011:懐かしい歌
耳に届いたその歌は、天使ならば一度は聴いたことのあるもので。
懐かしいそれを歌っていたのが知り合いだと分かったときの驚きは隠しようもなかった。
「レイ」
極力平静を装ったつもりだが、驚いたことが分かるような声で名を呼んでしまう。呼ばれたレイは、歌うのをやめてこちらを振り返った。
「ルカ」
「……随分と上機嫌に歌っていたな。何かいいことでもあったのか?」
「き、聞いてたんですか!?」
よもや聞かれるとは思っていなかったのだろう。
驚愕の顔をするレイに素直に頷いて言葉を続けた。
「随分懐かしい歌を歌っていたな」
「……え」
唐突な話題転換についていけなかったのか、目を瞬かせるレイに言葉を続ける。
「あれは保育の園で歌われる子守歌だろう?」
長年、就寝前に年長の天使が幼年天使達に歌って聞かせるものだったと記憶していると口にすれば、レイは小さく頷いた。
「用事があって足を運んだときに、歌っているのを聞いたんです。懐かしくなっちゃって、つい……」
口ずさんでいたのだと、そう言ってレイは恥ずかしそうに頬を薄紅色に染め上げた。
懐かしいそれを歌っていたのが知り合いだと分かったときの驚きは隠しようもなかった。
「レイ」
極力平静を装ったつもりだが、驚いたことが分かるような声で名を呼んでしまう。呼ばれたレイは、歌うのをやめてこちらを振り返った。
「ルカ」
「……随分と上機嫌に歌っていたな。何かいいことでもあったのか?」
「き、聞いてたんですか!?」
よもや聞かれるとは思っていなかったのだろう。
驚愕の顔をするレイに素直に頷いて言葉を続けた。
「随分懐かしい歌を歌っていたな」
「……え」
唐突な話題転換についていけなかったのか、目を瞬かせるレイに言葉を続ける。
「あれは保育の園で歌われる子守歌だろう?」
長年、就寝前に年長の天使が幼年天使達に歌って聞かせるものだったと記憶していると口にすれば、レイは小さく頷いた。
「用事があって足を運んだときに、歌っているのを聞いたんです。懐かしくなっちゃって、つい……」
口ずさんでいたのだと、そう言ってレイは恥ずかしそうに頬を薄紅色に染め上げた。
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