違和感の答え
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何かがおかしい。
忍術学園の父の元に訪れた利吉は周りの反応がなにかおかしいことに気がついていた。
まず事務員の小松田。
利吉の顔を見ると少し驚いたように瞬きをしていた。
「あれ?利吉さん…?」
「どうしたんですか?小松田さん。入門票にサインするんですよね?貸してください。」
「え?あっ…!はい!」
といった様子だった。
そして父である山田伝蔵も。
「利吉か。…ん?」
「父上、次の休みこそ母上の元へ…ってなんですか?」
「いや…利吉…今日はお前一人か?」
「なんですか急に。今日は1人ですよ。」
「そうか。」
と言ったように不思議そうに首を傾げていた。
この得もしれぬ違和感に利吉は不快感を覚えていた。
「なんなんだ…みんなして。」
利吉が学園を出ようと歩いていると乱太郎が保健委員の仕事をしているのか大きな薬箱を抱えて歩いていた。
「あ…あれ?利吉さん?」
「乱太郎。重たそうな救急箱だな。手伝おうか?」
「あ…ありがとうございます!利吉さん…いつの間に戻ってこられたんですか?」
乱太郎もまた不思議そうに利吉の顔を見上げる。
「いつの間にも何も、私はさっき初めて忍術学園に来たよ。みんなして私をからかっているのか?」
「え……?でもさっき…恵理さんと歩いて…」
「私が?いや、今日は私一人で父上の元へ来たんだ。というか…今なんて?恵理……?」
「見間違いですかね…でも利吉さんにそっくりだったんですけど…。」
「乱太郎、それをどこで見た?」
「え?えっと…さっき救急箱を取りに行った時に小松田さんと話してたのを見て…そのまま出ていっていたので…」
乱太郎の話を最後まで聞くことなく、利吉はその場を後にした。
救急箱はご丁寧にその場に置かれたまま。
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