Best Balance

「なあなあ、ルカって身長何センチ?」


あまりにも唐突な問いかけに、その場にいたルカを始め、ユダ、ゴウ、シンは目を瞬かせた。


「……ガイ、いきなりどうした?」
「別に~~、オレもそれくらい身長ほしいなぁと思って」


ゴウからの問いかけにそう答え、ガイは天を仰ぐ。その態度に他の三人は小さく苦笑した。

幼い顔立ちで外見年齢相応に見えないのもそうだが、六聖獣の中で一番身長が低いことを気にしていることから出たのだろう発言に、シンは苦笑して告げる。


「ガイ、貴方は今のままでも十分長身なのですから、身長が低いなどと自分を卑下する必要などありませんよ」


身長が低いのは、あくまで六人の中で。地上に降臨すればそれなりの長身なのだからと暗に告げれば、不満も露わなガイの返答が返ってきた。


「でもさぁ、目線の高さとか少年天使の頃とほとんど変わってないんだぜ? どう考えても体格が変わってない証拠じゃん」
「お前、まだそれを気にしてたのか?」


ガイの言い分にあきれた調子で告げたゴウに、ユダは目を瞬かせる。


「それと言うと?」
「冠礼式の後に同じことを言っていたんだ」


ゴウの答えに、納得したユダは大きく頷いた。


「可哀想な話ではあるが、ガイらしいといえばガイらしい」
「俺は今のままでいいと思うのだが」
「あ~~、せめてルカぐらい身長がほしいっ!!」


一体何が不満なんだと首を傾げるゴウをよそにガイは叫ぶ。と、それまで会話に加わっていなかったルカは小さく首を傾げた。


「身長がほしいのは分かったが……何故、私なんだ?」
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