日記
アニメ版モンスターファーム語り
2020/01/04 20:27考察
去年の4月、ポプテピピックのTVスペシャル版が各所で配信されて
一時期ネットが騒然となりましたね。
あれからまだ1年も経ってないのか。懐かしいな。
アニメオタクは推し声優の出演を期待しながら観るわけなんですが、
スペシャル版で國府田マリ子さんが参戦されたのめちゃくちゃ嬉しかった。
いやマリ姉めっちゃ好きだったんだ、子供の頃から。
けもフレ1期に出たときも歓喜したけれどさ
平成最後の2大覇権アニメにするっと入り込んでくる姉さん、
めちゃくちゃ推せるんですわ。
20年前から推してる声優さんがまだ最前線にいるって嬉しいね。
そんなわけでポプテピショックのあとすぐ
ママレードボーイとモンスターファームをレンタルしてきた次第です。
時間があれば守護月天も観たかったんだけど、絵柄がちょっと合わなくてな。
アニメ版ママレ、まじで演出どうかしてて最高。置鮎龍太郎の声が若くて最高。
でも登場人物がみんな恋愛脳でちょっとしんどい。
おばちゃんにはしんどかった。
その点、モンファは友情・努力・勝利だから健全で素晴らしいです。
ゲーム版未プレイだからアニメ版の内容しか語れないんだけど
アニメ版モンスターファームはホントに
ストーリーはシンプル、キャラデザは秀逸、背景は美麗で語るとこいっぱいなんすよ。
1999年放送だから去年が20周年の年だったんだよな。
それ知らないで再履修はじめたんだけどこういうのも運命だと思うよ(ニコニコ
アニモン、好きな回はいっぱいあるけど
どの回が1番かって聞かれたら間違いなくホリィちゃんのお誕生日回が
圧倒的得票数で優勝だと思うんだ。
今回はこの神回についてちょっと語ってみたいと思います。
*****アニメ版モンスターファーム***
***第37話『ホリィのハッピーバースデー』*****
この回とにかくみんな可愛い。
お祝いの準備が始まってからエンディングまでずっと可愛いしか言ってないよオレ。
かわいい…ああ可愛い……
内容を簡単に説明すると、
ヒロインがお誕生日だからチームのメンズで協力してバースデーサプライズしようや、
ってはなし。
でもこういう、男子が女子のためによかれと思って行動する回ってのは
たいてい失敗するパターンがほとんどじゃないですか。
「頑張って用意しようとしたけどうまくいかなかった」とか、
「所詮男に料理はできなかった」とか
「やっぱり料理は女の子の仕事だなあ」とか
「私はみんなの気持ちだけで充分よ」とか。
こういう残念な結末を予想してしまうじゃないですか。
オレもね、初見のときはもう最初からがっかりする準備ばかりしてた。
モッチーが巨大魚と格闘するくだりから嫌な予感しかしなかった。
しかしそこはモンファ。
がっかりさせません。
ご覧くださいこの映えディナー。
これ男子チーム6人(ひとりは花火の用意をしてたので正確には5人)で
構築した盛り会ですよ。
強すぎる。
もう普通にさ、大好きな女の子のために川に飛び込んで、
しっかり大物獲ってくるお餅ちゃん、最高に男前ですよね。
おゲン君とスエゾも罵倒しあいながらもちゃんと協力して果物狩ってくるし、
簡単にとはいかないけれど、苦労しつつもみんなちゃんと
予定してた食材を調達してこれちゃうのがすごいんだよ。
これって、それまでの旅の中で培ってきた経験と能力があるからできちゃうんだ。
作中でキャラたちがそういう事言わないからさらっと観て流しちゃうとこなんだけど
そういう成長もちゃんと描いてあるんだよな。
特にお餅。
お餅ちゃんの魚釣りシーンは何度かあるけど
回を重ねるごとに上手になっていってるのが分かるから泣いちゃう。
くそ可愛いわお餅。もちもちモッチー。
で、調達してきた食材をつかって男子ごはんが始まるんだけど、
ここで誰も「なんで俺が料理なんか…」とか文句言わないのがいいんだよな。
いつもはホリィちゃんに任せっきりみたいに見えるけど、
これって画面外では普段からお手伝いしてるってことだと思うんだよな。
だって普段からやってるヤツの手際だもん。そういうとこ好きだよ。
この37話、敵襲がないってのが最大の良識ポイントだと思うんだ。
パーティーに邪魔者が乱入したりする野暮な展開もない。
丹精こめて作った料理が台無しにされたりする非情な展開もない。
なんの心配もいらない優しい世界。
美しいシナリオ。
そして可愛いヒロイン。
なあこれ幸せか。
ご褒美か。
メンズがどれだけ彼女のことを愛しているかが分かるよね。
喜んでくれ!!!
っていうストレートな愛情表現が可愛くて泣ける。
まじで、作画もいいし。神がくださった回だわ。
最後の打ち上げ花火の描写を見てほしい。
最初の一発目、打ちあがった花火がパッと散ってすぐ消えるんじゃなくて、
降ってきた火の粉が風に吹かれるまでをちゃんと描いてるのがすげえんだ。
花火ってある程度風が吹く日のほうが風情があるんだって。
火の粉が横に揺れてふわっと消えるのがサビなんだそうで。
それをちゃんと分かってて、こういう子供向けアニメの中で表現して寄越すのが最高。
この夜を忘れない。
さてホリィちゃん。この37話で15歳になったのでそれまで14歳
つまり中学2年生だったことが発覚したのですがうわああいいな、14歳って最高だな。
多感な時期にモンスターいっぱい引き連れて危険な旅に出るのって夢じゃん。
めっちゃ良い。
ホリィちゃんの偉大なところは「敵も味方も憎まず」の姿勢を貫き通す信念の強さ。
なんだけど、
果たして子供のころからそういう優しい子だったのかというと
実はそうでもなかったんじゃないかってのが今日の議題です。
無粋かもしれませんが
いつからあの聖母のような慈しみの心を手に入れたのか、を考察します。
第8話『雨上がりの空に』で本人の口から過去が語られてますが、
ホリィちゃんには相棒のスエゾーにも仲間にも言っていない黒い秘密があるんじゃねえかと
疑ってるんだ私は。
ヒノトリという伝説のモンスターを見つけて復活させる。
これがホリィちゃんとスエゾの旅の目的でしたね。
故郷の村人やモンスターはみな惨殺されてしまった。
生き残った私たち2人は死んだ仲間たちの弔いのためにも、
諸悪の根源である魔獣・ムーを再び封印しなければならない。
そのためにはヒノトリの力が必要だ。って。
1話からの説明を聞くかぎりでは、
ああなんて正義感の強い子たちなんだろう。
このモンスターファームの世界を救うために頑張ってるんだなって
素直に思えちゃうわけなんですが、
8話の過去編で「おや?」ってなるんですね。
ホリィちゃんのお父さんは村の次期村長候補だった。
しかし後継者争いに負けて村を追い出された。
幼い頃にお母さんを亡くしていたホリィちゃんは村にひとり残され、
長老夫妻のもとに引き取られた。
優しいモンスターたちと仲良く暮らしていたそうなんだけど
おじいさまおばあさま以外の人間と親しくしている描写はその後も一切出てこない。
村の長になれなかった男は村を追われ、その子供も村人たちから敬遠される。
のどかで平和な村つっても外界から閉ざされてるようなもんだから
昔からの残酷な風習みたいなのが垣間見れてゾッとしますね。
2期ではスエゾ―もいじめられっ子だったって言ってたし
ホリィちゃんが村の人と仲良くできてなかったのは明らかなんすよ。
ということは、
父親を村から追い出し、自分を疎外する村人を
相棒のスエをいじめる村のモンスターたちを憎んで当然なんだ。
だから毎晩、眠りにつく前に人知れず祈ったかもしれない。
自分の父ではなく、代わりに村の人たちがいなくなってしまえば良いのにと。
本当にその日が来るとも知らずに。
村が壊滅したのはもちろん自分の責任ではない。
けれど、いなくなってしまえばと考えたことは事実だ。
だからこれは自分の罪である。
自分が抱いた憎しみによって引き起こされた悲劇なのだ。
自分はこれから、この罪を背負って生きていく。
その日を境に誰かを憎むことをしないと誓った。
誰かを憎むことは、いずれ自分を苦しめることだと学んだから。
隣にいるスエゾ―はホリィちゃんのこんな深淵を知らない。
ホリィちゃんもまたスエゾ―に教えるつもりはない。
完全に憶測なんで
まさかあのホリィちゃんが村の人を憎んだりするかね?
って感じもしますけど、
村を出たお父さんが簡単に暗黒面に堕ちちゃったことを考えると
あり得ない話でもないんですね。
13話で、魔獣ムーの正体が失踪した自分の父親だと知ったとき
ホリィちゃんはあれがお父さんのはずがないと事実を拒絶するけれど、
かつて自分も簡単に悪の心が芽生えたことを憶えているので
自分と同じようにお父さんも…とわりとすぐ察した節はあるかもしれない。
だから、あの場で恐れたのはムーの正体=お父さん
という目の前の事実ではなくて、
自分もいつかこの父親のように、悪に身を染めて
人だった頃の面影もなくなってしまうかもしれない。という最悪の未来を、
つまり自分がムーになってしまうことを恐れたわけなんですね。
35話で村を襲った宿敵ナーガと対峙しますけど、
塔から落ちかけているナーガに手を差し伸べたときの
「ここで見殺しにしたらムーと同じになってしまうもの」
からも分かるように、
ホリィちゃんが恐れているのは魔獣ムーそのものより
ムーと同じ非情で残酷な怪物になってしまうことなんですね。
だからホリィちゃんは誰も憎まないし、誰も傷付けない。
強い者は讃えるし、弱い者には寄り添うし、悪事は叱責する。
ただ優しいだけじゃないのがいいんだよな、ホリィちゃん。公正なんだよ。
なんかもうギュンっ…!!ってなりますね。好き。
ずっとホリィちゃんの話ばっかりしてますけど
37話以外でオレが好きなのは2期12話のゴーレム回。
トーナメントで優勝すると多額の賞金がもらえる。
ゴーレムはたまたま出会った女の子に優勝賞金を譲ると約束してしまう。
女の子は病気で、手術をすれば助かるけれど手術代が出せず治療を諦めていたわけですね。
で、まあそういう詐欺でして、あっさり賞金を詐欺られてしまうわけなんですけど
手術にお金が必要っていうのが嘘だったから、女の子の病気も嘘。
お金は持っていかれたけど、病気じゃなくてよかったっていうゴーレム
モンスターなのに人が良すぎて泣いてしまうんだよな。
1期でも美しい女性に騙されてたけど、あっちは最後にロストしてしまうから悲しい。
悲しいけどゴーレムメイン回は情緒が溢れてて本当に素晴らしいですね。
一時期ネットが騒然となりましたね。
あれからまだ1年も経ってないのか。懐かしいな。
アニメオタクは推し声優の出演を期待しながら観るわけなんですが、
スペシャル版で國府田マリ子さんが参戦されたのめちゃくちゃ嬉しかった。
いやマリ姉めっちゃ好きだったんだ、子供の頃から。
けもフレ1期に出たときも歓喜したけれどさ
平成最後の2大覇権アニメにするっと入り込んでくる姉さん、
めちゃくちゃ推せるんですわ。
20年前から推してる声優さんがまだ最前線にいるって嬉しいね。
そんなわけでポプテピショックのあとすぐ
ママレードボーイとモンスターファームをレンタルしてきた次第です。
時間があれば守護月天も観たかったんだけど、絵柄がちょっと合わなくてな。
アニメ版ママレ、まじで演出どうかしてて最高。置鮎龍太郎の声が若くて最高。
でも登場人物がみんな恋愛脳でちょっとしんどい。
おばちゃんにはしんどかった。
その点、モンファは友情・努力・勝利だから健全で素晴らしいです。
ゲーム版未プレイだからアニメ版の内容しか語れないんだけど
アニメ版モンスターファームはホントに
ストーリーはシンプル、キャラデザは秀逸、背景は美麗で語るとこいっぱいなんすよ。
1999年放送だから去年が20周年の年だったんだよな。
それ知らないで再履修はじめたんだけどこういうのも運命だと思うよ(ニコニコ
アニモン、好きな回はいっぱいあるけど
どの回が1番かって聞かれたら間違いなくホリィちゃんのお誕生日回が
圧倒的得票数で優勝だと思うんだ。
今回はこの神回についてちょっと語ってみたいと思います。
*****アニメ版モンスターファーム***
***第37話『ホリィのハッピーバースデー』*****
この回とにかくみんな可愛い。
お祝いの準備が始まってからエンディングまでずっと可愛いしか言ってないよオレ。
かわいい…ああ可愛い……
内容を簡単に説明すると、
ヒロインがお誕生日だからチームのメンズで協力してバースデーサプライズしようや、
ってはなし。
でもこういう、男子が女子のためによかれと思って行動する回ってのは
たいてい失敗するパターンがほとんどじゃないですか。
「頑張って用意しようとしたけどうまくいかなかった」とか、
「所詮男に料理はできなかった」とか
「やっぱり料理は女の子の仕事だなあ」とか
「私はみんなの気持ちだけで充分よ」とか。
こういう残念な結末を予想してしまうじゃないですか。
オレもね、初見のときはもう最初からがっかりする準備ばかりしてた。
モッチーが巨大魚と格闘するくだりから嫌な予感しかしなかった。
しかしそこはモンファ。
がっかりさせません。
ご覧くださいこの映えディナー。
これ男子チーム6人(ひとりは花火の用意をしてたので正確には5人)で
構築した盛り会ですよ。
強すぎる。
もう普通にさ、大好きな女の子のために川に飛び込んで、
しっかり大物獲ってくるお餅ちゃん、最高に男前ですよね。
おゲン君とスエゾも罵倒しあいながらもちゃんと協力して果物狩ってくるし、
簡単にとはいかないけれど、苦労しつつもみんなちゃんと
予定してた食材を調達してこれちゃうのがすごいんだよ。
これって、それまでの旅の中で培ってきた経験と能力があるからできちゃうんだ。
作中でキャラたちがそういう事言わないからさらっと観て流しちゃうとこなんだけど
そういう成長もちゃんと描いてあるんだよな。
特にお餅。
お餅ちゃんの魚釣りシーンは何度かあるけど
回を重ねるごとに上手になっていってるのが分かるから泣いちゃう。
くそ可愛いわお餅。もちもちモッチー。
で、調達してきた食材をつかって男子ごはんが始まるんだけど、
ここで誰も「なんで俺が料理なんか…」とか文句言わないのがいいんだよな。
いつもはホリィちゃんに任せっきりみたいに見えるけど、
これって画面外では普段からお手伝いしてるってことだと思うんだよな。
だって普段からやってるヤツの手際だもん。そういうとこ好きだよ。
この37話、敵襲がないってのが最大の良識ポイントだと思うんだ。
パーティーに邪魔者が乱入したりする野暮な展開もない。
丹精こめて作った料理が台無しにされたりする非情な展開もない。
なんの心配もいらない優しい世界。
美しいシナリオ。
そして可愛いヒロイン。
なあこれ幸せか。
ご褒美か。
メンズがどれだけ彼女のことを愛しているかが分かるよね。
喜んでくれ!!!
っていうストレートな愛情表現が可愛くて泣ける。
まじで、作画もいいし。神がくださった回だわ。
最後の打ち上げ花火の描写を見てほしい。
最初の一発目、打ちあがった花火がパッと散ってすぐ消えるんじゃなくて、
降ってきた火の粉が風に吹かれるまでをちゃんと描いてるのがすげえんだ。
花火ってある程度風が吹く日のほうが風情があるんだって。
火の粉が横に揺れてふわっと消えるのがサビなんだそうで。
それをちゃんと分かってて、こういう子供向けアニメの中で表現して寄越すのが最高。
この夜を忘れない。
さてホリィちゃん。この37話で15歳になったのでそれまで14歳
つまり中学2年生だったことが発覚したのですがうわああいいな、14歳って最高だな。
多感な時期にモンスターいっぱい引き連れて危険な旅に出るのって夢じゃん。
めっちゃ良い。
ホリィちゃんの偉大なところは「敵も味方も憎まず」の姿勢を貫き通す信念の強さ。
なんだけど、
果たして子供のころからそういう優しい子だったのかというと
実はそうでもなかったんじゃないかってのが今日の議題です。
無粋かもしれませんが
いつからあの聖母のような慈しみの心を手に入れたのか、を考察します。
第8話『雨上がりの空に』で本人の口から過去が語られてますが、
ホリィちゃんには相棒のスエゾーにも仲間にも言っていない黒い秘密があるんじゃねえかと
疑ってるんだ私は。
ヒノトリという伝説のモンスターを見つけて復活させる。
これがホリィちゃんとスエゾの旅の目的でしたね。
故郷の村人やモンスターはみな惨殺されてしまった。
生き残った私たち2人は死んだ仲間たちの弔いのためにも、
諸悪の根源である魔獣・ムーを再び封印しなければならない。
そのためにはヒノトリの力が必要だ。って。
1話からの説明を聞くかぎりでは、
ああなんて正義感の強い子たちなんだろう。
このモンスターファームの世界を救うために頑張ってるんだなって
素直に思えちゃうわけなんですが、
8話の過去編で「おや?」ってなるんですね。
ホリィちゃんのお父さんは村の次期村長候補だった。
しかし後継者争いに負けて村を追い出された。
幼い頃にお母さんを亡くしていたホリィちゃんは村にひとり残され、
長老夫妻のもとに引き取られた。
優しいモンスターたちと仲良く暮らしていたそうなんだけど
おじいさまおばあさま以外の人間と親しくしている描写はその後も一切出てこない。
村の長になれなかった男は村を追われ、その子供も村人たちから敬遠される。
のどかで平和な村つっても外界から閉ざされてるようなもんだから
昔からの残酷な風習みたいなのが垣間見れてゾッとしますね。
2期ではスエゾ―もいじめられっ子だったって言ってたし
ホリィちゃんが村の人と仲良くできてなかったのは明らかなんすよ。
ということは、
父親を村から追い出し、自分を疎外する村人を
相棒のスエをいじめる村のモンスターたちを憎んで当然なんだ。
だから毎晩、眠りにつく前に人知れず祈ったかもしれない。
自分の父ではなく、代わりに村の人たちがいなくなってしまえば良いのにと。
本当にその日が来るとも知らずに。
村が壊滅したのはもちろん自分の責任ではない。
けれど、いなくなってしまえばと考えたことは事実だ。
だからこれは自分の罪である。
自分が抱いた憎しみによって引き起こされた悲劇なのだ。
自分はこれから、この罪を背負って生きていく。
その日を境に誰かを憎むことをしないと誓った。
誰かを憎むことは、いずれ自分を苦しめることだと学んだから。
隣にいるスエゾ―はホリィちゃんのこんな深淵を知らない。
ホリィちゃんもまたスエゾ―に教えるつもりはない。
完全に憶測なんで
まさかあのホリィちゃんが村の人を憎んだりするかね?
って感じもしますけど、
村を出たお父さんが簡単に暗黒面に堕ちちゃったことを考えると
あり得ない話でもないんですね。
13話で、魔獣ムーの正体が失踪した自分の父親だと知ったとき
ホリィちゃんはあれがお父さんのはずがないと事実を拒絶するけれど、
かつて自分も簡単に悪の心が芽生えたことを憶えているので
自分と同じようにお父さんも…とわりとすぐ察した節はあるかもしれない。
だから、あの場で恐れたのはムーの正体=お父さん
という目の前の事実ではなくて、
自分もいつかこの父親のように、悪に身を染めて
人だった頃の面影もなくなってしまうかもしれない。という最悪の未来を、
つまり自分がムーになってしまうことを恐れたわけなんですね。
35話で村を襲った宿敵ナーガと対峙しますけど、
塔から落ちかけているナーガに手を差し伸べたときの
「ここで見殺しにしたらムーと同じになってしまうもの」
からも分かるように、
ホリィちゃんが恐れているのは魔獣ムーそのものより
ムーと同じ非情で残酷な怪物になってしまうことなんですね。
だからホリィちゃんは誰も憎まないし、誰も傷付けない。
強い者は讃えるし、弱い者には寄り添うし、悪事は叱責する。
ただ優しいだけじゃないのがいいんだよな、ホリィちゃん。公正なんだよ。
なんかもうギュンっ…!!ってなりますね。好き。
ずっとホリィちゃんの話ばっかりしてますけど
37話以外でオレが好きなのは2期12話のゴーレム回。
トーナメントで優勝すると多額の賞金がもらえる。
ゴーレムはたまたま出会った女の子に優勝賞金を譲ると約束してしまう。
女の子は病気で、手術をすれば助かるけれど手術代が出せず治療を諦めていたわけですね。
で、まあそういう詐欺でして、あっさり賞金を詐欺られてしまうわけなんですけど
手術にお金が必要っていうのが嘘だったから、女の子の病気も嘘。
お金は持っていかれたけど、病気じゃなくてよかったっていうゴーレム
モンスターなのに人が良すぎて泣いてしまうんだよな。
1期でも美しい女性に騙されてたけど、あっちは最後にロストしてしまうから悲しい。
悲しいけどゴーレムメイン回は情緒が溢れてて本当に素晴らしいですね。