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「凛、早く帰ってこないかなぁー…。」
空港の待合の椅子に座り、一人の少女がそう呟いた。
足をパタパタと動かし、しきりに到着口を気にしている。
「時期に帰ってくるさぁー。」
隣には彫りの深い少年が、同じく椅子に腰をかけていた。
隣の少女とは変わり、至極落ち着いている。
「はぁ〜…しからーさんやぁ…(寂しいなぁ)」
そう言ってポケットから取り出した携帯電話の待ち受けには金髪の少年と持ち主であるこの少女のツーショットが設定されていた。
「はぁ…もうこの2週間苦痛やったしー!」
「やー(お前)、部活中も上の空であのタコでーじ わじわじしてたさぁ(とてもイラついていたな)。」
「さいっこーに面白い顔やったさー!知念も見て笑ってたやっしー!」
「ざまぁねぇしやぁー。」
2人がわいわいと話していると、到着口から次々と人がでてきた。
少女は一目散に席を立ち、自分の想い人を探し始めた。
「おー!恵理ー!知念もー!」
人だかりの中から大きく手を振る人が見え、少女は思い切り手を振り返した。
「凛ーっ!おかえりー!」
そう言って、一目散に金髪の少年の元へと駆け寄り、ガバッと抱きついた。
うぉっと一瞬体勢を崩したが、がしっと恵理を受け止める。
後ろから、木手、甲斐と合宿へと出たメンバーが続いていた。
「二人とも、わざわざすみませんね。」
「あ、これお土産さー。」
知念は恵理の後ろからゆらりと現れ、甲斐が差し出したお土産を受け取った。
「にふぇーやいびーん(ありがとな)」
「気にすんなよー。」
「凛、合宿はどうやった?しごかれたんばー?」
恵理は数歩離れて、そう問いかけた。
その言葉に、甲斐はハッとして恵理に振り返った。
止めようと声をかけようとした…が、しかし、それより先に平古場が満面の笑みで恵理の問いかけに答えた。
「わん(俺)、いびしー(彼女)が出来たんやっしー!」
「…え?」
甲斐は思わず、あいひゃー…と一言呟いた。
恵理は平古場に好意を寄せていたが、平古場はまっったく気付いていなかった。
そして、この合宿で…彼には恋人ができていたのだ。
木手は気まずそうにメガネを押し上げる。
知念はお土産の箱を開けて、中身をひとつ口に入れている。
この凍りついた状況の中、平古場だけがニコニコと幸せそうに笑み浮かべていた。