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ー2章ー

腹が減った、甘い物が食べたい。
という彼女のリクエストによりまずは甘味処をいくつか案内することになったわけだが。

俺がそんな所を詳しく知るわけがねぇ。

が、チョウジのおかげでいい店だけはいくつか目星が着いていた。まさかこんな形でチョウジに感謝する日が来るとは思わなかったぜ……。

「ここ、抹茶ぜんざいが美味いって評判らしいっす。」
「ほぅ。そりゃ興味深い。行こう。」

そそくさと店に入り人気商品と銘打たれてるものをいくつか注文する。

「しかし、奈良の坊主もこういう所に来るんだな。」

食べ物が届くまでの間にまたタバコに火をつけて俺の方をじっと見据える。
目線までもが異様に冷たい空気を放つ。
それよりも先ず、気になるのは先程から俺を呼ぶ時の言い方だ。
やけに壁が分厚く感じるその呼び方は、正直どうにかして欲しい。

やりづらくてしょうがねぇ。

「あの、いい加減その呼び方……何とかなんないっすか。」
「?……あぁ。そうか。そうだな。いつまでもこの呼び方では失礼か。
えっと…………シカマルだったか?」
「はい。いや、まぁ無理にとは言いませんけど……なんかこう、肩が凝るっていうか。」

柄にもなくしどろもどろする俺を見て#名前#は目を細めて小さく笑った。

「クククッ。そうだな。」

初めの印象をガラリと塗り替えるほど、優しげな空気を纏って笑う彼女に驚きを覚える。

「…………アンタも笑うんですね。」

口をついて出た言葉だった。
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