幼なじみの特権
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どうやら、藍野はあの後宍戸の言っていた通り二度寝をしてしまったらしい。
お昼ご飯の前には目立たないように鳳の影に隠れていたが、当然跡部にはバレて大目玉をくらっていた。
彩夏はお昼を食べながら、ちらっと宍戸の姿を目で追いかけた。
その先には宍戸と藍野が並んで座っている。
どうやら先程の大目玉に対して不服をこぼしているらしい。
「作業には間に合ったんだしさ、あんなに怒らなくてもよくない?」
「跡部はリーダーなんだからそれくらい言わねぇと示しがつかねぇだろ。」
「まぁ…そうだけどさ……。」
食事をしながら愚痴をこぼしていたが、宍戸の正論にフォークを皿の上におき、ムスッとした表情で顔を宍戸から逸らして頬杖をつく。
「いいんだけどさ……わかるし。」
理解はできるけど納得はしていない、と言ったところか。
恐らくこれが世間一般でいう逆ギレというものだ。
「いつまで不貞腐れてんだよ。ったく…激ダサだぜ。」
「ダサくて悪かったですね!ばーか!もう何もしてやんないからね!」
「なんでそうなるんだよ!ったく…悪かったよ。ほら、お前の好きなおかず1つやるから機嫌直せって。」
「……お肉。」
宍戸はぷすっとお皿の上にあるお肉にフォークを刺し、恵理の口の前まで持っていく。
恵理もしばらくそっぽ向いていたが、それに気付くとぱくっとそのフォークに刺さったお肉にかぶりついた。
「ん〜〜っ!おいし〜!ありがと亮ちゃん!大好き!」
先程までの不機嫌さはどこへやら、恵理はすっかりにこやかな笑顔を取り戻していた。
彩夏は2人のやり取りの中で宍戸の表情を見ていた。
「(宍戸さん…すごく嬉しそう……)」
彩夏は食べ終わった食器を持って席を立った。