鳳ちょっと落ち着け、な?
あなたの名前を教えてください
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「長太郎、これお願いー。」
わたしは持っていた練習メニューの紙束を後ろにいる長太郎に手渡すために顔は振り返らず腕だけ後ろへと動かした。
「ありがとうございます、藍野さん」
お礼を言う長太郎の声が聞こえた瞬間、自分の手が温かい何かに握りしめられるのを感じた。
驚いて振り返ると、長太郎が私の手を握っていた。
「やめれ!!なんで私の手を握る必要がある?!」
わたしは慌てて自分の手を引き戻し、持っていたハンカチで入念に手を拭く。
なんかまだ生あたたかい感触が残ってる気がする。
「そりゃ、藍野さんへの愛情表現ですよ?」
「余計に気持ち悪いな?!頼むから触らないで?わかったわね?」
「ちぇっ…わかりましたよ……。」
じとっと長太郎を睨みつけると、彼は嬉しそうににこっと笑みを浮かべた。
「そんなに俺の事見つめて…藍野さんも俺の事そんなに好きなんですか?」
わたしは大きな、とても大きなため息をついた。
すごくない?このポジティブ。少しは見習いた…やっぱりいいや。
「あんたさ…わたしが亮ちゃんの事好きって知ってるよね?」
「はい。知ってますよ。」
「なのに、どーしてわたしがあんたを好きって言う発想に至れる訳なの?」
「んー……。」
長太郎は、顎に手を当てて少し考えるような仕草を見せる。
わたしはそれを冷ややかな目で見ている。
長太郎のこの行動に、特に意味は無いからだ。
少しして何かいいことでも思いついたのか、ニコッと笑顔になって、もう一度私を見下ろした。
「藍野さんはツンデレですから、宍戸さんはカモフラー「んなわけないだろ。」」
真面目に聞いてあげたわたしが馬鹿だった。
長太郎の鳩尾に軽く一撃お見舞いして、わたしはその場を離れる。
あいつにはこれも愛情表現に見えるんだろうか…こわっ。
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