ナイショのナイショ
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『おはよう、榛名君。』
『はよっ、本多。…早いな。』
『うん、学級委員だからね。あ、そういえば…榛名君もバイトするの?』
『バイトぉ?』
『あれ?恵理ちゃんから聞いてない?恵理ちゃん、バイトするって言ってたんだけど…。』
『聞いてねぇっ!あいつ!』
『あ……行っちゃった…。恵理ちゃん、まだ学校来てないんだけどな……。』
『おっはよー!秋丸ー!』
『あ、おはよう。あれ?その手の中の…なに?』
『じゃーん!バイトしようと思って!!』
『へぇー…また急だね。』
『お金がいるの!!クリスマスまでにね!』
『クリスマス?何か欲しいものでもあるの?』
『うん!榛名には内緒にしててくれるなら教えてあげるよ!』
『わかったよ、内緒にしとく。』
『えへへ、実はねー、……を買おうと思ってね!』
『なるほど…たしかにそれならバイトしないと難しいかもね。』
『でしょー?だからあたし頑張るの!!』
『うん。俺も応援してるよ。』
『ありがと!秋丸!』
恵理が秋丸と共に教室に入った瞬間、榛名が恵理に走り寄ってきた。
『…え……?』
ガシィッと恵理の肩を掴むと、ガクガクッと肩を揺らした。
『恵理!!お前っ!バイトするなんて聞いてねぇぞ!!』
『…だ…誰からそれを……っ!?』
揺らされながら恵理は、きっと秋丸を睨みつける。
秋丸はその視線に気付くなり、慌てて首を横に振った。
『ちょっ…!俺じゃないって!だいたい、俺は朝からずっと一緒だったんだから、俺が榛名に言える訳ないじゃないか!』
『ずっと一緒?!秋丸!お前!!』
『ちょっと!違う違う!!それは言葉のあや!!そういう意味じゃなくて!!』
『てゆーか、離してよ!!ガクガクするからちょっと酔ってきたじゃん!!』
恵理の顔がだんだん青ざめていった為、榛名はぱっと手を離す。
しかし、やはり気になる様子でずいっと身を乗り出して、問いを続けた。
『で、どうなんだよ!バイト!』
『だから…それは……。』
答えに困り、視線をそらした先に黒板の掃除をしていた本多がいた。
『あ!ツッキー!おっはよー!』
『あ、おはよう。恵理ちゃん。いいバイト、見つかった?』
本多のこの一言に、恵理と秋丸の動きが止まった。
『『(こ…こいつか……!!)』』
『そーだよ、あたしバイトするの。』
『なんで急にバイトなんか始めんだよ……やっと部活終わって…これから遊べるってのにさ。』
『だってお金欲しいし?えっと…ほら、遊ぶのもお金かかるじゃん?だから!』
『そりゃ…たしかにそうだけどさ…だったら俺ん家とか…お前ん家で遊びゃいいじゃん。』
『ず…ずっと家にいたらつまんないじゃん?』
『まぁ…それも一理あるな…。』
『でしょ!だから!』
『じゃあ俺もバイトする!』
『……え?』
『恵理一人じゃ不安だし…俺も同じとこでバイトすりゃ、安心だろ!』
『そ…そりゃ不安はあるけど……榛名、高校卒業したらプロでしょ?怪我したらどーすんの?』
『多少なら大丈夫だって!そんな危ない仕事しなきゃいーんだろ?よし、決まりだな!』
『…うん!!一緒にがんばろー!榛名ー!!』
『あー…ゴホン……。』
こんな感じで二人がベタベタといちゃついていると、教壇から大きな咳払いが聞こえた。
二人が教壇をみると、年をとった教師が教科書片手に二人をまるで睨みつけるように見ていた。
『榛名、藍野……今は授業中なんだが…。』
『あ、ごめーん!せんせー!』
『と、いうわけで!あたしと榛名は二人でバイトすることになりましたー!』
昼休み、榛名が教師に呼び出されている間に恵理はピースサインを見せながら秋丸の前に座った。
『良かったね。場所は決まってるの?』
秋丸は、先ほどの授業の教科書を片付けながらも恵理の言葉に耳を傾けて、そう問いかけた。
『うん!榛名がね、帰りが遅くて心配だからあたしん家の近くにしろって!もう超かっこいーんだけどー!!』
『あ…はは……よかったね…。』
『でね、決まったのがここの喫茶店!制服が超かわいいんだ!明後日面接行くの!榛名と一緒に!』
『め…面接まで榛名と一緒なんだ……。』
『もち!だってもしのもしあたしの身に何かあったらどーすんの!?』
『……恵理ちゃんは自分の身は自分で守れるくらいの力を持ってるじゃないか。』
『うるさいっ!とにかく!!楽しみー!なんとしてでもクリスマスまで頑張るんだから!』
『あぁ…そういえば目的は“あれ”だったよね。』
『そう!“あれ”!頑張るもん!』
『けど…“あれ”っていくらするんだろうね?』
『えっとねー。たしか6万円くらいだったようなー…!』
『高いなぁ…やっぱり“あれ”は。』
『でもでも、榛名が欲しがってたんだもん!あげたいじゃん?』
『そうだね、“あれ”はこれからも使えるだろうし。』
『でっしょー!あと二ヶ月、頑張るもん!』
初めてのバイトに胸を躍らせながら、恵理は榛名と二人でバイトする姿を想像してみる。
恵理がその喫茶店を選んだ理由は制服だった。
『やばい、超たのしみ。』
『えー…君が藍野さんと…榛名君だね……。うん…榛名君野球部だったのか!いいね、青春だね。うん、採用!』
『やったー!超うれしい!』
『早速明日からお願いね!藍野さんはホール、榛名君は中をお願いするね。』
『え…別のところなんすか?』
『うーん…ホールは女の子だけにしてるんだよ……。ごめんね。』
『はぁ……。』
『しょーがないじゃん!榛名っ!こっちからキッチン見えるし、我慢してよ!』
『まぁ…それもそっか……。』
『じゃあ先に制服渡しとくね。明日からよろしく!』
『はーい!』
その後、恵理と榛名は各々制服を渡されて帰路についた。
恵理はぎゅっと渡された制服を抱きしめながら、前を歩く榛名の腕に抱きついて榛名の顔を覗き込む。
『ねぇ榛名!楽しみだね!』
『だな!持ち場は違うけど、働く場所は一緒だしな。』
『うん!榛名、その制服絶対絶対似合うもん!!やだー!超楽しみになってきたんだけどー!!』
榛名は自分の傍らでそう言ってる彼女を見て、ふっと微笑む。
心の底から好きという感情が溢れ出してくる感覚だ。
それほどまでに彼は、彼女に惚れ込んでいる。
それは、恵理に関してもそうなのだが…。
『榛名ー!バイト決まったお祝いにママがご馳走作ってくれるって!うち来るよね?ってゆーか泊まっていきなよー!今日はあたし榛名とずっと一緒にいたいー!!』
『行く!おばさんのご飯美味いから!それに恵理がいいなら泊まる!最近泊まりも俺ん家に来てばっかだったしな。』
『やったね!帰ろっ!榛名!』
榛名に返事に、すっかり気を良くした恵理はぎゅっと榛名の手を握って帰路についた。
次の日、二人は無事に面接に受かった喫茶店の制服を着て店の中にいた。
『よーっし!ばんばん働いてお金稼いじゃうんだから!!』
恵理はぐっと拳を握りしめてそう言う。
最愛の彼が望む“あれ”を買う為に。
恵理はちらっとキッチンの中にいる榛名を盗み見る。
『…(榛名ってば制服似合いすぎ…超かっこいい!!)』
そんなことを考えていると、出入り口のドアの鈴がカランカランと鳴った。
『あ…いらっしゃいませー!』
接客の仕方は事前にマスターから教えられていた為、比較的スムーズに応対できていた。
客層は若い女性がほとんどである、ここの喫茶店は外観も内装もおしゃれに仕上げているから若い女性の心を掴んでいるらしい。
時に恵理と話が合うお客さんとも出会えたり、なかなかやり甲斐のあるバイトだと彼女自身考えていた。
榛名も榛名で、すぐにキッチンの仕事を覚えて、暇な時間帯はちょっとだけホールの仕事を手伝ってみたり…。
二人とも楽しんで仕事を続けていた。
マスターも寛大な人で、たまにマスター自らが腕をふるって料理をご馳走してくれたりする。
二人は行きも帰りも一緒にいて、片方しかバイトに入っていない時は、もう片方が終わる時間を見計らって迎えにくる。
二人は、そんな感じでいつでもラブラブな毎日を過ごしていた。
そんなある日…。
今日もいつも通り、二人でバイトに来ていた。
榛名はキッチン、恵理はホールの仕事だ。
すると、いかにも普通の人とは違う男の人が店にやって来た。
『い…いらっしゃいませー!』
見た目はどこからどうみてもカタギには見えない。
『おい、お前!』
『は…はいっ!!』
『ビール!持って来いや!!』
『え……いや…ここ喫茶店なんで…ビールとかないんですけどー…。』
『はぁぁ!?ふざけんなごるぁ!!ビールっつったらビール持ってこいやぁぁぁぁ!!』
『で…っ…でもないものは!!うひゃぁ!?』
さすがに喫茶店にビールはおいていない。
さすがにこればっかりはどうしようもないので、断ろうとするとガシッと胸ぐらを掴まれた。
怖い顔が思いきり恵理の顔を睨みつけてくる。
老若男女平等、相手の服にはそう書いてあった…。
『ごるぁてめぇ!!なめとんかごるぁぁぁああ!!女じゃ思って手加減せんぞごるぁ!!!』
『なめてないなめてないぃぃぃいっ!!!!!!』
男の怒鳴り声に、恵理の悲鳴のような声を聞いた榛名が慌ててキッチンからホールに飛び出した。
『おいっ!俺の彼女に何すんっ』
バキィッ!!
『だ……よ…』
榛名が相手にそう言うより先に、男の体が空を舞い、店内から出入り口を通り外へと放り出された。
榛名が驚きの表情を見せ、男がぶっ飛ぶ寸前に手から落ち、床に倒れていた恵理もまた、顔をあげるなりそんな光景を見て、顎が外れそうな程呆けている。
『お客様、失礼ですが店員に手を上げる方はご入店をお断りしております。どうぞ御帰り下さいませ。』
『…な…なんだごるぁ!!てめぇ!なめて……っ?!』
男は起き上がるなり、そう凄むが顔を見るや否や動きが止まった。
『ま…マスター……!!やばいよ!!』
榛名に抱き起こされ、榛名の首元に抱きつきながら 男を殴り飛ばしたマスターの背中を見る。
男はきっと、仕返しをしてくるだろう…そう思ったのだ。
しかし次の瞬間、男はその場に土下座して頭を床にこすりつけながら謝りだした。
『すみません!すみませんでしたぁぁぁああ!!!!!!』
『『…え………?』』
恵理と榛名は、お互いに顔を見合わせながら目をぱちくりと瞬かせた。
『すまないねぇ…恵理ちゃん、大丈夫だったかい?』
『あ…は、はい!すみません…お客さん…怒らせちゃって……。』
『いやいや…あれはあの人達が悪いからね。榛名君もごめんね…大事な恋人を危険な目に合わせて……。』
『あ、いえ…むしろありがとうございます…恵理を助けてもらって……。』
あの後、店を閉めて三人は珈琲や紅茶をいれてテーブルを囲んでいた。
マスターは実に申し訳なさそうな顔をして、頭を下げた。
二人はぶんぶんと横に首を振りながら、まったく同じことを考えている。
『『(何者なのか…聞きたい…けど……聞けない!!)』』
その日は後片付けだけを終わらして、仕事は終わりとなった。
マスターはいつものにっこり顔で二人の帰りを見送ってくれる。
二人はいつもの通り、手を繋いで喫茶店を後にした。
そんな珍事件もあったりしたが、比較的平凡な毎日が過ぎて行った。
そして12月のある日…。
『でねーっ!!そんなこんなでお金貯まったの!結構働いたからね、あたし!!クリスマス間に合ったよ!!秋丸!聞いてる!?』
『聞いてるよ、よかったね。』
『と、いうわけだから“あれ”!買いに行きたいの!一人で行くのさみしいから着いて来て!』
『……やっぱり…。』
『え…?』
『おかしいって思ってたんだよ、しょっちゅう寝坊する恵理ちゃんが…朝早く俺の家に着て、俺を叩き起こして俺の上でそんなことを語ってくるなんてさ……。今日日曜日だよ?しかも8時だよ?朝の。』
『知ってるけど?ほら!早く着替えなよ!早く!』
『8時から店が開いてる訳ないでしょ。ほら、とりあえず何かして待ってて。準備するから……ふわぁぁぁ…。』
『早くしてよね!!早く早く!!』
『…はいはい。』
秋丸は、顔を洗おうと立ち上がり、ふと振り返って恵理の背中を見る。
榛名が望む“あれ”のパンフレットを秋丸のベッドに寝転がりながら見ている。
秋丸は思わず、ふっと笑みを浮かべて部屋を出た。
12月24日 クリスマスイブ
カップルが身を寄せ合い、独り身がそんなカップルを見て舌打ちをする日。
恵理は前者だ。
雪が降る今日はホワイトクリスマスだ。
吐く息が白く染まる中、カバンの中をちらっと覗く。
榛名が望んでいた“あれ”が今、自分の手の中にある。
そう考えるだけで、自然と笑みがこぼれた。
あまりにも楽しみだった為、約束の時間よりも30分以上早く着いてしまったのだ。
『(榛名まだかなー?っていうか、あたしってば早く着きすぎ、みたいな?)』
そんなことを考えながら雪空を見上げる。
辺り一面に積もった雪に、恵理の心も躍る。
冷えた手を温めようと、はぁっと息を吐きかける。
手袋は、急ぎすぎて家に置き忘れて来てしまった。
自販機で暖かい飲み物でも買おうかと考えたその時、がばっと後ろから誰かに抱きつかれ冷たくなった手をギュッと握られた。
『うーっ!さみぃ!!早いな、恵理。ってか、手ぇ冷たくね?いつから来てたんだよ?』
抱きついたのは勿論、恵理が会いたくてやまない彼だった。
『榛名っ!あたし、超楽しみすぎて早く来すぎちゃったんだ!』
『なんだよそれ!うー…さみぃ…!』
『雪も降ってるしね…ねぇ!榛名!もっともっと強くギュッてしてよ!』
『なんだよ急に…なんかあったのか?』
そんな事を言いつつも、榛名は先程よりも強く恵理を抱き締める。
恵理は強く抱き締められながら榛名の温かさを感じて、幸せそうに笑みを浮かべた。
『メリークリスマス、恵理。』
『メリークリスマス、榛名。』
『…こんな時くらい名前で呼べよな…。』
『ごめーん!つい、くせでね!メリークリスマス、元希!』
『っ!…あ…改めて言われると…恥ずい…!』
『なにそれーっ!』
真っ赤に顔を赤くした榛名の頬をつんつんとつつきながら、満面の笑みを浮かべる。
そして、ごそっとカバンの中の“あれ”を包んだプレゼント包装に触れて、再度存在を確認する。
『あ…あのね!榛名!』
『ん?何だよ?』
『これ…クリスマスプレゼントっ!!』
ばっとカバンからプレゼントを取り出して、榛名へと差し出す。
榛名は一瞬、困惑した表情を見せつつもプレゼントを受け取る。
『さ…サンキュ……なんだよ、これ?』
『それは開けてからのお楽しみ!!』
『まじ?開けていい?』
『もち!』
その言葉に、榛名はプレゼントの包装を解いていく。
そして中から出て来たのは、以前恵理とスポーツ店に行った際に欲しいと呟いていたグローブが入っていた。
『恵理…これ……?』
『榛名、それ欲しいって言ってたじゃん?それに、これなら今しか使えない訳じゃないと思うし…。ほら!榛名、卒業したらプロじゃん?こんなんじゃ、試合には出れないかもだけど…練習用くらいにはなるかな?って!』
『けど…これ高かったよな……?』
『だからバイトしたの!でも、全然苦になんかならなかったし!てゆーか、むしろ楽しかったし!それにそれに!榛名の喜ぶ顔が見たかったの!』
『っ!なんだよ!なんなんだよー!!可愛すぎるっての!』
恵理の言葉一つ一つに榛名の胸が満たされていく。
榛名は思わずもらったグローブをギュッと抱きしめ、涙を浮かべた。
『ありがと…一生大事にする……!!』
『えっへへー!うん!大好きだよ!榛名!』
『俺も!恵理が大好きだっ!!』
『やだ!超うれしいんだけど!!』
二人は、駅前に立てられた大きなクリスマスツリーの前で、大勢の人がいるにも関わらず、キスをした。
駅からうちへ帰ろうとする、恋人のいないおひとりさま方達から熱烈な舌打ちを受けてもまったく気にすることなく…。
『榛名選手!今回も、またもやバッターをまったく寄せ付けないピッチング!!お見事!あまりにも素晴らしいピッチングです!』
『うーん!さすがは期待のルーキーですね。』
『おや、榛名選手がインタビューに応じているようです。私達もインタビューさせていただきましょう!榛名さん!今回も素晴らしいピッチングでしたね!』
『ありがとうございます、ま、まだ本気出してないっすけど。』
『な…なんと!あれで手加減をしていたとのこと!その強さの秘訣は何なのか、ズバリ!教えてください!』
『ははっ…それって模範的な答え言わなきゃダメっすか?バランスのとれた食事に、厳しい練習とか?』
『その言い方だと、榛名さんを強くしているのはそれじゃないということですか?』
『んー…まぁ、それもあるだろうけど……やっぱ一番は違うっすね。』
『その一番、君に働きかけてるのはずばり?!』
『え、こんなとこで話し出したら時間足りないんすけど!ま、じゃあ…ヒントでも……。俺のグローブ、プロのみなさんが持ってるやつより質的にはちょっと劣るんすよ。』
『え?そうなのかい?』
『えぇ、けど俺は絶対このグローブ以外使う気ないんで。何でかわかります?』
『何かこだわりがあるのかい?グローブの形とか?』
『はずれっ!やべ、そろそろ行かねぇと。すみません、失礼します!』
時計を見た榛名は、慌てて踵を返して小走りで報道陣の前を後にする。
しかし、少し離れたところで急に報道陣に振り返ると、にっと笑みを浮かべながら持っていたグローブを軽く掲げた。
『彼女が買ってくれたんすよ!高三の時に!一生懸命バイトして!だから俺、これ以外は絶対に使わないんです。』
その言葉の後、報道陣が一斉にフラッシュを焚いた。
その次の日、スポーツ新聞のトップに榛名の写真と昨日の取材をまとめた記事が一面に貼り出されていたのだった。
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