日記
アニメ夜話アド黙回 前編
2019/10/08 22:01考察
BSアニメ夜話のアドゥレセンス黙示録回、文字起こしになります。
面白いと思ったとこだけ抜粋。
この回、脚本の榎戸さん本人が参戦しててめちゃくちゃ参考になります。
司 会:里 匠(アナウンサー)
岡田斗司夫(オタキング)
ゲスト:高見恭子(タレント)
小谷真理(SFファンタジー評論家)
森川嘉一郎(建築学者)
榎戸洋司(脚本家)
敬称略。
OPMC
里「今夜は岡田さんに訊きたいこと山ほどあります…!」
岡田「いやもうね、誰が観ても分かんないアニメですよ。訳分かんないけど面白い!ってのが、これの特徴なんです」
里「この作品ほんとに、謎が多いです」
~ゲスト紹介。BGMはアニメのやつガンガン使われてます~
~おおまかなストーリーのおさらいと、ゲスト各々による所感~
岡田「確かに美麗っていうか、描いてる絵が綺麗なのもそうですし、作画もこまかいし、あとハッタリがすごいですよね。
例えばアンシーの胸から剣が抜かれるところとか、全然スカートの長さとか違うじゃないですか。髪の毛の長さも全然違っちゃって。このへんは昔のロボットアニメの一体どこからそのマント出てきたの?とか…」
高見「いいんだよ!」
岡田「いやそこがいいんです!ロボットアニメでもそこがいいんですよ!このウテナもそういう風なところで抑えずに、思い切ってハッタリを出しちゃうところにカッコ良さが…俺褒めてる!大丈夫大丈夫!」
~ゲストの『気になるシーン』~
里アナウンサーは序盤の教室のシーン、若葉がウテナに校舎を案内するシーンをセレクト。
黒板が動いたり校舎の奇抜な設計が気になる様子。
岡田「通常の学園モノだったらもっと先生との対立とか絶対に出てくるのが、大人とか先生とかを徹底的に排除してますよね?特にこの劇場版では、先生出てこない」
高見・小谷「学園なのに!」
岡田「これ、絶対ワザとじゃないとやってるはずないですよ。ここまで意図的に排除してるというのは、意志力が要るんですよ」
榎戸「もう、興味なし。って感じで」
一同「www」
榎戸「親とか教師とかこの作品では興味無い感じでしたね」
里「舞台設定をするときに、何を狙っていこうと考えて作られたんですか?」
榎戸「TVシリーズからずっとやっていた『影絵少女』っていうコーナーがあるんですけど、あくまでも劇中劇であるということを分かりやすくやっていたので、影絵少女の中でどんな不条理なことが起こっても、それに対しては誰もクレームとか疑問を挟まないんですよ。お芝居だから。
ところが、影絵少女の世界を一歩出たウテナの世界になっちゃうと、スカートの長さおかしいんじゃないかとか、みんなすごく疑問に思うんです。けど、アニメ自体が劇中劇である。っていうふうに考えていただくと、分かりやすいんじゃないかと。黒板が動くとかいう事ではなくて、結論から言っちゃうと、まず心象風景である。というふうに解釈していただきたい」
里「心のなかの景色?」
岡田「登場してるキャラクターの心にはこのように映ってるってことですか?それとも誰か特定のキャラの世界って意味ですか?」
榎戸「そこが最大の謎かけ」
岡田「wwwそれを言えよ!そのためにそこに座ってるんだ!」
榎戸「じゃあ言ってしまうと、最後に、この世界から出て行った人の、心象風景っていうことになると思います」
一同「はー…」
里「森川さん、これは建築学的に言うとどんな風にご覧になってますか?」
森川「日本の漫画とかアニメって背景をあまり描き込まないものが多いような気がするんですよ。
それに対してこれは、ものすごく様式的に、事細かに、描写してるっていう意味ではすごく画期的だったと思うんですね。かつ、それが全部書き割り風になっている。それで、あくまでこれは『舞台』なんだなと、作り物なんだということを前面に押し出そうとしているところの面白さがあると思うんですね」
里「音楽についてはどのように捉えてらっしゃいます?」
森川「前衛演劇っぽさ。アングラ演劇っぽさを、すごく盛り立てていると思うんですよ」
岡田「音楽やられてるのはアニメの音楽とかやってる人じゃないんですよね?」
榎戸「決闘とかの合唱曲は天井桟敷をやられてたJ・A・シーザーさん」
高見「やっぱりそうだったんだ」
~絶対運命黙示録がNHKBSで流れる~
榎戸「学生時代から、幾原の家に遊びに行くと、いつも部屋でJ・A・シーザーの音楽かけてたんですよww変な奴がいるなあと思って見てたんだけど、ここに繋がるのかっていうwww」
高見「私も子供の頃聴いてた!だから懐かしかったんですねえ…。すっごい天井桟敷が好きで、ポスターとかファイルしてたんですよ」
~高見さんの『気になるシーン』は西園寺との決闘の場面~
里「榎戸さん、映画版で、ウテナの髪形を変えたのはどんな意図だったかってのは…?」
榎戸「単純にTV版とイメージを変えたかったってのがあるんです。さっきの、女性だとわかるシーンとかは、結局女の子の生き方っていうのは、お姫様か魔女しかないんじゃないのかっていうカテゴライズ。
みんなお姫様になりたがっていて、お姫様になれなかった女の子は、あとはもう魔女になるしかない。っていう選択肢しかない」
岡田「お姫様ってのはよく聞くし分かるんですけど魔女ってどういう意味なんでしょ?」
榎戸「男性に守られて幸せになれるのがお姫様だとするならば、単純には守ってもらえないので、守ってもらえるように、間接的に、力をもった男性の力を自分のものにしようとするのが魔女である」
岡田「少女であるか娼婦であるかの、極端なヤツ?」
榎戸「それを象徴的にやったのが、さっきの戦闘シーンなんですけど、ウテナは女性なのにスカートを履いてなくて、つまりお姫様ではないと、そういう表現なんですけど。最初に西園寺と闘うときに、竹箒を折って、竹箒で闘うんです。箒っていうのがだから魔女の象徴で、魔女ですらないっていう。だから、お姫様でも魔女でもない女の子が、どうやって女の子を守っていくのかなっていうことをやってみたんですけど、そういうのが分かりにくい…んですかね?」
岡田「それは、分かりにくいんじゃなくて、分からないです」
榎戸「あ、そうっすか?ww」
~ここでウテナの初期企画資料が登場~
『少女革命ウテナKiss(仮題)』
今、舞台は新・輪舞世界(ネオ・ロンドワールド)
少女のキスで、世界は革命する!
企画・原作 BE PAPAS
榎戸「10種類ぐらい企画書あったと思うんですけど、その中のひとつ」
岡田「セーラームーンから派生した企画っぽいですねえ~!」
榎戸「当時はやっぱりセーラームーンのムードっていうか、世の中がセーラームーンっていう時代で。我々もちょっとそれ…自覚しないと、抗うことすらできなかった。どんなセーラームーンにすればいいのか、みたいな発想しか最初はなかったんですよ」
後編へつづく。
面白いと思ったとこだけ抜粋。
この回、脚本の榎戸さん本人が参戦しててめちゃくちゃ参考になります。
司 会:里 匠(アナウンサー)
岡田斗司夫(オタキング)
ゲスト:高見恭子(タレント)
小谷真理(SFファンタジー評論家)
森川嘉一郎(建築学者)
榎戸洋司(脚本家)
敬称略。
OPMC
里「今夜は岡田さんに訊きたいこと山ほどあります…!」
岡田「いやもうね、誰が観ても分かんないアニメですよ。訳分かんないけど面白い!ってのが、これの特徴なんです」
里「この作品ほんとに、謎が多いです」
~ゲスト紹介。BGMはアニメのやつガンガン使われてます~
~おおまかなストーリーのおさらいと、ゲスト各々による所感~
岡田「確かに美麗っていうか、描いてる絵が綺麗なのもそうですし、作画もこまかいし、あとハッタリがすごいですよね。
例えばアンシーの胸から剣が抜かれるところとか、全然スカートの長さとか違うじゃないですか。髪の毛の長さも全然違っちゃって。このへんは昔のロボットアニメの一体どこからそのマント出てきたの?とか…」
高見「いいんだよ!」
岡田「いやそこがいいんです!ロボットアニメでもそこがいいんですよ!このウテナもそういう風なところで抑えずに、思い切ってハッタリを出しちゃうところにカッコ良さが…俺褒めてる!大丈夫大丈夫!」
~ゲストの『気になるシーン』~
里アナウンサーは序盤の教室のシーン、若葉がウテナに校舎を案内するシーンをセレクト。
黒板が動いたり校舎の奇抜な設計が気になる様子。
岡田「通常の学園モノだったらもっと先生との対立とか絶対に出てくるのが、大人とか先生とかを徹底的に排除してますよね?特にこの劇場版では、先生出てこない」
高見・小谷「学園なのに!」
岡田「これ、絶対ワザとじゃないとやってるはずないですよ。ここまで意図的に排除してるというのは、意志力が要るんですよ」
榎戸「もう、興味なし。って感じで」
一同「www」
榎戸「親とか教師とかこの作品では興味無い感じでしたね」
里「舞台設定をするときに、何を狙っていこうと考えて作られたんですか?」
榎戸「TVシリーズからずっとやっていた『影絵少女』っていうコーナーがあるんですけど、あくまでも劇中劇であるということを分かりやすくやっていたので、影絵少女の中でどんな不条理なことが起こっても、それに対しては誰もクレームとか疑問を挟まないんですよ。お芝居だから。
ところが、影絵少女の世界を一歩出たウテナの世界になっちゃうと、スカートの長さおかしいんじゃないかとか、みんなすごく疑問に思うんです。けど、アニメ自体が劇中劇である。っていうふうに考えていただくと、分かりやすいんじゃないかと。黒板が動くとかいう事ではなくて、結論から言っちゃうと、まず心象風景である。というふうに解釈していただきたい」
里「心のなかの景色?」
岡田「登場してるキャラクターの心にはこのように映ってるってことですか?それとも誰か特定のキャラの世界って意味ですか?」
榎戸「そこが最大の謎かけ」
岡田「wwwそれを言えよ!そのためにそこに座ってるんだ!」
榎戸「じゃあ言ってしまうと、最後に、この世界から出て行った人の、心象風景っていうことになると思います」
一同「はー…」
里「森川さん、これは建築学的に言うとどんな風にご覧になってますか?」
森川「日本の漫画とかアニメって背景をあまり描き込まないものが多いような気がするんですよ。
それに対してこれは、ものすごく様式的に、事細かに、描写してるっていう意味ではすごく画期的だったと思うんですね。かつ、それが全部書き割り風になっている。それで、あくまでこれは『舞台』なんだなと、作り物なんだということを前面に押し出そうとしているところの面白さがあると思うんですね」
里「音楽についてはどのように捉えてらっしゃいます?」
森川「前衛演劇っぽさ。アングラ演劇っぽさを、すごく盛り立てていると思うんですよ」
岡田「音楽やられてるのはアニメの音楽とかやってる人じゃないんですよね?」
榎戸「決闘とかの合唱曲は天井桟敷をやられてたJ・A・シーザーさん」
高見「やっぱりそうだったんだ」
~絶対運命黙示録がNHKBSで流れる~
榎戸「学生時代から、幾原の家に遊びに行くと、いつも部屋でJ・A・シーザーの音楽かけてたんですよww変な奴がいるなあと思って見てたんだけど、ここに繋がるのかっていうwww」
高見「私も子供の頃聴いてた!だから懐かしかったんですねえ…。すっごい天井桟敷が好きで、ポスターとかファイルしてたんですよ」
~高見さんの『気になるシーン』は西園寺との決闘の場面~
里「榎戸さん、映画版で、ウテナの髪形を変えたのはどんな意図だったかってのは…?」
榎戸「単純にTV版とイメージを変えたかったってのがあるんです。さっきの、女性だとわかるシーンとかは、結局女の子の生き方っていうのは、お姫様か魔女しかないんじゃないのかっていうカテゴライズ。
みんなお姫様になりたがっていて、お姫様になれなかった女の子は、あとはもう魔女になるしかない。っていう選択肢しかない」
岡田「お姫様ってのはよく聞くし分かるんですけど魔女ってどういう意味なんでしょ?」
榎戸「男性に守られて幸せになれるのがお姫様だとするならば、単純には守ってもらえないので、守ってもらえるように、間接的に、力をもった男性の力を自分のものにしようとするのが魔女である」
岡田「少女であるか娼婦であるかの、極端なヤツ?」
榎戸「それを象徴的にやったのが、さっきの戦闘シーンなんですけど、ウテナは女性なのにスカートを履いてなくて、つまりお姫様ではないと、そういう表現なんですけど。最初に西園寺と闘うときに、竹箒を折って、竹箒で闘うんです。箒っていうのがだから魔女の象徴で、魔女ですらないっていう。だから、お姫様でも魔女でもない女の子が、どうやって女の子を守っていくのかなっていうことをやってみたんですけど、そういうのが分かりにくい…んですかね?」
岡田「それは、分かりにくいんじゃなくて、分からないです」
榎戸「あ、そうっすか?ww」
~ここでウテナの初期企画資料が登場~
『少女革命ウテナKiss(仮題)』
今、舞台は新・輪舞世界(ネオ・ロンドワールド)
少女のキスで、世界は革命する!
企画・原作 BE PAPAS
榎戸「10種類ぐらい企画書あったと思うんですけど、その中のひとつ」
岡田「セーラームーンから派生した企画っぽいですねえ~!」
榎戸「当時はやっぱりセーラームーンのムードっていうか、世の中がセーラームーンっていう時代で。我々もちょっとそれ…自覚しないと、抗うことすらできなかった。どんなセーラームーンにすればいいのか、みたいな発想しか最初はなかったんですよ」
後編へつづく。