◇第十話◇初めての独りぼっちの夜
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相も変わらず、私は窓の外を眺めている。
いつもと違うのは、ここが見慣れてきた親戚の家ではなく、もう二度と、窓の外の景色が私の知っている日常を映してもくれないということだ。
そもそも、夜が更けたこんな時間には、調査兵団の兵舎でなくても真っ暗であることに変わりはないけれど。
小さくため息をついて、薄っぺらい布団が敷かれただけの堅いベッドに背中から倒れこむ。
ギシッと軋んだ音がした。
『調査兵団に入団するのなら、君とは結婚できない。』
昨日の夜、会いたいという私の手紙を受け取ったルーカスは、とても嬉しそうな顔でやってきて、ハンジさんのシナリオ通りの話を聞いて真っ青になった。
そして、何度目かの説得の後、私が調査兵団への入団を辞退しないことを悟ると、結婚を破談にするしかないと判断した。
分かっていた。何度も想像していたし、覚悟もしていた。
でも、もしかしたら、それでも構わないと言ってくれるんじゃないかって。
愛してるっていつもみたいに抱きしめてくれるんじゃないかって―。
「好き…、だったんだなぁ…。」
肘を両目の上にのせて、これ以上、涙が流れ落ちるのをなんとか止めようとするけれど、無理そうだ。
頬を流れ落ちる涙は、チェーンを通してネックレスにした指輪よりも、彼への愛を証明していた。
ズキズキと痛む胸が憎らしい。
ルーカスの優しい微笑みやイケメンのくせに少し抜けてるところとか、少し天然な発言とか、頬に触れた手の温もりとか、そんなことを今さら思い出す頭が腹立たしい。
ルーカスの愛を失ったことだけが、この涙の理由だとは言い切れない自分も、嫌いだ。
明日からは、兵士になろう。
本当はなりたくないけど、家族のもとへ走って泣きつきたいけど、兵士になろう。
明日になれば―。
いつもと違うのは、ここが見慣れてきた親戚の家ではなく、もう二度と、窓の外の景色が私の知っている日常を映してもくれないということだ。
そもそも、夜が更けたこんな時間には、調査兵団の兵舎でなくても真っ暗であることに変わりはないけれど。
小さくため息をついて、薄っぺらい布団が敷かれただけの堅いベッドに背中から倒れこむ。
ギシッと軋んだ音がした。
『調査兵団に入団するのなら、君とは結婚できない。』
昨日の夜、会いたいという私の手紙を受け取ったルーカスは、とても嬉しそうな顔でやってきて、ハンジさんのシナリオ通りの話を聞いて真っ青になった。
そして、何度目かの説得の後、私が調査兵団への入団を辞退しないことを悟ると、結婚を破談にするしかないと判断した。
分かっていた。何度も想像していたし、覚悟もしていた。
でも、もしかしたら、それでも構わないと言ってくれるんじゃないかって。
愛してるっていつもみたいに抱きしめてくれるんじゃないかって―。
「好き…、だったんだなぁ…。」
肘を両目の上にのせて、これ以上、涙が流れ落ちるのをなんとか止めようとするけれど、無理そうだ。
頬を流れ落ちる涙は、チェーンを通してネックレスにした指輪よりも、彼への愛を証明していた。
ズキズキと痛む胸が憎らしい。
ルーカスの優しい微笑みやイケメンのくせに少し抜けてるところとか、少し天然な発言とか、頬に触れた手の温もりとか、そんなことを今さら思い出す頭が腹立たしい。
ルーカスの愛を失ったことだけが、この涙の理由だとは言い切れない自分も、嫌いだ。
明日からは、兵士になろう。
本当はなりたくないけど、家族のもとへ走って泣きつきたいけど、兵士になろう。
明日になれば―。