声は、今では店中に響くほどになっていて、聞かないようにする方が難しかった。
このままでは、今夜は夢の中でも戦術論を説かれそうで、とてもツラい。
どうせ聞いてはくれない、と長年の付き合いで自然と身に着いたのか、エルヴィン団長が延々と戦術論を説いている相手は、隣に座るリヴァイ兵長ではなく、反対隣に座るエルドとグンタだった。
だが、残念ながら、彼らはもう1時間ほど前に夢の世界へと旅立っている。
「うぉ~い!おれっさまをだれだとおもっー。」
「うるさーーいっ!」
エルドの隣で夢の世界へ入っているペトラが、酔っ払いオルオを叱ったのはもうさすがとしか言いようがない。
そういえば、ペトラとオルオが始めた兵長への愛情の大きさを賭けた飲み比べは、どちらが勝ったのだろう。
オルオが振り回している瓶は、お酒ではなくてお冷だ。
この様子だと勝負はつかなかったのかもしれない。
「お…、おもい…。私はここで…、巨人に潰されて死ぬ、のか…。」
ナナバさんは、楽しいはずのお酒の席で巨人に潰されて死ぬという悪い夢を見ているらしい。
でも、現実はもっと残酷だ。
ナナバさんを圧死させようとしているのは、直属の上官であるミケ分隊長だ。
私は、あの人がお酒を呑んでいる姿を見ていない。
だが、気づくと、酔い潰れて寝ていたナナバさんの上で気持ちよさそうに眠っていた。
相棒の命の危機に気づいていないはずがないゲルガーさんは、その隣で幸せそうにお酒を呑んでいる。
助ける気はないらしい。
個性豊かな面々が集まったとエルヴィン団長が最初に言っていたけれど、それにしても個性が爆発しすぎな人達だ。
でも、このお酒の席の上で、ひときわ異彩を放ち、そして、誰よりも信じられないのは、リヴァイ兵長だ。
隣に座る五月蠅い上官の声から逃れるために耳の機能を完全に休止しただけではあきたらず、本の世界に逃げ込んだ。
なんと、リヴァイ兵長は、私の歓迎会に来て、優雅に紅茶を飲みながら読書を楽しんでいらっしゃるのだ。
誰が信じられるだろうか。
歓迎会だと分かっていて、お酒を呑む席だと分かっていて、リヴァイ兵長は本を持参していたということだ。
あの男は、この店に足を踏み入れるときから、いや、兵舎を出るときから、そう、初めから、本を読むつもりだったのだ。
私の歓迎会なのにー!
「そろそろお開きにするかの。」
女と酒が好きだと公言するピクシス司令は、いくら飲んでも変わらない。
彼の言葉で、ようやくこの醜態は収束を迎えられそうだ。
「お前がな!!お前がイアンとミタビを殺したんだ!!!!
うわぁぁぁぁぁあああんっ!!イアンんんんんっっ!!!!」
猛烈な絡み酒のリコさんは、泣き上戸でもあるようだ。
最初に自分で言った通り、誰よりも無礼講を振りかざしていた。
「そろそろ…、お開きにするかの…。」
ピクシス司令を涙目に出来るのはきっと、リコさんだけだ。
いい感じを遠に通り過ぎてしまった酔っ払い兵士達は、酔い潰れてテーブルに突っ伏しているか、悪酔いして騒いでいるかが大半を占めていた。
「巨人を…!巨人を私に…!!実験がしたぁぁぁぁぁああいっ!!」
さっきからずっと耳元で奇行種が叫んでいて、鼓膜が破れそうだ。
モブリットさんらハンジ班の面々が、奇行種こと自らの上官であるハンジ分隊長を必死に落ち着かせようとしている。
だが、奇行種あるあるの予想外の動きによって、今まさに顔面パンチを食らったモブリットさんが涙目になっている。
「というわけで、私は長距離索敵の陣形の弱点をー。」
斜め前からは聞いてるだけで眠たくなるような戦術論が延々と繰り返されている。
私に話しているわけではないのだけれど、次第に大きくなっていった声は、今では店中に響くほどになっていて、聞かないようにする方が難しかった。
このままでは、今夜は夢の中でも戦術論を説かれそうで、とてもツラい。
どうせ聞いてはくれない、と長年の付き合いで自然と身に着いたのか、エルヴィン団長が延々と戦術論を説いている相手は、隣に座るリヴァイ兵長ではなく、反対隣に座るエルドとグンタだった。
だが、残念ながら、彼らはもう1時間ほど前に夢の世界へと旅立っている。
「うぉ~い!おれっさまをだれだとおもっー。」
「うるさーーいっ!」
エルドの隣で夢の世界へ入っているペトラが、酔っ払いオルオを叱ったのはもうさすがとしか言いようがない。
そういえば、ペトラとオルオが始めた兵長への愛情の大きさを賭けた飲み比べは、どちらが勝ったのだろう。
オルオが振り回している瓶は、お酒ではなくてお冷だ。
この様子だと勝負はつかなかったのかもしれない。
「お…、おもい…。私はここで…、巨人に潰されて死ぬ、のか…。」
ナナバさんは、楽しいはずのお酒の席で巨人に潰されて死ぬという悪い夢を見ているらしい。
でも、現実はもっと残酷だ。
ナナバさんを圧死させようとしているのは、直属の上官であるミケ分隊長だ。
私は、あの人がお酒を呑んでいる姿を見ていない。
だが、気づくと、酔い潰れて寝ていたナナバさんの上で気持ちよさそうに眠っていた。
相棒の命の危機に気づいていないはずがないゲルガーさんは、その隣で幸せそうにお酒を呑んでいる。
助ける気はないらしい。
個性豊かな面々が集まったとエルヴィン団長が最初に言っていたけれど、それにしても個性が爆発しすぎな人達だ。
でも、このお酒の席の上で、ひときわ異彩を放ち、そして、誰よりも信じられないのは、リヴァイ兵長だ。
隣に座る五月蠅い上官の声から逃れるために耳の機能を完全に休止しただけではあきたらず、本の世界に逃げ込んだ。
なんと、リヴァイ兵長は、私の歓迎会に来て、優雅に紅茶を飲みながら読書を楽しんでいらっしゃるのだ。
誰が信じられるだろうか。
歓迎会だと分かっていて、お酒を呑む席だと分かっていて、リヴァイ兵長は本を持参していたということだ。
あの男は、この店に足を踏み入れるときから、いや、兵舎を出るときから、そう、初めから、本を読むつもりだったのだ。
私の歓迎会なのにー!
「そろそろお開きにするかの。」
女と酒が好きだと公言するピクシス司令は、いくら飲んでも変わらない。
彼の言葉で、ようやくこの醜態は収束を迎えられそうだ。
「お前がな!!お前がイアンとミタビを殺したんだ!!!!
うわぁぁぁぁぁあああんっ!!イアンんんんんっっ!!!!」
猛烈な絡み酒のリコさんは、泣き上戸でもあるようだ。
最初に自分で言った通り、誰よりも無礼講を振りかざしていた。
「そろそろ…、お開きにするかの…。」
ピクシス司令を涙目に出来るのはきっと、リコさんだけだ。