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ー2章ー

一息ついて外の街並みを眺めながらなにか遠くのものに語りかけるように言葉を吐き出す。

「実際には多分歳はとってるし、普通に急所を刺されりゃ……多分死ぬ。」
「……?訳が分からねぇっすよ。」

ふむ。と少し考え込んだかと思えば突然、右手を出してなにやら手をクルクルと回す。
するとパキパキと音を立て、手のひらから少し離れた空中に氷の塊がいくつもできあがる。

「氷遁使い……ってことは血継限界持ちって事ですか……?!」
「いや、血継限界とはまた別だな……そういう、固有の能力……みたいな?凍遁、とでも言っておこうか。」

説明しながらも手の内で氷を器用に操り、小さな鹿の氷像を作り出す。

「で、私がこの力を使えるようになったのが、14の時だ。その時からだよ。
突然私の時間が止まったかのように遅くなったのは。ちなみにソレ、師匠……つまり二代目火影である千手扉間様が就任する少し前の話。」

「そんなバカな。何十年前の話だよ?!」

あまりにも突拍子もない話に思わず声を上げる。
そんな事が有り得るのか、いや、何かしらの禁術で寿命を延命でもさせない限りそんな事はありえない。
あの大蛇丸でさえ、入れ物である肉体は数年に1度取り替えていたと聞く。

「別に、なにか禁忌を犯したわけじゃないよ。
突然変異ってところだ。氷の力を手にした瞬間、自分の体もコールドスリープに入ったような気分だった。
あの頃から肉体的には2、3歳ほどしか歳を重ねてないけど精神的な年齢は綱手より年上のババアだよ。」

タバコをもみ消しながらふぅ。とため息を着く彼女に自分で問いかけておいてなんて言葉を返せばいいか悩んだ挙句、

「なんつーか、女の人的には、羨ましがられる突然変異っすね。」

ひねり出した言葉がコレだった。

「そうでも無いさ。」

すかさず否定の言葉が飛んでくる。
その目の先にはもみ消した吸い殻しかないはずなのに、さらに奥のなにかを見つめてゆっくりとこちらに顔を向ける。
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