よく晴れた日の昼下がり
「だあぁぁ、早く降りて来いってのっ!!」
聞き覚えのありすぎる声に何事かと思って見てみると、そこには大樹に向かって手を伸ばしているガイの姿があった。
「ガイ、何をやっているんだ?」
「あ、ゴウ!! すっげー助かった!!」
声をかけると、ガイは嬉々とした声でそう言って『こっちへ来てくれ』と手招きをする。
何やら困っているらしい。
「何だ、どうした?」
「ちょっと手伝ってくれよ!!」
「だから……」
『何を』と言いかける自分に、ガイは大樹の枝を指し示す。そこにはよくガイと行動を共にしている子猫がいた。
「なんか降りられなくなっちまったみたいなんだ」
「ああ、そんなことか」
「そんなことじゃねーて。オレの子分なんだぞ!!」
「はは、すまんすまん」
怒鳴るガイに思わず苦笑する。こういうところは幼年期の頃からずっと変わらないガイらしい部分だ。
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