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ー1章ー

「しかし、なんでまた急に戻ってきたんだ?」

カカシ先生の質問にほんの少しだけ、今まで微動打にしなかったヤツの空気が揺らいだ気がした。

また、一瞬の沈黙。そしてため息混じりに煙を吐き出すと
「…………三代目の報せを受けてな…随分と遅くなってしまったが…。」

伏し目がちにそう切り出した。

「……そうか。」

カカシ先生もまた一瞬動きが止まったが、声を絞り出して短く返事をした。先程から息が詰まりそうな空気が漂い続ける。

「すまなかったな。里の大事の時に、居てやれなくて。」

ポケットから取り出した小さな携帯灰皿のようなものでタバコの火をもみ消しながら先程とは打って変わった悲しげな声音に当時のことがフラッシュバックした。

場の空気を変えたい。

俺の今の第一の願いはそれだった。この重苦しい空気を何とかしてくれ……!
そんな願掛けが叶ったのかまた一気に元の淡々とした口調でソイツが話し始めた。

「ところで、こんな所でなにしてたんだ?」

ご最もだ。俺たちゃ火影室に向かっていたと言うのにこんな所で道草食ってる場合じゃあねぇ。

「あぁ。俺は火影様に呼び出され、シカマルは報告書を出しに来たもんでね。」
「ほぅ。じゃあ目的地は同じだな。行くぞ。」

クビをコキコキと鳴らしたかと思うとさっさと俺たちの前へ行き、火影室に先頭切って向かっていくソイツに俺は妙な感覚を覚えた。

とはいえ今はそんな事は二の次だ。
俺とカカシ先生も後を追うように火影室に向かった。
火影室の前に着くや否や、ソイツはノックもしないでまるで居酒屋にでも入るようなノリで部屋へと足を踏み入れる。

「よう。久しいな、綱手さんや。」

突然の来客に五代目は持っていた湯呑みを危うく落としかける。

「…………#名前#……#名前#じゃないか!なんだお前!戻ってきていたのか!今までどこをほっつき歩いていたんだ!」
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