002:歩く速度

「もう少しゆっくり歩こうか?」

心配そうに問いかけてきたユダに、慌てて首を振る。


「いえ、大丈夫です。それにこれ以上遅くなったら、先を行くゴウ達を待たせてしまうことになりますから」
「そんなに慌てなくても……きっと皆、俺達の分も残してくれていると思うし」
「そうとは限りませんよ?」


ガイは大食いですし、ゴウもあれで結構食べますからと口にすれば、その光景を想像したのか、ユダはその顔に苦笑を浮かべた。
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