◇第百四話◇愛してるなら信じて
Name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
リヴァイ兵長がクソと呼んだ会議に、ハンジさんの指示で私も参加させられてから、数日が経った。
昨日、私は初めて、リヴァイ兵長の執務室兼自室に泊まった。
骨が元に戻ってはいないから、身体を重ねたわけではないけれど、それでもキツく、キツく、まるで身体をひとつにしようとしているみたいに、離したくないと訴えるように抱きしめるリヴァイ兵長の腕の力が、強くて、痛くて、胸が苦しかった。
カーテンの隙間から差し込む太陽の光を、私を抱きしめるリヴァイ兵長の身体が隠す。
でも、鳥のさえずりや明るくなった部屋が、私の瞼を押し上げた。
来なければいいのにー。
私もリヴァイ兵長もそう願った今日が、ついにやってきてしまったようだ。
私は今日、特に精鋭だけが集められたというとても危険な任務を遂行するために、巨人の住む世界へ向かう。
リヴァイ兵長を残してー。
「まだ寝とけ。」
いつもなら早く起きろと言うくせに、リヴァイ兵長は私の目を手で隠して、起きようとする瞼を無理やり下ろそうとする。
あの会議で、私は壁外任務に参加することが決まった。
以前中止となった巨大樹の森での壁外任務が、もう一度計画されたのだ。
ミケ分隊長率いる分隊の精鋭たちと一緒に、私もその壁外任務に参加する。
『俺の目の届かねぇ場所になまえを出すのは許さねぇ。』
会議中、リヴァイ兵長は頑なに反対し続けていた。
でも、調査兵団に身を置いている兵士である以上、上官から指示が出れば、私は壁外に出る。
それが、特に精鋭だけを選んだというとても危険な任務だろうが。ルルを失ったあの巨大樹の森が相手だろうがー。
「そろそろ起きて、準備しないといけませんから。」
「行かなくていい。」
私の目を隠すリヴァイ兵長の手に触れようとして、すぐに捕まえられる。
そして、絶対に行かさないーとばかりに強く抱きしめられた。
私を守ろうとしているのも、私を想ってくれているのも、力強い腕が教えてくれる。
そして、リヴァイ兵長が不安に襲われているのだということもー。
「大丈夫ですよ。私は絶対に生きて帰ってきますから。」
「壁外に、絶対、なんてもんは存在しねぇ。
隣にいるやつが…明日も隣にいるのかなんて、誰にも分らねぇ。」
「私にはわかります。
リヴァイ兵長が望む限り、私はずっと、リヴァイ兵長の隣にいますよ。」
「じゃあ、行くな。明日も隣で寝ろ。」
「そういうことじゃないんです…。」
「ダメだ。」
会議室では、納得したフリをしただけだったのかもしれない。
リヴァイ兵長は、絶対に私を離さない気だ。
だからきっと、昨日の夜、私をこの部屋に呼び出して、そのまま強引に泊まらせたのだろう。
でも、私も、昨日はずっと一緒にいたくて、リヴァイ兵長の腕の強さに甘えた。
「リヴァイ兵長、愛してます。」
「…知ってる。」
「リヴァイ兵長は?言ってくれないんですか?」
「…愛してる。お前より、ずっと。」
「それならー。」
そっと、身体を離して、リヴァイ兵長の頬に触れる。
きっと、どんなに足掻いたところで、私が壁外へ行くことはリヴァイ兵長も分かっているのだろう。
何といっても、彼は調査兵団のナンバー2である兵士長なのだ。
だから、調査兵が任務を放棄することができないことも、壁外が危険に満ちていることも、誰よりも理解している。
そして、それが、リヴァイ兵長を不安そうな表情にして、瞳の奥に恐怖を揺らしているということを、私も理解してる。
「信じてください。」
優しく頬を撫でれば、怯えるようにリヴァイ兵長の肩が震えた。
そして、肯定の返事の代わりに唇が落ちて来る。
行くなー。
言えない代わりに、唇に乗せて必死に訴えるリヴァイ兵長の悲痛な叫びを、私は聞いてあげられない。
でも、約束なら必ず守るからー。
私も、きつく抱きしめ返す。
あぁ、このまま、身体がひとつに溶け合ってしまえばいいのにー。
そう思っているのは、貴方だけじゃないのだと知ってほしくてー。
昨日、私は初めて、リヴァイ兵長の執務室兼自室に泊まった。
骨が元に戻ってはいないから、身体を重ねたわけではないけれど、それでもキツく、キツく、まるで身体をひとつにしようとしているみたいに、離したくないと訴えるように抱きしめるリヴァイ兵長の腕の力が、強くて、痛くて、胸が苦しかった。
カーテンの隙間から差し込む太陽の光を、私を抱きしめるリヴァイ兵長の身体が隠す。
でも、鳥のさえずりや明るくなった部屋が、私の瞼を押し上げた。
来なければいいのにー。
私もリヴァイ兵長もそう願った今日が、ついにやってきてしまったようだ。
私は今日、特に精鋭だけが集められたというとても危険な任務を遂行するために、巨人の住む世界へ向かう。
リヴァイ兵長を残してー。
「まだ寝とけ。」
いつもなら早く起きろと言うくせに、リヴァイ兵長は私の目を手で隠して、起きようとする瞼を無理やり下ろそうとする。
あの会議で、私は壁外任務に参加することが決まった。
以前中止となった巨大樹の森での壁外任務が、もう一度計画されたのだ。
ミケ分隊長率いる分隊の精鋭たちと一緒に、私もその壁外任務に参加する。
『俺の目の届かねぇ場所になまえを出すのは許さねぇ。』
会議中、リヴァイ兵長は頑なに反対し続けていた。
でも、調査兵団に身を置いている兵士である以上、上官から指示が出れば、私は壁外に出る。
それが、特に精鋭だけを選んだというとても危険な任務だろうが。ルルを失ったあの巨大樹の森が相手だろうがー。
「そろそろ起きて、準備しないといけませんから。」
「行かなくていい。」
私の目を隠すリヴァイ兵長の手に触れようとして、すぐに捕まえられる。
そして、絶対に行かさないーとばかりに強く抱きしめられた。
私を守ろうとしているのも、私を想ってくれているのも、力強い腕が教えてくれる。
そして、リヴァイ兵長が不安に襲われているのだということもー。
「大丈夫ですよ。私は絶対に生きて帰ってきますから。」
「壁外に、絶対、なんてもんは存在しねぇ。
隣にいるやつが…明日も隣にいるのかなんて、誰にも分らねぇ。」
「私にはわかります。
リヴァイ兵長が望む限り、私はずっと、リヴァイ兵長の隣にいますよ。」
「じゃあ、行くな。明日も隣で寝ろ。」
「そういうことじゃないんです…。」
「ダメだ。」
会議室では、納得したフリをしただけだったのかもしれない。
リヴァイ兵長は、絶対に私を離さない気だ。
だからきっと、昨日の夜、私をこの部屋に呼び出して、そのまま強引に泊まらせたのだろう。
でも、私も、昨日はずっと一緒にいたくて、リヴァイ兵長の腕の強さに甘えた。
「リヴァイ兵長、愛してます。」
「…知ってる。」
「リヴァイ兵長は?言ってくれないんですか?」
「…愛してる。お前より、ずっと。」
「それならー。」
そっと、身体を離して、リヴァイ兵長の頬に触れる。
きっと、どんなに足掻いたところで、私が壁外へ行くことはリヴァイ兵長も分かっているのだろう。
何といっても、彼は調査兵団のナンバー2である兵士長なのだ。
だから、調査兵が任務を放棄することができないことも、壁外が危険に満ちていることも、誰よりも理解している。
そして、それが、リヴァイ兵長を不安そうな表情にして、瞳の奥に恐怖を揺らしているということを、私も理解してる。
「信じてください。」
優しく頬を撫でれば、怯えるようにリヴァイ兵長の肩が震えた。
そして、肯定の返事の代わりに唇が落ちて来る。
行くなー。
言えない代わりに、唇に乗せて必死に訴えるリヴァイ兵長の悲痛な叫びを、私は聞いてあげられない。
でも、約束なら必ず守るからー。
私も、きつく抱きしめ返す。
あぁ、このまま、身体がひとつに溶け合ってしまえばいいのにー。
そう思っているのは、貴方だけじゃないのだと知ってほしくてー。