近くて遠い色
読んでいた本から視線を外すように上を向くと、青空が目に飛び込んできた。
大地のように広く海のように澄んでいる空は、眺めているとちっぽけな自分を思い知らされるけれど、同時に自分の抱えている悩みもまた、小さなものだと思い直せるので嫌いではなかった。
そう、嫌いではなのだけれど……。
「シン」
名前を呼ばれると同時にそれまで視界に映っていた空が声の主によって遮られた。
「……ユダ」
「空に何かあったのか?」
先程から上を向いていたがと、傍らに腰を下ろして問いかけてくるユダにシンは微笑んでみせる。
「何も……ただ、空を見上げていただけでうす」
「そうなのか? 何か悩みがあるのではないのか??」
「えっ……」
心配そうに尋ねられ、何故そんなことを聞かれるのか分からず目を瞬かせる。そのシンの態度にユダは告げた。
大地のように広く海のように澄んでいる空は、眺めているとちっぽけな自分を思い知らされるけれど、同時に自分の抱えている悩みもまた、小さなものだと思い直せるので嫌いではなかった。
そう、嫌いではなのだけれど……。
「シン」
名前を呼ばれると同時にそれまで視界に映っていた空が声の主によって遮られた。
「……ユダ」
「空に何かあったのか?」
先程から上を向いていたがと、傍らに腰を下ろして問いかけてくるユダにシンは微笑んでみせる。
「何も……ただ、空を見上げていただけでうす」
「そうなのか? 何か悩みがあるのではないのか??」
「えっ……」
心配そうに尋ねられ、何故そんなことを聞かれるのか分からず目を瞬かせる。そのシンの態度にユダは告げた。
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