061:落花流水
「ユダ、お願いですから……これ以上私に近づかないでください!!」
ある日の昼下がり、聖なる泉で告げられた悲痛な言葉に、驚くなというほうが無理だった。
「シン?」
前振りもなく、いきなりそんなことを言うなんていつものシンらしくない。
怪訝に名を呼ぶが、シンは俯いたまま「お願いですから」と繰り返すだけだった。
「……何故、そんなことを言うんだ?」
問いかけるが、シンは俯いたまま答えない。
言い淀んでいるようにも見えるその態度に溜め息をこぼした。
「レイや他の仲間と一緒にどこかへ行く約束を断るようになったからか? それとも図書館へ行く時間が減ったからか??」
自分に会うことで起こっているだろうシンの不満を挙げてみるが、その全てにシンは首を左右に振る。
「なら、どうして……」
ますますシンの意図が分からなくなって問いかければ、シンは言い難そうに言葉を紡いだ。
「……私が、おかしくなりそうだから」
ある日の昼下がり、聖なる泉で告げられた悲痛な言葉に、驚くなというほうが無理だった。
「シン?」
前振りもなく、いきなりそんなことを言うなんていつものシンらしくない。
怪訝に名を呼ぶが、シンは俯いたまま「お願いですから」と繰り返すだけだった。
「……何故、そんなことを言うんだ?」
問いかけるが、シンは俯いたまま答えない。
言い淀んでいるようにも見えるその態度に溜め息をこぼした。
「レイや他の仲間と一緒にどこかへ行く約束を断るようになったからか? それとも図書館へ行く時間が減ったからか??」
自分に会うことで起こっているだろうシンの不満を挙げてみるが、その全てにシンは首を左右に振る。
「なら、どうして……」
ますますシンの意図が分からなくなって問いかければ、シンは言い難そうに言葉を紡いだ。
「……私が、おかしくなりそうだから」
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