映画版の『重力ピエロ』が深夜にやってたので観ました。原作の小説も良かったけど、映画版も良いですね。ネタバレありで感想書きます。


※※※※※※※※※※※※※※※※※


未成年の性犯罪を駆逐する話なんですが、ツラいのと憎いのと優しいのがない交ぜになってて感情がぐるぐるする感じの作品。
人の行動は遺伝によって決まるのか、それとも環境によって決まるのか。血の繋がった親子の絆を否定して、血の繋がりのない家族に居場所を求める弟と、その兄の話。

弟が実の父親を殺そうとしているのだから兄は当然それを阻止すると思うじゃないですか。復讐なんてやめろ！母さんはそんな事望んでない！とか、うぜぇ事言って止めに入ると思うじゃないですか。でもしないんだよなぁ。

『お前がやった事は悪いことじゃない。お前はきっと、自分がするべきことについて今まで何百回何千回と考えて悩んできたんだろ。そうやって出した結論を刑事だとか裁判官にとやかく言われる筋合いはないよ。
お前以上にこの事を真剣に考えられるやつはいない。』

って。
しびれるねぇ。
法が裁かねえなら自分で裁くぞと。そういう強い火力の物語なんですな。最高。犯罪者を許すな。
公開当時この映画見てからしばらく渡部篤郎のこと嫌いだったんだけど(渡部さんは悪くない、役が胸糞だっただけ)、ルパンの娘の怪盗ぶりが素敵だったので今は好きです。