057:物足りない

「なぁ、マヤはさ……キラからいつまでも年少扱いされて、腹立ったりしねーのか?」
「え?」


――あまりにも突飛すぎる年上の友人からの問いかけを、不審に思うなと言うほうが無理というものだろう。


「うーん……ない、かな? ボクが年下なのは事実だし」


兄が自分に対して甘く過保護なのは、今までの境遇が一因だと思う。が、たとえそうだとしても、自分が弟である以上は、年下扱いされるのは仕方のないことだと思っていた。


「ふーん……まぁ、お前とキラは本当の兄弟だもんな」


そういうものかという納得と、欲しかった答えとは違うと言いたげに眉間に皺を寄せてぼやくガイの、その口から出た単語に目を瞬かせた。


「どうしたの、ガイ? もしかして、ゴウ兄さんに弟扱いされた??」
「――」
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