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ー1章ー

「悪いな、奈良の坊主。私も最後に里に来たのはもう16年近く前な上にその後すぐにまた里を出ているから……なに、報酬は私から直接なにか渡すとしよう。任務ということで一つ。頼まれてくれると有難い。」

相変わらず淡々と、話すと言うより言語を繋いでいるだけのような話し方にゾワゾワと謎の悪寒に苛まれる。
しかし、話の感じからして明らかに俺よりはかなり歳上の人間と来た。
こりゃ、断るなんて選択肢ははなっから与えて貰えねぇわけだ。

「はぁ……そんな畏まって言われちゃァ断れねぇじゃないっすか。」
「よし。ではシカマル。頼んだぞ。#名前#!里の案内が終わったらまたここへ来い。話がある。」
「へいへい。」

煙を口から吐き出しながら片手をピラピラと振り火影室を出ようとした#名前#をカカシ先生が一瞬引留める。

「#名前#、俺はまだアンタの事を……」

「カカシ。それ以上は口にするもんじゃねぇよ。」

短いやり取り。その短いやり取りの中で俺は何かを悟った。
頭の回転が早いってのはこういう時妙に色々と勘づいちまうっていう欠点もある。


「奈良の坊主、頼むぞ。とりあえず何か食べに行こう。腹が減った。」
「そっすね。」


俺はカカシ先生のことが若干気になりつつも朱雀の早く行くぞという圧に負け、その場を離れた。
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