BAD MORNING…?
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「ハルっ」
「ぉわっ!!」
夢に落ちていた躯にドスン、と衝撃が走った。
衝撃を受けて悲鳴を上げる腹部に何かが乗っかっている。
「ってぇ…!……何してんだ…お前は…」
そこには満面の笑みを浮かべたレンの姿。
「えへへ。目、覚めた?」
「当たり前だ!」
腹が立つより呆れ返った俺は、腹部を擦りながら躯を起こす。
「ったく、何なんだ…朝っぱらから…」
そもそも自分より先にこいつが目覚めていること自体珍しい。
そのレンはエプロンを身に付け、ただニコニコと笑っている。
「今日はね、ハルのために朝ごはん作りに来たんだ」
「はっ!?」
くるりと踵を返してレンは台所へ向かう。
嫌な予感が頭を過った俺は、慌ててその姿を追う。
―――あぁ…やっぱり…
一昨日、綺麗に研いたばっかりのキッチンはそんな姿を微塵にも見せないほど散らかっていた。
「はい、早く座って」
レンはガタンと乱暴に椅子を引き、立ち尽くしている俺を手招きする。
「はぁ…」
朝から軽く目眩を覚えた俺は文句の言葉も出ずに、フラフラと椅子に腰掛けた。
「はい、どうぞ!」
勢い良く、テーブルに皿が置かれる。
「…なんだ、これ?」
その上に乗っている焦げた茶色の物体が何だか分からなくて、思わずそう聞いてしまった。
「見れば分かるだろ!?目玉焼きだよ」
言われなければ分からない。
そう言いたくなるほど原型を留めていない目玉焼きだった。
「そ、そうか…。お前が…作ったのか…?」
「うん!」
レンは自信満々に答えた。
呆気に取られてる俺を余所に、次々と料理らしきものが運ばれてきた。
本人曰く、トーストとサラダ、ベーコンらしいが。
「早く食べて?」
テーブルに両肘をつきながらこっちを見つめてる。
何故突然こんなことを始めたのか。
不思議で堪らなかったが食べないわけにもいかず、目玉焼きらしき物体を恐る恐る口へ運んだ。
「美味しい?」
レンが顔を覗き込む。
「あ、あぁ…美味いぜ、これ…」
引きつった笑みを浮かべながら俺は答えた。
不味いわけではない。
濃い。
味が濃すぎる上に焦がしているのだ。
「本当に!?良かったー。まだあるからいっぱい食べてね」
レンの顔がパァァと明るくなった。
「な、なぁ…。なんだって急にこんなことしたんだ?」
最初に浮かんだ疑問をぶつけてみた。
するとレンは椅子から下りて俺の横に回った。
「新婚さんごっこ」
チュッと柔らかい唇が頬に押しあてられる。
「お前なぁ…」
その仕草に俺は力が抜けたように笑い、その躯を抱き締めた。
「…ありがとう」
耳元でそう囁くと、レンは顔を真っ赤にして頷いた。
END
更新日不明
2008.12.20 改正
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