◇第百五十三話◇苦難を、幸せと呼んだから
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数日後、トロスト区に戻った私は、墓地に来ていた。
広い敷地の中にいくつも並んだ墓石。
その中のほとんどが、巨人によって奪われた人達のためのものだった。
「すまなかった。」
私がニファの墓石に触れると、リヴァイ兵長が謝った。
迎えに来た両親に私が連れて行かれてから、調査兵団に何があったのかは、リヴァイ兵長が全て教えてくれた。
今までは、私が傷つくだろうからと隠していたようなことも全てー。
それが、調査兵団に入団してからずっと一緒に切磋琢磨して、初めて会ったときからいつだって私の味方でいてくれたハンジ班のみんなの壮絶な死だとしてもー。
だって、そのおかげで、私達は彼らの勇敢な戦いの最後の瞬間までを胸に刻める。
彼らの無念を晴らそうと、強く戦えるのだ。
「リヴァイ兵長が謝ることじゃありません。」
私は、ニファの墓石を撫でながら言う。
そっと目を閉じれば、彼らとの思い出が鮮やかに蘇ってくる。
異例の新兵として調査兵団にやってきた私を班のメンバーとして受け入れてくれた彼ら。
きっと本当は心の中でそれぞれ葛藤があったはずだ。
それでも、それをおくびにも出さずに、仲間として接してくれた。
厳しい壁外任務では、私に生きて帰れる術を身につけさせてくれた。
一緒に協力して巨人を討伐して、何度だって助けてもらった。
調査兵達に受け入れてもらえずにひとりぼっちだったとき、ルルを失ったとき、リヴァイ兵長が兵団を去ってしまうかもしれなかったとき、ツラいことがあったとき、無条件で味方でいてくれた。
本当はー。
本当はどうして、彼らのそばに自分はいなかったのだろうと思わずにはいられない。
あのとき、両親が迎えに来なければ、リヴァイ兵長が手を放さなければー。
でも、全ては結果論で、もしかしたら、そのおかげで今、私が生きているのかもしれない。
だからー。
「死んだ人達には、また会えるんです。何度だって、何度だって、私達はやり直せる。」
「あぁ、そうだったな。」
「次にニファ達と再会するとき、この世界が少しでも美しくなっているように、精一杯戦います。
間違いを正して、何度だってやり直した記憶はきっと、残ると思うんです。
そうすれば、こんな悲しい別れはないかもしれない。ううん、絶対そんなことさせない。」
リヴァイ兵長は、私の手を握った。
痺れるくらいの痛みはきっと、彼の心の痛み。
目の前で仲間を奪われたリヴァイ兵長はきっと、誰よりも自分を責めている。
誰も、彼を責めていないのに。
ニファ達だって、責めてなんかいないのにー。
「また会いましょうね。それまで、ゆっくりやすんでください。」
私とリヴァイ兵長は手を繋ぎ合って、兵舎へと戻る。
後ろから、またね、ってニファ達の声がした気がしたー。
広い敷地の中にいくつも並んだ墓石。
その中のほとんどが、巨人によって奪われた人達のためのものだった。
「すまなかった。」
私がニファの墓石に触れると、リヴァイ兵長が謝った。
迎えに来た両親に私が連れて行かれてから、調査兵団に何があったのかは、リヴァイ兵長が全て教えてくれた。
今までは、私が傷つくだろうからと隠していたようなことも全てー。
それが、調査兵団に入団してからずっと一緒に切磋琢磨して、初めて会ったときからいつだって私の味方でいてくれたハンジ班のみんなの壮絶な死だとしてもー。
だって、そのおかげで、私達は彼らの勇敢な戦いの最後の瞬間までを胸に刻める。
彼らの無念を晴らそうと、強く戦えるのだ。
「リヴァイ兵長が謝ることじゃありません。」
私は、ニファの墓石を撫でながら言う。
そっと目を閉じれば、彼らとの思い出が鮮やかに蘇ってくる。
異例の新兵として調査兵団にやってきた私を班のメンバーとして受け入れてくれた彼ら。
きっと本当は心の中でそれぞれ葛藤があったはずだ。
それでも、それをおくびにも出さずに、仲間として接してくれた。
厳しい壁外任務では、私に生きて帰れる術を身につけさせてくれた。
一緒に協力して巨人を討伐して、何度だって助けてもらった。
調査兵達に受け入れてもらえずにひとりぼっちだったとき、ルルを失ったとき、リヴァイ兵長が兵団を去ってしまうかもしれなかったとき、ツラいことがあったとき、無条件で味方でいてくれた。
本当はー。
本当はどうして、彼らのそばに自分はいなかったのだろうと思わずにはいられない。
あのとき、両親が迎えに来なければ、リヴァイ兵長が手を放さなければー。
でも、全ては結果論で、もしかしたら、そのおかげで今、私が生きているのかもしれない。
だからー。
「死んだ人達には、また会えるんです。何度だって、何度だって、私達はやり直せる。」
「あぁ、そうだったな。」
「次にニファ達と再会するとき、この世界が少しでも美しくなっているように、精一杯戦います。
間違いを正して、何度だってやり直した記憶はきっと、残ると思うんです。
そうすれば、こんな悲しい別れはないかもしれない。ううん、絶対そんなことさせない。」
リヴァイ兵長は、私の手を握った。
痺れるくらいの痛みはきっと、彼の心の痛み。
目の前で仲間を奪われたリヴァイ兵長はきっと、誰よりも自分を責めている。
誰も、彼を責めていないのに。
ニファ達だって、責めてなんかいないのにー。
「また会いましょうね。それまで、ゆっくりやすんでください。」
私とリヴァイ兵長は手を繋ぎ合って、兵舎へと戻る。
後ろから、またね、ってニファ達の声がした気がしたー。