正しい果実の食しかた
「あれは……」
「?」
聖なる泉からの帰り道、頭上を見上げたユダの声に、シンは目を瞬かせた。
あまりにも感嘆とした声に、どうしたのかと同様に頭上を見上げると、黄緑と紫の果実が実っている。
「この果実がどうされたのですか?」
怪訝にそう言ってユダを見ると、ユダは困ったような顔をして苦笑した。
「いや、少年天使の頃にもぎ取って食べたなと思って」
もう実る時期なんだなと、当時のことを思い出しているのか、どこか遠い目をしているユダの言葉に、シンは逆に驚いてしまう。
「この果実は食べられるのですか?」
「ああ。シンは食べたことがないのか?」
「はい……」
この木に果実が実るのは知っていたが、それが食用であるとは知らなかった。
問いかけに正直に頷いてみせたシンに、ユダは苦笑をこぼす。
「甘酸っぱくて美味しいんだ」
「そうなのですか?」
「ああ。このままでも十分美味しいが、ジャムにしても美味しいかもしれないな」
あの頃は料理に関心がなかったから考えもしなかったがと、そう言ったユダにシンは手を合わせる。
「では、天空城まで摘んで帰って、レイに頼んでみましょう。レイならば美味しいジャムを作ってくれると思いますし」
名案だと、そう言ってユダを見上げれば、苦笑しながらも「それはいい考えだ」と賛同された。
そんなユダの反応に赤面しながらも、早速摘んで帰ろうと、シンは持っていたハープを地面に置き、果実へ手を伸ばす。
(あ、確かに美味しい……)
以外にも簡単にもぎ取ることができたその果実をひとつ口に入れれば、ユダの言うとおり、甘酸っぱい味が口内に広がった。
「?」
聖なる泉からの帰り道、頭上を見上げたユダの声に、シンは目を瞬かせた。
あまりにも感嘆とした声に、どうしたのかと同様に頭上を見上げると、黄緑と紫の果実が実っている。
「この果実がどうされたのですか?」
怪訝にそう言ってユダを見ると、ユダは困ったような顔をして苦笑した。
「いや、少年天使の頃にもぎ取って食べたなと思って」
もう実る時期なんだなと、当時のことを思い出しているのか、どこか遠い目をしているユダの言葉に、シンは逆に驚いてしまう。
「この果実は食べられるのですか?」
「ああ。シンは食べたことがないのか?」
「はい……」
この木に果実が実るのは知っていたが、それが食用であるとは知らなかった。
問いかけに正直に頷いてみせたシンに、ユダは苦笑をこぼす。
「甘酸っぱくて美味しいんだ」
「そうなのですか?」
「ああ。このままでも十分美味しいが、ジャムにしても美味しいかもしれないな」
あの頃は料理に関心がなかったから考えもしなかったがと、そう言ったユダにシンは手を合わせる。
「では、天空城まで摘んで帰って、レイに頼んでみましょう。レイならば美味しいジャムを作ってくれると思いますし」
名案だと、そう言ってユダを見上げれば、苦笑しながらも「それはいい考えだ」と賛同された。
そんなユダの反応に赤面しながらも、早速摘んで帰ろうと、シンは持っていたハープを地面に置き、果実へ手を伸ばす。
(あ、確かに美味しい……)
以外にも簡単にもぎ取ることができたその果実をひとつ口に入れれば、ユダの言うとおり、甘酸っぱい味が口内に広がった。
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