日記
御影先輩 is 何?~前半~
2020/05/23 06:03考察感想
機会があったので黒薔薇編の考察みたいなのを
してみました。
例によって妄想と思い込みと幻覚満載です。
まともな考察になってはいないかもしれない。
その辺はご了承ください。
とりあえず、
御影草時とは何者だったのか。
根室教授とは別人格なのか。
御影と馬宮の関係とは。
黒薔薇編のテーマとは。
ってな辺りを考えていきたいと思います。
長くなりそうですね。
BGMは『根室記念館』で。
アカデミックな雰囲気で書いていきます。
何のヒントもなく本編を追っていったら
大事なポイントを見逃してしまうかもしれないので
まず先に結論を、
つまり23話の鳳暁生のセリフをおさらいします。
そこから仮説を立ててみて、
のちに本編の分析に進みたいと思います。
**************
23話『デュエリストの条件』ラストシーンから
暁生氏のセリフを抜粋します。
「どうした。彼に同情しているのか?
だがすでに彼はこの学園にはいない。
いや、最初からいなかったんだ。
君と同じようにね」
ここの「彼」っていうのは
御影さんのことでいいのかな?
偽馬宮が同情するとしたら根室教授ではなく
ずっと一緒にいた御影さんのほうで間違いないから
御影先輩のことを指していると考えていいでしょう。
となると、御影草時という男は
「最初から学園内には居なかった」
ということが分かりますね。
つまりウテナや学園の生徒たちが見ていたものは
本来そこには居ないもの。幻覚とか亡霊とか、
そういうたぐいのものだったと考えていいでしょう。
オカルトですね。
黒薔薇編はオカルト回です。
14話の『黒薔薇の少年たち』の放送が7月2日で、
23話『デュエリストの条件』が9月3日。
作中の季節も夏と思われるので
(風鈴、スイカ、虫の声など)、
このクール全体が8月のお盆の時期に合わせた
『あなたの知らない世界』だということが分かります。
御影先輩がユーレイ的な存在であるのはわかった。
では根室教授とは?
生前の姿が根室教授で、死後の姿が御影草時?
「やあ、根室くんか。
そろそろ掛けてくる頃だと思っていたよ。
君が時子への未練から傍に置いていた
馬宮という少年は、ずっと昔に死んでいる。
君が自分の時間を止めてまで大切にしていた
思い出のイリュージョンを俺は利用したんだ。
君が可能性を秘めたまま
大人になりきれずにいた時間は役に立ったよ。
でも、それも終わりだ。
これから先、君の進む道は用意してない。
君も卒業してくれ」
御影がウテナとの決闘に負けるシーンでこのネタばらし。
残酷ですね。鳳暁生。
このセリフ、根室教授との電話越しの会話というテイを
取っているけど実際には根室教授と通話なんてしてない。
御影草時というのがどんな存在であったかを視聴者に
説明するためのセリフです。
黒薔薇編を読み解くための重要なセリフなので
一行ずつ精査していこうと思うのですが、
その前にちょっとDVD付属の解説文を確認しておきましょう。
これによると「御影草時」という名前は
根室館が焼け落ちたあとに教授が自分でつけた偽名、
ということになっています。時子への未練から、
時子の「時」の字を自分の名前に入れたのだそう。
ということは、
根室教授と御影草時は分離した人格ではなく同一人物。
だから上のセリフでも暁生氏は
御影のことを「根室くん」と本名で呼んでいるわけですね。
この『“御影草時”とはただの偽名説』を念頭に入れて、
暁生氏のセリフを検分してみましょう。
・「そろそろ掛けてくる頃だと思っていた」というのは、
根室くんが自分に助けを求めてくること、
もしくは“契約”の更新を申し出るであろうことが
予測できていたという意味ですね。
・「時子への未練から傍に置いていた馬宮という少年は
ずっと昔に死んでいる」。
決闘場で馬宮の本当の顔を見るまで
馬宮がすでに亡くなっているという事実を忘れていた根室。
死んだはずの馬宮を
生きていることにしておきたかったのは何故でしょうね。
あとでまた考えます。
・「君が自分の時間を止めてまで大切にしていた
思い出のイリュージョンを 俺は利用したんだ」
自分の時間を止めるってどういう事だ!!!
死んだ!?根室くんって死んでるの!??
…解らん。
自分の時間を止める方法はいくつかある。
まず単純に命を絶つこと。
大人になることをやめて子どもであり続けること。
過去の栄光にすがって思い出だけを語ること。
タイムリープ。
蝋人形。
永劫回帰。
・「君が可能性を秘めたまま
大人になりきれずにいた時間は役に立ったよ」
可能性ってのは
時子のことも永遠についての研究も全部投げ捨てていれば
自分の人生を生きていけたのに、
という可能性のことでしょう。
でもそれが出来ずに、
思い出に縛られながら生きることを選択した。
大人になりきれずにいた、とは
初恋の女性への執着を捨て去ることのできない
未熟さのことか。
・「これから先、君の進む道は用意してない。
君も卒業してくれ」
『卒業』っていうのはつまり
学園を出て大人になるってことだから
「君もいい加減大人になれよ」って事だと思うんですが、
じゃあ根室くんにとっての大人になるとはどういう事なのか。
このあたり、黒薔薇編のテーマに
繋がってきそうな感じしますね。
黒薔薇のデュエリストって、みんな自分の弱点とか、
コンプレックスと戦っていたわけじゃないですか。
自分のコンプレックスと真正面から対峙すること。
それが黒薔薇編のコンセプトだと思ってるんですが、
根室くんにとっての向き合うべきコンプレックスとは?
それはもう少しあとで考えましょう。
ここまでの分析で、根室教授について
もしやという説があるので書きます。
根拠なしの妄想なんで、真に受けなくてもいいです。
根室教授は火事の日に死んだ。
もちろんそれは現実的な死ではなくて概念としての死。
あの日、時子に頬をぶたれた瞬間
自分が間違いを犯したということに気付いた根室は、
根室という名前や教授という肩書き、その他一切を
100人の少年もろとも生き埋めにした。
過ち・栄光・思い出のすべてを
封印してしまうかのように。
その後は御影草時と名乗り学園の外で暮らすことになるが、
ある日、病に倒れ、
医者からは助かる見込みは無いと告げられる。
過去を抹消した今でも御影は時子のことが忘れられずにいた。
そのせいで妻子もなく、
残りの人生を孤独のまま送ることになってしまった。
絶望する御影の前に鳳暁生が現れ、取引を持ち掛ける。
取引に応じた御影は魂だけの幻影となって学園に戻り、
永遠を手に入れるため、
偽の馬宮を従えて暗躍することとなった。
すべては時子との人生をやり直すために。
…………。
めっちゃ捏造だけど、本編と矛盾する点は
無いと思われるので
これを大筋の仮説として
考察を進めてみたいと思います。
ところで、版権イラストとかだと
ウテナアンシー/御影馬宮、みたいに
ウテアンとみかまみが対称になってるような描かれ方を
されてるので、この二組が鏡の存在のように見えるんですが、
実際に対になってるのは、暁生アンシー/御影馬宮です。
ひとりの人格に対して名前が複数あるのは
暁生(ディオス)と御影(根室)だけです。
御影が生徒に黒薔薇の刻印を与えて決闘させていたのは
まるっきり鳳暁生のトレースであります。
暁生と御影が連動していることに気が付けば
暁生が隠れてやっていることも、
御影の動きを見れば分かってしまうという仕組みです。
影絵と同じようなものです。
暁生と御影、アンシーと馬宮、ウテナと時子。
この鏡像関係にも注目しつつ、
さらに分析を進めて参りましょう。
******************
14話、御影の目論見と二人がこれから成すべきことが
説明されています。
「必ず君を本物の薔薇の花嫁にする。
そしてディオスの力を手に入れ、
永遠の秘密を僕らのものにするんだ」
「天上ウテナを倒し、姫宮アンシーを手に入れ、
そして殺さなければ」
「強いデュエリストが必要だね」
ここまではわかる。
おそらく暁生が取引の内容として御影に提示した一部がこれ。
天上ウテナを倒し、ディオスの力を奪い取ること。
「持ち主が死ぬとこんな風に染まってしまうんです。
僕は黒いほうが美しいと思うけれど」
黒薔薇の刻印のはなし。
御影先輩の薔薇の刻印は黒くないから、
本体は存命って安易に考えてもいいかもしれない。
あ、そうだ、学園の外にいる(かもしれない)御影さんが
まだ生きてるっていう考え方はゲーム版の設定に準拠してます。
ゲーム版オリジナルキャラの三条院先輩は
何年も前に亡くなってる人なんだけど
鳳暁生の実験で蘇り、
デュエリストとして立ちはだかるって設定。
グッドエンドではもちろんウテナが三条院先輩に勝つから
『死んだ者の魂を利用するやり方は失敗』ってことになってる。
だから、鳳暁生が次の手を考えるとしたら
(ゲーム版のストーリーのあとに黒薔薇編が来るから)
『次は生きている者の魂を使う』だと思うんですね。
つまり、
火事の起きた廃墟に残る強い残留思念を使うのは一緒だけど、
本体が亡くなっている亡霊よりは
本体が生きてる亡霊のほうが強いんじゃないかって考えですね。
まあ、ゲーム版は実質的にTV版と繋がってないんで、
ホントは参考にはならないと思うんだけど、
説得力はあるからこの説を採用していこうと思ってます。
後半へつづく。
してみました。
例によって妄想と思い込みと幻覚満載です。
まともな考察になってはいないかもしれない。
その辺はご了承ください。
とりあえず、
御影草時とは何者だったのか。
根室教授とは別人格なのか。
御影と馬宮の関係とは。
黒薔薇編のテーマとは。
ってな辺りを考えていきたいと思います。
長くなりそうですね。
BGMは『根室記念館』で。
アカデミックな雰囲気で書いていきます。
何のヒントもなく本編を追っていったら
大事なポイントを見逃してしまうかもしれないので
まず先に結論を、
つまり23話の鳳暁生のセリフをおさらいします。
そこから仮説を立ててみて、
のちに本編の分析に進みたいと思います。
**************
23話『デュエリストの条件』ラストシーンから
暁生氏のセリフを抜粋します。
「どうした。彼に同情しているのか?
だがすでに彼はこの学園にはいない。
いや、最初からいなかったんだ。
君と同じようにね」
ここの「彼」っていうのは
御影さんのことでいいのかな?
偽馬宮が同情するとしたら根室教授ではなく
ずっと一緒にいた御影さんのほうで間違いないから
御影先輩のことを指していると考えていいでしょう。
となると、御影草時という男は
「最初から学園内には居なかった」
ということが分かりますね。
つまりウテナや学園の生徒たちが見ていたものは
本来そこには居ないもの。幻覚とか亡霊とか、
そういうたぐいのものだったと考えていいでしょう。
オカルトですね。
黒薔薇編はオカルト回です。
14話の『黒薔薇の少年たち』の放送が7月2日で、
23話『デュエリストの条件』が9月3日。
作中の季節も夏と思われるので
(風鈴、スイカ、虫の声など)、
このクール全体が8月のお盆の時期に合わせた
『あなたの知らない世界』だということが分かります。
御影先輩がユーレイ的な存在であるのはわかった。
では根室教授とは?
生前の姿が根室教授で、死後の姿が御影草時?
「やあ、根室くんか。
そろそろ掛けてくる頃だと思っていたよ。
君が時子への未練から傍に置いていた
馬宮という少年は、ずっと昔に死んでいる。
君が自分の時間を止めてまで大切にしていた
思い出のイリュージョンを俺は利用したんだ。
君が可能性を秘めたまま
大人になりきれずにいた時間は役に立ったよ。
でも、それも終わりだ。
これから先、君の進む道は用意してない。
君も卒業してくれ」
御影がウテナとの決闘に負けるシーンでこのネタばらし。
残酷ですね。鳳暁生。
このセリフ、根室教授との電話越しの会話というテイを
取っているけど実際には根室教授と通話なんてしてない。
御影草時というのがどんな存在であったかを視聴者に
説明するためのセリフです。
黒薔薇編を読み解くための重要なセリフなので
一行ずつ精査していこうと思うのですが、
その前にちょっとDVD付属の解説文を確認しておきましょう。
これによると「御影草時」という名前は
根室館が焼け落ちたあとに教授が自分でつけた偽名、
ということになっています。時子への未練から、
時子の「時」の字を自分の名前に入れたのだそう。
ということは、
根室教授と御影草時は分離した人格ではなく同一人物。
だから上のセリフでも暁生氏は
御影のことを「根室くん」と本名で呼んでいるわけですね。
この『“御影草時”とはただの偽名説』を念頭に入れて、
暁生氏のセリフを検分してみましょう。
・「そろそろ掛けてくる頃だと思っていた」というのは、
根室くんが自分に助けを求めてくること、
もしくは“契約”の更新を申し出るであろうことが
予測できていたという意味ですね。
・「時子への未練から傍に置いていた馬宮という少年は
ずっと昔に死んでいる」。
決闘場で馬宮の本当の顔を見るまで
馬宮がすでに亡くなっているという事実を忘れていた根室。
死んだはずの馬宮を
生きていることにしておきたかったのは何故でしょうね。
あとでまた考えます。
・「君が自分の時間を止めてまで大切にしていた
思い出のイリュージョンを 俺は利用したんだ」
自分の時間を止めるってどういう事だ!!!
死んだ!?根室くんって死んでるの!??
…解らん。
自分の時間を止める方法はいくつかある。
まず単純に命を絶つこと。
大人になることをやめて子どもであり続けること。
過去の栄光にすがって思い出だけを語ること。
タイムリープ。
蝋人形。
永劫回帰。
・「君が可能性を秘めたまま
大人になりきれずにいた時間は役に立ったよ」
可能性ってのは
時子のことも永遠についての研究も全部投げ捨てていれば
自分の人生を生きていけたのに、
という可能性のことでしょう。
でもそれが出来ずに、
思い出に縛られながら生きることを選択した。
大人になりきれずにいた、とは
初恋の女性への執着を捨て去ることのできない
未熟さのことか。
・「これから先、君の進む道は用意してない。
君も卒業してくれ」
『卒業』っていうのはつまり
学園を出て大人になるってことだから
「君もいい加減大人になれよ」って事だと思うんですが、
じゃあ根室くんにとっての大人になるとはどういう事なのか。
このあたり、黒薔薇編のテーマに
繋がってきそうな感じしますね。
黒薔薇のデュエリストって、みんな自分の弱点とか、
コンプレックスと戦っていたわけじゃないですか。
自分のコンプレックスと真正面から対峙すること。
それが黒薔薇編のコンセプトだと思ってるんですが、
根室くんにとっての向き合うべきコンプレックスとは?
それはもう少しあとで考えましょう。
ここまでの分析で、根室教授について
もしやという説があるので書きます。
根拠なしの妄想なんで、真に受けなくてもいいです。
根室教授は火事の日に死んだ。
もちろんそれは現実的な死ではなくて概念としての死。
あの日、時子に頬をぶたれた瞬間
自分が間違いを犯したということに気付いた根室は、
根室という名前や教授という肩書き、その他一切を
100人の少年もろとも生き埋めにした。
過ち・栄光・思い出のすべてを
封印してしまうかのように。
その後は御影草時と名乗り学園の外で暮らすことになるが、
ある日、病に倒れ、
医者からは助かる見込みは無いと告げられる。
過去を抹消した今でも御影は時子のことが忘れられずにいた。
そのせいで妻子もなく、
残りの人生を孤独のまま送ることになってしまった。
絶望する御影の前に鳳暁生が現れ、取引を持ち掛ける。
取引に応じた御影は魂だけの幻影となって学園に戻り、
永遠を手に入れるため、
偽の馬宮を従えて暗躍することとなった。
すべては時子との人生をやり直すために。
…………。
めっちゃ捏造だけど、本編と矛盾する点は
無いと思われるので
これを大筋の仮説として
考察を進めてみたいと思います。
ところで、版権イラストとかだと
ウテナアンシー/御影馬宮、みたいに
ウテアンとみかまみが対称になってるような描かれ方を
されてるので、この二組が鏡の存在のように見えるんですが、
実際に対になってるのは、暁生アンシー/御影馬宮です。
ひとりの人格に対して名前が複数あるのは
暁生(ディオス)と御影(根室)だけです。
御影が生徒に黒薔薇の刻印を与えて決闘させていたのは
まるっきり鳳暁生のトレースであります。
暁生と御影が連動していることに気が付けば
暁生が隠れてやっていることも、
御影の動きを見れば分かってしまうという仕組みです。
影絵と同じようなものです。
暁生と御影、アンシーと馬宮、ウテナと時子。
この鏡像関係にも注目しつつ、
さらに分析を進めて参りましょう。
******************
14話、御影の目論見と二人がこれから成すべきことが
説明されています。
「必ず君を本物の薔薇の花嫁にする。
そしてディオスの力を手に入れ、
永遠の秘密を僕らのものにするんだ」
「天上ウテナを倒し、姫宮アンシーを手に入れ、
そして殺さなければ」
「強いデュエリストが必要だね」
ここまではわかる。
おそらく暁生が取引の内容として御影に提示した一部がこれ。
天上ウテナを倒し、ディオスの力を奪い取ること。
「持ち主が死ぬとこんな風に染まってしまうんです。
僕は黒いほうが美しいと思うけれど」
黒薔薇の刻印のはなし。
御影先輩の薔薇の刻印は黒くないから、
本体は存命って安易に考えてもいいかもしれない。
あ、そうだ、学園の外にいる(かもしれない)御影さんが
まだ生きてるっていう考え方はゲーム版の設定に準拠してます。
ゲーム版オリジナルキャラの三条院先輩は
何年も前に亡くなってる人なんだけど
鳳暁生の実験で蘇り、
デュエリストとして立ちはだかるって設定。
グッドエンドではもちろんウテナが三条院先輩に勝つから
『死んだ者の魂を利用するやり方は失敗』ってことになってる。
だから、鳳暁生が次の手を考えるとしたら
(ゲーム版のストーリーのあとに黒薔薇編が来るから)
『次は生きている者の魂を使う』だと思うんですね。
つまり、
火事の起きた廃墟に残る強い残留思念を使うのは一緒だけど、
本体が亡くなっている亡霊よりは
本体が生きてる亡霊のほうが強いんじゃないかって考えですね。
まあ、ゲーム版は実質的にTV版と繋がってないんで、
ホントは参考にはならないと思うんだけど、
説得力はあるからこの説を採用していこうと思ってます。
後半へつづく。