◇第百五十九話◇運命の日が、始まる
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シガンシナ区決戦当日、日没前。
兵団マントを羽織ったところで、リヴァイ兵長が部屋に入ってきた。
「準備できたか。」
「はい、今終わったところです。」
「じゃあ、行くぞ。」
リヴァイ兵長に続いて部屋を出れば、緊張した面持ちの調査兵達が廊下を通り過ぎていった。
昨日の楽しい雰囲気が嘘だったみたいに、今日の兵舎は緊張感でピリピリとしていた。
リヴァイ兵長でさえもー。
「いよいよだな。」
「あぁ。」
ちょうどミケ分隊長も部屋を出てきたところだったようだった。
リヴァイ兵長に声をかけたミケ分隊長と、3人で一緒に歩き出す。
「なまえ、ちゃんとマントは、新しいものに変えたんだな。
諦めてくれてよかった。」
ミケ分隊長が、私のマントを見て安心したように頷く。
数日前までは、右下にあったはずのルルの紋章はもうない。
本当は凄く嫌だった。
私の背中にはルルにいて欲しかった。
でも、ウォール・マリア奪還作戦の内容を遂行するためにも、私が私だとバレてしまうような兵団マントはどうしても認めてもらえなかった。
私のマントの特徴をライナーとベルトルトが知っていることも分かっている。
だから、被験体を殺すときに、兵団マントを偽装して私を犯人に仕立て上げようとしたことも忘れてはいない。
だからー。
「舐めてもらっちゃ、困りますよ。」
自慢気に、私は自分のジャケットの胸元をミケ分隊長に見せた。
不思議そうに覗き込むように大きな身体を少し屈めたミケ分隊長は、胸元の自由の翼の紋章の隣にもうひとつ自由の翼の紋章を見つけて、目を見開いた。
そして、そのあと、すぐに苦笑を浮かべた。
「さすがだな。」
「またミカサにお願いしてつけてもらったんです。
提案してくれたのは、リヴァイ兵長なんですよ。」
「へぇ…。なまえのためなら、そんな粋な案も出してやれるんだな、リヴァイ。」
「うるせぇ。何言ってもきかねぇから、代替え案を出してやっただけだ。」
「ところで、ミケ分隊長だって、その手の甲についてる絆創膏はなんですか?
昨日は怪我なんてしてなかったのに。」
「…かすり傷だ。」
「へぇ。」
やましいものを見られた男の子みたいに、ミケ分隊長は左手の甲を右手で隠すから、私はクスクスと笑ってしまう。
「必ず、ウォール・マリア奪還しましょう!」
誰かが泣くことは分かっていた。
それでも、笑ってそう言えば、リヴァイ兵長もミケ分隊長も頷いてくれた。
私達が見ている未来はたったひとつー。
手に入れたいのは、自由と明日の幸せ。
兵団マントを羽織ったところで、リヴァイ兵長が部屋に入ってきた。
「準備できたか。」
「はい、今終わったところです。」
「じゃあ、行くぞ。」
リヴァイ兵長に続いて部屋を出れば、緊張した面持ちの調査兵達が廊下を通り過ぎていった。
昨日の楽しい雰囲気が嘘だったみたいに、今日の兵舎は緊張感でピリピリとしていた。
リヴァイ兵長でさえもー。
「いよいよだな。」
「あぁ。」
ちょうどミケ分隊長も部屋を出てきたところだったようだった。
リヴァイ兵長に声をかけたミケ分隊長と、3人で一緒に歩き出す。
「なまえ、ちゃんとマントは、新しいものに変えたんだな。
諦めてくれてよかった。」
ミケ分隊長が、私のマントを見て安心したように頷く。
数日前までは、右下にあったはずのルルの紋章はもうない。
本当は凄く嫌だった。
私の背中にはルルにいて欲しかった。
でも、ウォール・マリア奪還作戦の内容を遂行するためにも、私が私だとバレてしまうような兵団マントはどうしても認めてもらえなかった。
私のマントの特徴をライナーとベルトルトが知っていることも分かっている。
だから、被験体を殺すときに、兵団マントを偽装して私を犯人に仕立て上げようとしたことも忘れてはいない。
だからー。
「舐めてもらっちゃ、困りますよ。」
自慢気に、私は自分のジャケットの胸元をミケ分隊長に見せた。
不思議そうに覗き込むように大きな身体を少し屈めたミケ分隊長は、胸元の自由の翼の紋章の隣にもうひとつ自由の翼の紋章を見つけて、目を見開いた。
そして、そのあと、すぐに苦笑を浮かべた。
「さすがだな。」
「またミカサにお願いしてつけてもらったんです。
提案してくれたのは、リヴァイ兵長なんですよ。」
「へぇ…。なまえのためなら、そんな粋な案も出してやれるんだな、リヴァイ。」
「うるせぇ。何言ってもきかねぇから、代替え案を出してやっただけだ。」
「ところで、ミケ分隊長だって、その手の甲についてる絆創膏はなんですか?
昨日は怪我なんてしてなかったのに。」
「…かすり傷だ。」
「へぇ。」
やましいものを見られた男の子みたいに、ミケ分隊長は左手の甲を右手で隠すから、私はクスクスと笑ってしまう。
「必ず、ウォール・マリア奪還しましょう!」
誰かが泣くことは分かっていた。
それでも、笑ってそう言えば、リヴァイ兵長もミケ分隊長も頷いてくれた。
私達が見ている未来はたったひとつー。
手に入れたいのは、自由と明日の幸せ。